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安倍首相が自衛隊を前に改憲アピール! 民放連は広告料欲しさと政権忖度で“改憲CMの量的制限しない”と

 まず、憲法改選が発議されれば国民投票運動が60〜180日間にわたっておこなわれるが、現行の「国民投票法」では、新聞広告に規制はなく、テレビ・ラジオCMも投票日の15日前まで「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないように勧誘する」CMを無制限に放送することが可能になっている。しかも、投票日前2週間のあいだも「賛否を勧誘」しないCMならば投票日まで放送できる。つまり、有名人が登場して「私は憲法改正に賛成です」などという意見広告は放送可能だ。

 そんななか、さっそく不穏な動きが出てきた。国民投票運動におけるCMについて、先月9月20日、日本民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長(日本テレビ社長)が「量的な自主規制はしないという考え方のもとで検討していく」と明言したのだ。

 そもそも国民投票法は、2006年に参院憲法特別調査特別委員会で可決された際、18項目もの附帯決議がつき、そのなかには〈テレビ・ラジオの有料広告規制については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重するとともに、本法施行までに必要な検討を加えること〉というものが含まれていた。にもかかわらず、民放連は昨年5月の段階で「これまで内部で議論したことはない」(朝日新聞2017年5月31日付)とコメントする始末で、結局、「自主規制なし」と判断したのである。

 この判断の背景には、国会からの注文を無視してでも大量出稿が見込まれるCMを規制したくないという民放各局の金勘定はもちろん、安倍政権に対する忖度も働いたはずだ。

 言うまでもなく、現行の国民投票法のままでは、約176億円(2017年度)というダントツの政党交付金を受け取っている自民党をはじめ、国会で多数を占める改憲派が潤沢な広告資金を抱えており、CMを使った広報戦略では圧倒的に有利となる。そのため、メディアには「公平性の確保」が求められていたわけだが、それを民放連が放棄したいま、資金力にものを言わせ、電通を味方につけた安倍自民党による「改憲賛成CM」が溢れかえるのは目に見えている。ちなみに、政党交付金の原資は国民の血税だ。

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