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『ゲゲゲの鬼太郎』の戦争描写をネトウヨが攻撃! 目玉おやじの「日本も他の国に攻め入った」のセリフに「反日」と

 ようするに、ネトウヨたちは日本も他の国に攻め入り、戦ったというごく当たり前の解説にまでいちゃもんをつけ、「反日」「左翼」「自虐史観」のレッテル張りで封じ込めようとしているのだ。その狂った歴史修正主義にはあきれ返るしかないが、しかし、これがいまのテレビを取り巻く現実でもある。ほんの少しでも、日本軍の加害の事実に触れただけで、たちまちこうした「反日」攻撃にさらされ、炎上してしまう。その結果、「終戦の日」近くに放送される戦争特集でも、日本が他国に対して行った加害についてふれる番組は極端に少なくなった。

 いや、テレビだけではない。教育現場でも、安倍政権や自民党のネトウヨ議員たちの圧力によって、こうした戦争の実態を教えることはほとんどなくなっている。

 そういう意味では、今回、『ゲゲゲの鬼太郎』がこの状況のなかで、子どもたちにも戦争の本質と悲惨さが伝わる作品を放送したのは、大きな意義があるし、賞賛に値する。

 そもそも『ゲゲゲの鬼太郎』の原作者である水木しげるも、妖怪漫画と並んで「戦争」をテーマにした漫画を何作も発表している。水木がラバウルの激戦地に送られ、爆撃で左手を失ったのはご存知の通りだが、水木はそうした自らの悲惨な体験を漫画にして戦争の悲惨さを訴えてきた。しかも、自分が受けた被害だけでなく、日本軍がいかに残酷な行為をしていたかもきちんと描いてきた。じつは今回のアニメの物語も、「妖花」というタイトルで水木が原作を描いており(講談社『水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎(3)』などに所収)、テレビシリーズでも第1期から取り上げられ続けてきたものだ。

 おそらく、今回の『ゲゲゲの鬼太郎』をつくったスタッフたちも、水木の戦争に対する姿勢・遺志を継ごうとしたのではないだろうか。

 右傾化社会に迎合し続けるテレビの姿勢をみていると、状況は厳しいが、『ゲゲゲの鬼太郎』には、これからも卑劣な圧力や攻撃に負けず、ぜひ、水木の遺志を表現する作品を作り続けて欲しい。

最終更新:2018.08.17 10:59

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