まず、安倍首相の“メシ友”である読売新聞特別編集委員の橋本五郎は「(朝日が)文書を持っている人に確認したんだと」「二重三重に確認はしますよ、ある人だけじゃなくて。そうじゃなきゃなかなか出せないっていうことがあるんですよね」と、朝日の報道は信憑性が高いと発言。加計学園問題では「前川前次官は人間のクズ」とまで罵倒し政権を擁護した元経産省官僚の岸博幸も「私もじつは役人時代に本当の極秘文書を渡せない場合は(記者に)見せるだけということはありましたから、そういうことはあります」と述べた。
また、与党側による「書き換えがあったとしても決裁が終わる前の文書ではないか」「決裁の途中で上司が部下に修正を指示するのはよくあり、問題にならない」という主張に対しても、岸は「決裁する過程で文書を直した場合は、直してそこに判子を押すのが当たり前。大幅な修正になる場合はもう一回決裁をやり直すのが通常」と言い、与党の言い訳が通用しないことを指摘した。
御用コメンテーターでさえ朝日の報道は事実だと言い、与党の言い訳を否定する──。これはさすがの安倍応援団でさえ財務省を擁護するのは無理があり、「財務省が調査すべし」という空気に乗っかっている証拠だろう。
しかし、対する政府はどうか。明日には「原本の写し」を提出するというが、この写しは、改ざん前の原本ではなく、昨年2月の問題発覚後に国会議員に開示した改ざん後の文書と同じものにすぎない。
──「改ざんはなかった」と言い張るのか、それとも改ざんは否定せず「文書はこれしかない」とでも言うのか。政府がどう出てくるかはわからないが、真っ正面から疑惑に答える気がないことだけはたしかだろう。
猿芝居で時間稼ぎをし、マスコミも国民も忘れるのを待つ。これは何度も繰り返されてきた安倍首相の常套手段だが、メディアはまたその片棒をかつぐのか。民主主義の根幹にかかわるこの重大な国家犯罪をこのまま看過するのか、メディアの姿勢もいま問われている。本サイトでは、明日以降の報道にも引きつづき注目していきたい。
(編集部)
最終更新:2018.03.07 10:54