首相官邸HPより
やっぱり、と言うほかない。森友学園との土地契約の決裁文書を改ざんしていた疑惑で、財務省は6日に調査の説明をおこなうと述べてきたが、蓋を開けてみれば、その回答は〈これら文書は、告発を受けた捜査の対象となっており、すべての文書を直ちに確認できない状況〉というシロモノだった。
財務省の太田充理財局長は、先週金曜日の時点では、昨日の衆院財務金融委員会で調査結果を報告すると言っていた。それが週明け月曜になって、麻生太郎財務相は「方針や留意点などの調査の状況の報告」と言い出したのだが、その結果が「捜査を受けているから確認できない」というゼロ回答。だが、捜査中であっても議院での国政調査は同時におこなえるもので、こんな言い訳は通用しない。
その上、問題となっている決裁文書の原本についても、財務省側は「近畿財務局にある」と言ってきたが、それも「大阪地検に押収された」と前言撤回。「調査する」と言っていたものをやらず、「ある」と言っていたものはない。そして、一向に「改ざんの事実はない」とは断言しない。──こうした対応からみても、文書が改ざんされたことは事実なのだとわかる。
しかも、5日におこなわれた野党合同ヒアリングでは、新たな疑惑が浮上。民進党の小西洋之議員が、国会に提出された決裁文書に、改ざんの“証拠”が残っていることを指摘したのだ。
小西議員は総務省の官僚だった経歴もあり、決裁文書には官僚が確認した印を付けるものだといい、実際、国会に提出された決裁文書(改ざん後の文書)では、ほとんどのページに確認の黒い印が付けられていた。だが、なぜか朝日が改ざんを指摘した内容があるページには、その印がついていなかったというのである。つまり、改ざんしたページをあとから差し替えた、ということの証拠だ。
さらに、昨日の合同ヒアリングでも自由党・森ゆうこ議員が5日、近畿財務局に赴いた際に入手した「決裁文書のコピー」には、昨年、国会に提出された文書には入っていなかった違うチェック印がついていたことを指摘。近畿財務局が「原本のコピー」と称するもの自体が、国会に提出された後にチェック印が入れられた“提出されたものとは違う文書”だったのだ。しかも、そのことを問われた近畿財務局職員は「いろんなバージョンが存在してしまった可能性がある」とまるで文書を何回も改ざんしているかのような発言をした。