しかも、この日の『バイキング』では、春蝶が本当に「極貧生活」を送っていたのかという疑惑も浮上した。フットボールアワー岩尾望がこんな指摘をしたのだ。
「落語家さんなんか、一門とか師匠とかあったり、直の営業とかメチャクチャ行きやすいじゃないですか。食いやすいんですよ、そもそも」
さらに、司会の坂上忍からはこんな決定的なツッコミを入れられた。
「しかも、春蝶さん、二世さんでしょ?」
そう。春蝶の実父は関西で大きな人気を集めていた二代目桂春蝶。三代目桂春蝶が落語家になる前に亡くなっているが、それでも落語界には父親の知り合いがたくさんおり、普通の若手以上にいろいろと面倒を見てくれる人も多かったはずだ。
いずれにしても、春蝶が仕事がなくてもやってこられたのは、「日本が素晴らしい」からでもなんでもない。「一門制度があって食いやすい」落語家だったからにすぎない。
自分はそんな恵まれた環境にいながら、貧困にあえいでいる国民に「これ以上この国に何を望みますか?」などと上から目線で説教して悦に入っていたのだから、呆れてものも言えない。
だが、春蝶のこれまでの言動をみていると、こうした発言が出てくるのは当然とも言える。『バイキング』では批判の嵐に「ツイッターってものをわかってなかった」などと涙目で言い訳をしていた春蝶だが、実はバリバリのツイッタラーで、しかも、前から安倍政権を擁護し「自分の不幸を政治のせいにするな」と弱者を叩くようなツイートをしていた。
また、夕刊フジや「正論」の連載でも、安倍政権擁護に、左翼批判、韓国バッシングなどを意気揚々と展開。本業の落語でも、『明日ある君へ~知覧特攻物語~』なる特攻賛美の創作落語を上演し(しかも、その内容は百田尚樹の『永遠の0』そっくり)、日本会議からも講演に招かれたりしていた。