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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」31

“官邸御用新聞”産経がまたしてもフェイク記事を 望月記者に答えた菅官房長官コメントの“捏造民意”を受け売り!

2月8日午前の会見であざ笑うように書類を片付け始める菅官房長官(政府インターネットテレビより)


 “官邸御用新聞”のような産経新聞がまたしてもフェイクニュース騒動を巻き起こしている。それが「菅官房長官 名護市長選を疑問視する東京新聞記者に反論」と銘打った8日のネット配信記事だ。これは同日、東京新聞の望月衣塑子記者が名護市長選関連の質問を菅偉義官房長官の会見で行ったが、それに対する菅発言(存在し得ない架空の基地容認の民意を捏造)を紹介したのだ。

 産経が取上げたのは、8日の午前と午後の官房長官会見の最後の一問一答で、自公推薦の渡具知武豊氏が現職の稲嶺進氏をおさえ初当選した名護市長選に関するものだった。司会者から「この後の日程がありますので次、最後でお願いします」「質問は要点を明確にし簡潔に」と釘を刺された望月氏だったが、ひるまず詳細な背景説明を断行。まず共同通信などの世論調査結果(新基地反対が66%)を引用し、続いて4年前の沖縄県知事選や過去2回(2010年と2014年)の名護市長選で示された新基地反対の民意が省みられずに工事が進んだことも指摘し、あきらめムードから渡具知氏に投票した声が多数報道されたとも紹介した。

 望月氏といえば、それまで予定調和の質疑応答ばかりだった官房長官会見に単身で乗り込み、他の記者がけっして訊こうとしない厳しい質問を突きつけて、納得しない回答には粘り強く再質問、菅官房長官を苛立たせてきた記者だ。その姿勢は国民の疑問を代弁し追及する真っ当なものだが、しかし菅氏は今回、長めの質問を聞きながら含み笑いを浮かべつつ書類の整理を始め、会見終了を促すかのような仕草もした。それに対し望月氏は「笑うところではないと思います!」と一喝し政府の見解を次のように問い質したのだ。

「県民に寄り添った、市民の思いにこれまで寄り添った判断というのが行われていなかったのではないかと、やはり選挙の結果を見ても感じられます。この点について、政府としてのご見解を再度お聞かせ下さい」

 これに対し、菅氏はこう答えた。

「選挙は結果がすべてであります。そして相手候補(稲嶺氏)は必死に埋め立て阻止を訴えたんじゃないでしょうか。住民の皆様が選ぶのが、民主主義の原点がこの選挙であります。以上です」

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