あれだけ強行採決を繰り返してきたのだから「独裁」以外なにものでもないが、唖然としたのは見城の返しだ。
「その感じで安倍独裁の感じはまったくしない!」
「いつも相手のことを考えながら話をしているよ」
「(独裁と呼ばれるのは)あまりにも実行力がありすぎるからだよ」
そして、末延が森友・加計問題について「安倍さんが憲法改正の話を5月3日に読売新聞インタビュー言われたでしょ。そこから日本の半分のメディアはね、何が何でもとにかく材料を使って安倍さんを叩くんだって、そのなかでモリカケモリカケと言ったんですよ。あんなの議事録読めば公開されてるんだからわかってる」と言い出すと、見城も「選挙が終わってからでも聞きけりゃ聞けばいい。あれはおかしい」と賛同した。
そもそも森友問題が大きく盛り上がりはじめたのは「安倍総理ガンバレ!」動画が流れたのがきっかけで、2月末のこと。加計問題の流れが変わったのも「総理のご意向文書」の流出と前川スキャンダルを官邸が仕掛けたこと、そして前川氏の実名告発がきっかけで、5月下旬。5月3日憲法改正とは関係がない。それなのに、あたかもリベラルメディアの意図的な報道だというのは事実を歪める不当な批判であり、見城の「選挙終わってから聞けばいい」というのは世論を無視した論外の主張だ。
だが、すでにおだてられつづけて“できあがった”安倍首相は、これまでと同じように加戸守行・前愛媛県知事や、八田達夫・国家戦略特区ワーキンググループ座長の主張が「ほとんど報道されていない」という“メディア陰謀論”を興奮気味に展開。見城が「(朝日新聞は)一行か二行……」と言うと、安倍首相はすかさず「あれ、投書欄」「そのあとアリバイづくりで社会面で載せたことはあると思いますよ。でも、しっかりと真面目に報道は(していない)」などと、党首討論会と同様に息巻いた。
朝日新聞はこの安倍首相からの批判に対し、真っ向から反論。加戸証言も閉会中審査の翌日朝刊で伝えてきたこと、八田氏の主張も単独インタビューをおこなった3月以降、計10回以上取り上げてきたとしている。
しかし、安倍首相はそうした「ファクト」なんて気にしていないのだろう。事実、この番組内では、こう断言したからだ。
「テレビでも加戸さん、一切出れないじゃないですか。なぜかと言えばですね、やはり、真実を語っているからね。それを、都合の悪い人たちにとっては怖いんだろうと。何を怖がっているんですかと私は思うんですね。加戸さん、出されたらいいじゃないですか」