泉田氏は知事時代の13年10月、フリーの記者も参加可能な知事会見「メディア懇談会」をスタートさせたが、この時も泉田氏は原子力防災の第一人者として原発テロ対策の不十分さを詳しく説明していた。
筆者はこれ以降、日本国民全員が知るべき憂国の訴えである“泉田原子力防災論”をリテラや週刊誌誌などで紹介、原子力規制委員会の田中委員長の会見でも何度もぶつけてきた。【https://lite-ra.com/2017/05/post-3189.html】
。
大飯原発再稼働を認めた今年5月に続き、まさに米朝関係緊迫化で原発攻撃のリスクが高まったとメディアが大騒ぎしていた9月6日、筆者は規制委員会の会見に出席、柏崎刈羽原発再稼働に実質的なゴーサインを出そうとしている田中委員長に再び原発テロの可能性、そしてその対策についての質問をした。しかし、“所管外”として具体的回答をしない姿勢は同じだった。
———北朝鮮の脅威、緊張がますます高まる中で、原発へのテロ、あるいはミサイル攻撃に対するリスクへの対応について、安倍政権と最近、何回ぐらい、どういう話をしているのか、お聞きしたいのです。ちなみに1994年のアメリカと北朝鮮の緊張が極度に高まったときには、羽田政権のときなのですが、警察のトップと自衛隊のトップが話し合って、北陸地方の原発テロに対してどう対応するのか、このままだと自衛隊が十分迅速に対応できないのではないかという話し合いをしているのですが、今回の場合は安倍政権とどういう話し合いをなさっているのでしょうか。
田中委員長 「何かやっていますか」(と職員に声をかけるが、無回答)。やっていないでしょう。やっていませんよ。そっちの問題は規制委員会とか規制庁の問題ではありませんのでね。
——原発の稼働をとめるべきではないかという議論は、規制庁、あるいは政府で、なされていないのか。
田中委員長 そういう主張をされる方もおりますけれども、緊張が高まったら止めめるべきだとか、緊張が高まったら何かすべきだというのは、それはそれぞれのお考えがあるでしょうから、今、私が答えることではありません。
原発テロのリスクを問題視せずに“所管外”を繰り返す姿勢の田中委員長に再質問をしようとすると、司会者が委員長と一緒になって質問を遮ろうとし始めた。