「この資料は、今治市が『総理・内閣主導』と認識していたことを示すもので、地元で広まっている菅市長発言とも一致します。安倍総理主導で加計ありきのタイトな日程で進んでいたことは明らかなのです。とにかく市役所の担当課に聞いても『急げ』『急げ』と言われている。『平成30年開学をしないといけないから、このスケジュールなのです』というのは市役所のすべての担当課から言われます」
加計学園側からのボーリング調査の申し入れに対する決済も異例のスピードだという。
「加計学園に市有地が無償譲渡される前にボーリング調査が行われました。加計孝太郎氏からボーリング調査の申入れ書が市役所にメールで送られてきましたが、同じ日付で承諾書を出している。その後、郵送で申入れ書が届いて決済しています。一日、二日すら待てないほど急いでいた」
まさに「総理・内閣主導」で今治市が急き立てられたことを物語る話だが、最近になって菅市長は去年秋の発言を曖昧にし始めた。5月30日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)で、自らの“総理主導発言”について「記憶はない」とした上で「もし千歩譲って発言があったとしたら、安倍政権が安定していることが一番大事なことだった」という弁明をしたのだ。
黒川氏は呆れてこう語る。
「番組では市長の選対関係者が、『それは国がやっていることだし、総理が全部やってくれていることなので、地元はどうこういう話ではなくなっている』という市長の発言を紹介してもいましたが、同等のことは僕もいろいろな所から聞くので、それだけの人が同時多発的にウソをつくことはないと思います。市長は全否定をするわけにいかないので、全く説得力のない言い逃れをしたのでしょう」
総理主導発言を触れ回っていた理由も想像がつく。実は菅市長は、「総理のご意向」と発言したとされる藤原豊審議官(内閣府国家戦略特区担当)が、獣医学部新設に慎重な姿勢であった地方創生推進室次長時代に2回面会しているのだ。