そして、昨日公表された新たな文書によって、こうした「加計学園ありきの出来レース」は決定的となった。しかし、山本地方創生相が「出元がはっきりしない、信憑性も定かでない文書に基づいてわたくしどもが何らかのお答えをする立場にない」と突っぱねたように、官邸の態度はいまだ「文書は怪文書」扱い。
さらには、昨日、本サイトが報じたように、「あの文書は本物だ」と実名証言する予定で動きはじめていた文科省の前事務次官である前川喜平氏を封じ込めるべく、官邸は読売新聞に前川氏のスキャンダルをリーク。読売は「前川氏が出会い系バーに出入りしていた」という、物証もない、刑事事件にもなっていない、職務とも関係していない官僚の下半身スキャンダルという、およそ大手全国紙とは思えない三流実話誌並みの記事を掲載したのだ。
これによって前川氏の実名証言を報道する予定は立ち消えたと言われ、実際、前川氏が出演する予定だったと言われている『報道ステーション』(テレビ朝日)は、昨晩、小池議員があきらかにした新たな内部文書問題を報じることはなく、『NEWS23』もほんのわずかしか伝えなかった。これからは週刊誌によって前川氏バッシングが展開されることになるだろう。
不都合な事実や人物は徹底して謀略を仕掛けて潰す、安倍政権の陰湿でグロテスクとしかいいようのないやり口──。しかし、それでもあきらめずに、地道に資料をあたり、疑惑をひとつずつ暴いていけば、その蟻の一穴から巨大ば壁が崩れる可能性は十分ありうる。心あるジャーナリストやメディアは、これからもこの加計学園問題と森友問題を追及し続けてほしい。
(編集部)
最終更新:2017.05.23 07:23