ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文はかつてツイッターにこのような文章を投稿していた。
〈五輪というイベントが、本当に共謀罪を創設したり、基本的人権を制限しないと開催できないような空恐ろしいイベントであるのだとしたら、そんな剣呑なイベントの開催は、いまからでもぜひ辞退するのが賢明だということだ〉
「女性自身」(光文社)17年2月7日号に掲載された坂本龍一と吉永小百合の対談で、坂本はドナルド・トランプ大統領の誕生をめぐるアメリカの混乱を見て「いまこそアートが必要だと強く思った」と語っている。
「僕はアメリカに住んでいて、アメリカ市民ではないので選挙権はないですが、やはり、トランプ氏が大統領選挙で当選したときには本当にショックで。周りにはショックで泣いている人もたくさんいましたけれど、翌日には「こんな時代だから、今までになく音楽やアートが必要だ」と、僕は強く思ったし、トランプ以前とトランプの時代では、アメリカにおける音楽やアートの存在の仕方が、たぶん違ってくるような気がします」
音楽でも映画でも小説でも漫画でも絵画でも演劇でも詩歌でも漫才でも、ありとあらゆる文化や芸術は、人々の相互理解と連帯を促すものだ。
「声高に主張しても、違う考えを持っている人の心を開くことはできませんから。跳ね返ってくるだけで。固く閉じている心を開くのは、アートや音楽、映画や物語の強さだと思います。だから、こういうときこそ、より必要だと思います」(前同)
しかし、「共謀罪」が通ってしまえば、権力者を批判するような表現をつくり出すことは許されないことになってしまう。「共謀罪」が成立した後のこの国は、まさしく安倍晋三“独裁”政権が支配するものいえぬディストピアだ。最後の最後まで反対の声をあげ続けていく必要がある。
(編集部)
最終更新:2017.12.04 01:19