そして、山口氏は当時、まだTBSの記者だったが、安倍首相とは2006年にいっしょに靖国神社に極秘参拝するなど、第一次政権前からズブズブの関係を築いていた。菅官房長官とも、その著書で明らかにしているように、当時、安倍首相返り咲きのために頻繁に情報交換をしてべったりの関係を築いていた。
また、このレイプ事件を起こす直前、山口氏は被害者女性に「今売ってる週刊文春に僕の寄稿が掲載されるから読んでおいてね」というメールを送っているが、これは、「週刊文春」(文藝春秋)15年4月2日号に掲載された「歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」。旧日本軍の従軍慰安婦を糾弾する韓国へのカウンターとして書かれたもので、実はネタ元は官邸、菅官房長官ともいわれていた。
そして、山口氏はこの記事をTBSに無断で文春に発表したことがきっかけで同局を退職。安倍首相と昵懇の見城徹氏率いる幻冬舎から安倍首相のPR本『総理』を出版し、評論家デビューを果たすのである。
その最中に起きたレイプ事件を、安倍首相や菅官房長官子飼いの警察官僚がもみ消したというのは、どう考えても偶然とは思えない。安倍首相や菅官房長官が自分たちの応援団ジャーナリストを守るためになんらかの圧力をかけた、との疑惑が浮上するのは当然だろう。
中村元刑事部長は「週刊新潮」の取材に対し、忖度や圧力は否定しているが、「事件の中身として、(逮捕は必要ないと)私が判断した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります」と、逮捕を阻止したことを認めている。前述したように、準強姦事件に、警視庁の刑事部長が直接判断を下すというのはありえない。
そういう意味では、これは森友学園問題と同じ、官僚を使って“身内”を特別扱いしまくっている安倍政権の疑惑なのだ。
いまのところ、テレビや新聞がこの問題を後追いする気配はないが、被害者女性は検察審査会に不服申し立てをする準備をしているという。本サイトとしては、安倍政権がどう捜査に関与したのかを引き続き、追及していくつもりだ。
(編集部)
最終更新:2017.12.01 04:58