さらに、今村大臣は4日の問題になった会見から一週間しかたっていない11日の衆院震災復興特別委員会でも「(帰還するかしないか)自分で判断をすることは当然。責任が伴う」と言い放ち、“自主避難者は自己責任”と強調。さらに21日の会見でも、同じ西中記者からの質問に苛立ち、「もういいよ!」と会見を打ち切っている。
しかし、安倍応援団や保守メディアはこのとんでもない大臣をかばい、逆に西中記者を「しつこい記者」「怒らせるための質問」「あいつはフリージャーナリストではなく活動家だ」と攻撃した。
そして、安倍首相も今村復興相の責任を一切問うことなく、そのまま大臣に留任させてしまった。それが、今回のとんでもない地方差別の暴言につながったのである。
周知のように、今村復興大臣が暴言発言をしたパーティには、当の安倍首相も出席していた。そして挨拶の冒頭、今村復興相の発言に触れ「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言があったので、首相としておわびしたい」と述べた。
この発言が今村復興相の辞任に繋がったと見られるが、そんなことでこの間の責任をごまかせると思ったら、大きな間違いだ。
そもそも、今村復興相の発言はけっして個人的なものではない。自主避難者を「自己責任」と切り捨てる今村大臣の主張は安倍政権の国策そのものなのだ。国の原発政策の被害者であり、なんの落ち度もない自主避難者に対して、安倍政権はいま、そのわずかな支援を打ち切り、新たな安全神話を先導。放射性物質で汚染された土地への帰還を強固に推進しようとしている。
そうした政策が“自主避難は自己責任”という空気を生み出し、各地で被災者差別を生み出しているのだ。
今村復興相の“暴言”は、安倍政権の本音であり、その被災者切り捨ての復興政策と原発政策を改めさせないかぎり、第二、第三の今村が出てくるだけだということを、われわれは強く認識しておく必要がある。
(編集部)
※ 本サイトでは今回の今村復興相辞任のきっかけを作ったフリージャーナリスト・西中誠一郎氏のインタビューを行っている。それも改めてご一読いただきたい。
【今村復興大臣を激高させた“フリージャーナリスト”が安倍政権の原発被災者切り捨てとバッシングへの思いを激白!】
最終更新:2017.12.01 01:59