自由民主党HPより
昨日、衆参予算委員会で行われた籠池泰典理事長証人喚問では、新たな証言が次々に飛び出した。昭恵夫人への口利き依頼、維新と自民党議員の関与、さらには稲田朋美防衛相の夫へ国有地取得についての相談──。しかも、稲田防衛相の夫は、稲田氏の弁護士事務所で2016年1月に籠池理事長と近畿財務局、大阪航空局の職員と面談していたと明かし、顧問弁護士時代は稲田防衛相も弁護士として対応していたと証言。稲田防衛相の関与の疑いはまたも深まった。
しかし、そんな新事実をも吹き飛ばす証言は、「昭恵夫人側からのファクス」の存在だ。籠池理事長が安倍昭恵夫人に特約について相談をもちかけた際、経産省から出向していた内閣総理大臣夫人付の谷査恵子氏なる人物が2015年11月17日に籠池理事長宛てでファクスを送付。メディアに公開されたそのファクス文書には、財務省国有財産審理室長である田村嘉啓氏からの回答として、「工事費の立て替え払いの予算化について」と題し、〈平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中〉などと書かれていた。
つまり、昭恵夫人は国有地の取引に関して財務省から回答を引き出していたのである。実際、籠池理事長も、昨日行われた外国特派員協会での会見において、昭恵夫人側が財務省に問い合わせをしたことを「このことで大きく物事が動くようになったんだろうなと思う」と発言した。
2月17日に安倍首相は国会で「(国有地払い下げや小学校認可に)私や妻が関係していたということになれば、これはまさに私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」と答弁したが、このファクスは昭恵夫人が国有地問題にかかわっていた大きな証拠だ。
だが、菅義偉官房長官は「籠池氏側の要望には沿うことができないときっぱりお断りしているのでは。そういう意味で、忖度以前のゼロ回答」などと詭弁を弄し、「これは籠池氏から夫人付きの職員に陳情書が来たことに対する回答だ」と述べた。官邸としては“昭恵夫人ではなく一職員がやったこと”と罪を被せて逃げるつもりなのだろうが、ファクスにはしっかり〈なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております〉と記載されている。これで言い逃れはできるはずがない。
しかも、昨日の証人喚問で呆気にとられたのは、自民党代表として質問に立った参院の西田昌司議員と衆院の葉梨康弘議員、そして維新の会の下地幹郎議員の質問だろう。