ちなみに太田教授は「今後の目標は、インチキ商品を排除した上で、10年以内に水素水市場を1兆円規模に拡大させることです」(「週刊新潮」7月28日号/新潮社)と意気込んでいるが、しかし、太田教授の次男・太田史暁氏が取締役を務める「水素健康医学ラボ株式会社」は水素入り化粧品「Auter」を展開していることも注視すべきだろう。この化粧品について。「産経ニュース」5月24日付の太田教授による反論記事でも「安全・安心な水素発生素材として唯一化粧品素材として承認・登録された素材を使っており」と宣伝していた。
実際、「Auter」ホームページでは「世界初『水素化Mg』配合」をウリとする化粧水をはじめ、保湿クリームやバスパウダーなどを販売している。また同HPのブログを読むと、水素の効能を謳うエントリーがてんこ盛りだ。とりあえずタイトルを紹介するとこんな感じである。
〈春のイライラ・モヤモヤを水素で解消! 気分すっきり新生活〉
〈食欲の秋に欠かせない!? 水素水とダイエットの美味しい関係〉
〈水素水で新しいUVケアをはじめよう!〉
〈加齢臭も活性酸素が影響していた!?〉
〈お客様から教えて頂きました!水素水で口内ケア?〉
……いや、これ完全に“魔法の水”だろう。「文春」はこうした事実をどう考えているのか。
そういえば、最近、キュレーションサイト「WELQ」が“インチキ医療情報”をバラまいていたとして話題になり「文春」も12月15日号のワイド記事でとりあげているのだが、そのなかでライターの朽木誠一氏の指摘として「インチキ医療情報の見破り方」のひとつをこう指南していた。
〈健康食品の販売サイトに繋がるような、営利目的の医療情報は避ける〉
さていかに。いずれにせよ、今後の“水素水”界隈と「文春」がどう出るか、ウォッチし続ける必要があるだろう。
(都築光太郎)
最終更新:2017.11.12 01:44