しかも、ヘイト勢力との関係はこれだけではない。たとえば、この選挙期間中には、ヘイト市民団体「しきしま会」がツイッターで小池氏の選挙ビラに証紙を貼る作業をしている場面をアップしていた。このしきしま会は、先日も熊本大地震に際して在日コリアンへの差別扇動デマを垂れ流すなど、悪質なヘイト行為を繰り返している団体だ。
そしてなにより小池氏自身、その言動の差別性が問題視されている。沖縄に駐留していた元米兵を父に持つ沖縄選出の衆議院議員、生活の党と山本太郎となかまたち・玉城デニー氏は16日、自身のツイッターで小池氏から差別発言を受けたことをこのように明かした。
〈そういえば思い出した。特定秘密保護法を審議していた委員会。法案の中身について法案の危険性を危惧する国民からのfaxを示して追及していた玉城の背後から女性の声で「日本語読めるんですか?分かるんですか?」と呟く声がした。質問を終えて振り返ると今をお騒がせの女性都知事候補その人だった。〉
さらに小池氏は、民主党政権時代の2010年にも朝鮮学校に関する朝日新聞の報道に対してこんなツイートをしている。
〈『朝鮮学校の無償化、首相「法案成立後に判断」』(朝日) それはないでしょ!! 絶対反対! 反日教育を進めている北教組の傘下にある北海道の高校も同類。〉
外見や国籍、人種に対する小池氏の差別意識は、ほとんどネット右翼じみている。しかも、本人はこうした発言が差別や偏見を助長するということをまったく自覚していないらしく、一層タチが悪いと言わざるをえない。
だが、小池氏が自身の差別意識にどれだけ鈍感であろうとも、今回の都知事選ではネトウヨや差別主義者がその姿勢に共感して猛烈に支持しており、また、小池氏も最初からそこを“票田”と見定めていることは間違いない。その最たる例が、小池氏が出馬表明時から目玉公約として掲げている「韓国人学校への都有地貸与の白紙化」だ。
これは、舛添要一前都知事が韓国政府の依頼に答えるかたちで、新宿区にある都有地を韓国人学校増設のために有償で貸し出す方針を覆すもの。ネトウヨたちは「朝鮮人へのえこひいき」などと差別的言辞を投げつけながら都庁に抗議殺到。ヘイト団体「頑張れ日本!全国行動委員会」も都庁前で抗議デモを行い、また、産経新聞を始めとする保守メディアも「保育園不足よりも韓国人学校か?」とバッシングを展開していた。