たとえば、松本文明内閣副大臣については、報じられた発言だけでなく、更迭された際のぶらさがり会見でこんな呆れた弁明をしていたことを暴露している。
「現地での食事はみなコンビニで弁当を買っているというので、自分の分を1万円渡したが、本震で1軒も開かなくなった。だからテレビ会議で大臣にコンビニを開けてくださいと頼んだ」
「私の部下がカップラーメンを持ってきたが、お湯が出ないので食べられないとも(大臣には)言った」
また、対策本部に自衛隊が到着した際、松本副大臣が作業中の自治体職員に作業を中断させて拍手を強いたという疑惑を指摘。「現地本部長にしたのは人選ミス」「安倍総理が過大評価した面は否めません」と安倍首相の任命責任にも言及している。
さらに、「新潮」は、支援物資がなかなか被災者に届かなかった問題についても、「政府の不作為」が原因であるとはっきり書いている。福岡、大分、宮崎、鹿児島の隣県に拠点を作り、仕分けボランティアや医療機関への被災者受け入れ態勢をつくっていれば、もっとスムーズに救援、支援ができたという分析したうえ、専門家に以下のような批判をさせるのだ。
「現状では物資が役所に届くだけで、そこから各避難所への配達態勢が整っていません。阪神淡路大震災の時、長田区にある真野地区では、(中略)適切な優先順位のもとで物資が行き渡った。そういう大切な教訓が、今回は生かされていません」(防災科学技術研究所・佐藤隆夫氏)
「政府は『プッシュ型支援』と銘打ってトップダウンで被災地に物資を届けていますが、一方的に送りつけているだけで、先立つべき仕組み作りができていません」(危機管理コンサルタント・田中辰巳氏)
「政府はこれまでその仕組み作りを怠ってきました。東日本大震災時に野党だった自民党は、民主党政権の対応を厳しく批判しましたが、それに学んで次に備えてこなかった」(同)
しかも、「新潮」のいう「政府の不作為」は支援の遅れだけではない。50代女性がエコノミークラス症候群によって亡くなったが、これも車中泊が多いことがわかっていながら、注意呼びかけを怠り、飲み水の供給が遅れた政府の責任であると断じている。
もちろん、震災を無視した国会TPP特別委員会の開催も厳しく批判している。
この問題を国会で追及した民進党の緒方林太郎議員を登場させ、震災発生から4日後のTPP特別委員会の開催強行について、与党側が「総理の強い意向」と説明したことを暴露。その結果、震災対応の責任者が7時間も審議で拘束され、震災対応の遅れを生んだことを指摘した。