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安倍、菅の高額ガソリン代はなぜ追及されない? 山尾追及の「新潮」は「安倍さん、菅さんは地元を回っている」と露骨擁護

 だが、安倍政権のこの怪しいガソリン代を追及したのは、本サイトとあとは日刊ゲンダイぐらい。マスコミは完全に口をつぐんだままだ。やはり安倍首相や菅官房長官は連中にとって“特別”ということなのか……と呆れかえっていたのだが、しかし、ここにきて、意外にもあの週刊誌がこれを大きく扱ったのだ。

 他ならぬ、山尾議員のガソリン疑惑に火をつけた「週刊新潮」である。

 本日発売の「週刊新潮」には、追及第二弾として「山尾議員」は地球5周分でも「菅官房長官」も地球5周分!」なる大きな見出しが躍っていたのだ。官邸のリークに山尾議員を追及していた「週刊新潮」だが、返す刀で政権に切り込んだのか。そう思い、期待して記事を読んでみたのだが──。

 どっこい、これがまったく逆。安倍政権幹部の疑惑を打ち消すための露骨な“擁護記事”だった。しかも、その論理というのが、もはや笑うしかない無理やりなもの。

「週刊新潮」は、山尾議員への追及はそこそこにして、〈ではここからは目を転じ、現閣僚のガソリン代をざっくり挙げてみよう〉と切り出す。それは、本サイトが報じた12年から14年までの安倍首相と菅官房長官の他、遠藤利明五輪担当相が14年に200万円、丸川珠代環境相にも13年に194万円など、安倍内閣の閣僚が巨額のガソリン代を計上していることを示すものだった。まさに“ガソリンドボドボ政権”と呼ぶべき事実であり、厳しく追及すべきことだ。

 ところが、「週刊新潮」はこの数字を示した後、すぐに安倍政権を“フォロー”しはじめる。たとえば、安倍首相のガソリン代については、「政治部デスク」なる人物が唐突に登場してこう説明するのだ。

「下関市と長門市からなる山口4区は単純計算で1000平方キロを超えていて、300平方に満たない山尾のところとは次元が違いますよ」

 ちなみに、「週刊新潮」の取材によれば、安倍首相の地元事務所には10名ほどのスタッフがおり、それぞれ1台の車があてがわれているという。

 だが、仮に10台の車があったとしても、1台で年間5万キロ以上の距離を走行せねばならない。スタッフが一週間に5日勤務したとして、一日200キロ近く走行する計算。とすれば、一般道ならば全員が一日5時間ほど運転しているとみられる。はたして、そんなことがありうるのだろうか?

 どう考えても無理があるが、菅官房長官の疑惑に関する「週刊新潮」の“フォロー”の仕方はもっとヒドい。菅官房長官の選挙区は40平方キロ弱で山尾議員とほぼ同じだが、ここで、またぞろ登場した「政治部デスク」がこんなことを言い出すのだ。

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