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市販されている放射線対策グッズは本当に効果があるのか!? 除染商品、被ばく対策サプリを検証実験してみたら

 土壌汚染除去に関する製品は素人が買ったところで何の意味もないことが分かった。では、内部被ばくに効くと言われているサプリメントはどうか?

 検査の俎上にあげられたのは、消化器官で放射性物質に吸着し体外に排出させるというリンゴペクチン、ヨードを摂取することで放射線防護作用が生まれるという海藻サプリ、ガン予防に効果があるというレスベラトロール、抗酸化物質ということで効果が期待されるビタミンC、含有されるヨウ素がヨウ素剤の代わりになるというイソジンなどのうがい薬、そして、発酵させた液体を噴霧し吸い込むと放射性物質が咳として出てくると噂されている米のとぎ汁の以上6種。

 米のとぎ汁やうがい薬など、聞いただけでオカルトな雰囲気のするものも含まれているが果たして?

 結果は、こちらもすべて効果なし! ちなみに、ヨウ素剤は確かに、内部被ばく予防に効果があるのだが、それは本当に限られた条件下でのみ。成長期の子どもが、核汚染の2週間〜4週間の期間内に大量に飲めば、放射性ヨウ素を体外に排出させることができるが、それ以外のケースではまったく効果なし。ちなみに、うがい薬に入っているヨウ素は「ヨウ素カリウム」で、人体には害悪な物質。内部被ばく予防に効果がないどころか、飲むことで健康を害する恐れがある。

 リンゴペクチンはセシウムを排出する効果があるのか懐疑的なうえ、そもそも高価なサプリも普通にスーパーに売っているジャムなどと中身は同じ。飲んでも健康に害はないが、放射線対策グッズとしての効果はない。ビタミンCも同様。健康に害はないが、放射線対策グッズとしては意味をなさない。海藻サプリはそのなかに含まれるヨウ素が簡易ヨウ素材の役割を果たすと言われているが、先に述べた通り、ヨウ素剤が効力を発揮するのは限られた条件下のみである。レスベラトロールは、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種。こちらも健康に害はないが、放射線対策としての効果もない。ただ、ポリフェノールは他の薬に影響をおよぼすことがあるので、常用薬がある人の場合注意が必要だ。

 そして問題なのは、米のとぎ汁である。毒出しのため目にふりかけるなどの使われ方をしているが、目が真っ赤になるなどのトラブルが続出。うがい薬と同じく、内部被ばく予防の前にこのグッズ自体が健康を害する原因となる。

 以上見てきたように、放射線対策グッズは放射能に対する人々の恐怖に付け入ってビジネスを展開する。しかし、それらの商品はどれもまともに効力を発揮してはくれない。自然界に散らばった放射能自体を消す方法など存在しないからだ。

 放射性物質が起こす健康被害から身体を守る術は我々にはない。だからこそ、原発事故は二度と起こしてはならないし、原発を再稼働させるべきではないのだ。
(井川健二)

最終更新:2017.11.24 08:26

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