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年末特別企画 リテラの2015年振り返り

差別、でっちあげ、抗争扇動、真相隠ぺい…犯罪・事件報道でマスコミが犯した“7つの大罪”

■オウム事件20年目、菊地直子無罪で明らかになった検察シナリオの嘘! でもマスコミはスルー

 一連のオウム事件は、地下鉄サリン事件発生から20年が経った現在でもいまだ燻りつづけている。先日、17年もの逃亡生活の末に逮捕・起訴された菊地直子氏に、東京高裁で無罪判決が出た。
 昨年の一審判決では懲役5年の有罪判決が、高裁判決で無罪へと覆ったものだが、その大きな焦点が井上証言の信憑性だった。
 井上嘉浩死刑囚はいくつものオウム裁判に出廷し、検察のシナリオに沿った証言を続けてきた。そして菊地裁判でも「爆弾を製造した中川智正死刑囚が菊地被告に指示していた」「テロ目的についても了解をとっていたはず」と菊地氏関与の証言をしている。
 一審有罪判決はこの井上証言の信憑性が認められたが、しかし高裁では一転「(井上証言)は不自然に詳細かつ具体的で、信用できない」と全面的に否定されたのだ。
 当然だろう。井上死刑囚はその現場にはおらず、指示の内容を立証できる立場にはないのだ。
 井上死刑囚はこれまでも、さまざまな裁判で検察側のシナリオに乗っているとしか思えない証言を繰り返し、オウム信者たちの有罪や極刑確定をアシストしてきた。麻原彰晃の裁判ではリムジン謀議を証言して麻原の有罪を決定付けたし、中川智正死刑囚の裁判ではサリンの原料を隠し持っていたことを、運転手役だった高橋克也被告の裁判でも地下鉄サリン事件や目黒公証役場事件について、サリンを撒くことや犯行の認識があったとの証言をしている。
 しかし、これらの証言については、途中で内容が変わったり、不自然なものが多く、すでに無期懲役が確定している林郁夫受刑者らも「井上証言はありえない」と否定していた。
 では、なぜ井上死刑囚はこんな検察に有利な虚偽としか思えない証言を繰り返してきたのか。この背景には、井上死刑囚が警察・検察からの取調べの過程で、裏取引、もしくは検察からの逆洗脳をされたか、どちらかだろうという見方が有力だ。
 そして、今回、初めて裁判所により「証言が信用できない」と判断された。その意味は大きい。菊地事件だけでなく他のオウム裁判に関しても“真実”が語られていない可能性が生じるからだ。
 だが、こうした疑問を提示する大手メディアは皆無だった。それどころか、菊地直子被告の無罪に疑問を提示するメディアのほうが圧倒的だった。世の中の空気に抗って、真相を追及することを今のマスコミに期待するほうが無理なのだろうか。

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