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自衛隊機の緊急発進急増も嘘…まるで“サイコパス”安倍首相の安保法制会見の詐術を検証

 また、安倍はもうひとつ、よく口にする詐術のレトリックを用いていた。日本近海で日本のために警戒監視任務に当たっている米軍が攻撃を受けても、自衛隊は何もしない、海外の紛争地帯から邦人が米軍の船で避難する途中で他国から攻撃を受けても自衛隊は助けに行けない、「本当にこれでよいのでしょうか?」、というヤツだ。

 佐藤優も指摘していたが、そもそも日本近海で米軍が攻撃を受ける、日本人救出のために米軍が船を出すという状況は、すでに戦争状態に突入しているということであり、明らかに現行法、個別的自衛権で対応が可能なのだ。これについてはさんざん批判を受けているのに、今も平気で、集団的自衛権、安保法性改正の根拠にするというのはいったいどういう神経をしているのだろうか。

 しかし、安倍のスゴイところは、こうしたウソを平気でつけるところなのだ。ありもしない脅威を煽り、集団的自衛権とは関係のない案件を引き合いに出して、国民を騙そうとする。集団的自衛権については、いわゆる新3原則で「厳格な歯止めをかけ」「極めて限定的に」行使できるようにしたと胸を張るが、この新3原則のトップにある「日本の存立が根底から覆される事態」がどういう事態なのかの説明は一切ない。

 そして「アメリカの戦争に巻き込まれることはない」と断言した根拠は、日米の合意の中に「日本が武力を行使するのは日本を守るため」と明記されているからというのだから、ほとんど笑い話だ。

 だが、その安倍が一瞬だけ本音をのぞかせたことがあった。それは質疑応答で、自衛隊員のリスク増加について聞かれたときの発言だ。安倍は「自衛隊発足以来、今までにも1800名の方々が、様々な任務等で殉職をされております」「自衛隊員は自ら志願し、危険を顧みず、職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナルとして、誇りをもって仕事にあたっています」と発言したのだ。

 戦争派遣と災害救助での殉職を同列に並べるのも酷い話だが、それ以上に、安倍が「自衛隊員だったら死ぬのは覚悟の上」と考えていることがよくわかる。

 実際、この安保法制が可決され、集団的自衛権が発動されるようになれば、自衛隊から戦死者が続出する事態になるだろう。戦闘行為に参加しないというが、実際の戦争ではむしろ、補給路を断つために後方支援の部隊を攻撃するのが常で、後方支援部隊の犠牲者の方が圧倒的に多いのだ。

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