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春画を配る校長に全裸ダンス団、売春病院…戦前のエロ事件がエグすぎる!

『三面記事から見る 戦前のエロ事件』(彩図社)

 少年による凶悪犯罪や、“バイトテロ”と呼ばれるアルバイターによるいたずら投稿、女子会で下ネタに花を咲かせる肉食女性たち……。こうしたトピックが問題になるたび、「古き良き日本を取り戻そう」と叫ぶ人たちがいる。いわく、戦前の日本人はしっかりとした道徳観念をもち、礼儀をわきまえ、男は男らしく義侠心に溢れ、女は女らしく淑やかで貞操を守っていた、らしい。

 しかし、日本はほんとうに、そんな清く正しい“美しい国”だったのか? そんな疑問を投げかけるのは、先日発売された『三面記事から見る戦前のエロ事件』(彩図社)だ。著者の橋本玉泉氏は明治・大正期の新聞を読み込み、驚きの珍事件を発掘。これを読むと。「昔の日本人は慎ましかった」という幻想がことごとく粉砕されていく。

 たとえば、教師によるわいせつ事件が起こると、やはり「教師のモラルが低下している」と嘆く人は多い。だがが、同書には、戦前の教師のエロ事件がいくつもでてくるのだ。

 明治44年に岐阜県で発生したのは、岐阜県内の小学校すべてに春画が送りつけられるという事件。差出人の記載はなく、宛先はいずれも小学校に在籍していた女性教師だった。しかも、「この絵をぜひとも買え。買わないと、後でどうなっても知らない」という脅迫状つきで。警察が捜査して浮上した犯人は、県内で校長を務める男。目的は不明だというが、現代ならセクハラ校長として世間から総バッシングを受けているはずだ。

 また、明治24年に横浜で発覚したのは、学校教員が教え子だった20歳の女性と〈男女の関係となり、ついに妊娠させてしまった〉。こういう話はいまもよく聞くが、その後、男性教員はストーカー化。女性は流産し、同時期に「縁談が決まった」との噂も流れたことで、男性教員は「さてはこの俺との縁を断ち切るつもりで、強い薬でも使って無理やり流産させたに違いない」と妄想の果てに激怒。警察に違法な堕胎だと訴えるが、流産は病気が原因として取り合ってはもらえなかった。そして、女性の父親が盛大な婚礼を行うと公言したことを聞きつけ、ついに男性教員は自宅に乗り込み、女性と父親を切りつけたのだ。

 このほかにも、警官が夜勤中に犬にしがみつき「さながら人と交る如くあらぬ振舞」をなしたり、寺院の住職が銭湯の女湯を覗きまくって「また助平和尚が来た」と評判になったりと、ヘンタイ記事で溢れかえっている戦前の三面。自ら睾丸を切って「売りたい」と持ちかける男性や、ただ女とヤリたい一心だけで媚薬と言われた「イモリの黒焼き」の粉末を自作(!)し、公衆浴場の裸の女性たちにふりかける男性、はたまたデパート内に落ちている女性の陰毛をじつに3〜4升も拾い集め〈開運や災難除けのお守り〉やら〈陰毛ざぶとん〉なるものをつくっていた男性4人組など、とにかくマニアックなエロ事件のオンパレード。

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