鈴木氏は雀部氏の住むマンションの部屋を購入した2年後の大口町長選挙に出馬するのだが、このとき外務大臣だった麻生は鈴木氏の応援にかけつけている。さらに、鈴木氏はこの町長選挙に落選した頃から、「衆議院議員 麻生太郎 顧問 鈴木雅博」という名刺を持っていたという。
ようするに、麻生氏は自分の愛人の住居をタニマチに提供させていたのである。そして、その愛人の店に巨額の政治活動費を流していたのだ。
しかも、愕然とさせられるのは、この報道があった後も、麻生は行動をまったく改めていないという事実だ。
報道直後、総理になった09年こそ、オフィス雀部(Bovary)への支払いは1回18万円だけだったが、野党転落後の10年は計6回、総額303万5000円、11年は計8回、総額718万円、12年は計6回、844万円。そして、13年も「FRIDAY」が報じたように、計11回798万円が支払われているのだ。11〜13年の3年間を合計すると、その金額はなんと2360万円にのぼる。
繰り返すが、これは政党交付金という国民の血税が含まれている金だ。政治資金規正法違反であるのはもちろん、詐欺、横領といってもいい犯罪行為ではないか。
しかも、麻生氏は現在も、彼女の店に2週間に9回というすさまじい頻度で通い、政治資金を流し続けていることが「FRIDAY」の記事で明らかになった。
ところが、新聞やテレビにこの「FRIDAY」の記事を後追いしようという動きはまったくない。そればかりか、下村博文文科相のダミー団体を使った裏献金問題にも沈黙を続けている。いったい、この国のメディアはどうなってしまったのだろうか。
(田部祥太)
最終更新:2017.12.19 10:24