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南スーダン派遣部隊「日報」の“隠蔽工作”に稲田防衛相も加担か? 自衛隊員が戦闘に巻き込まれ負傷の疑惑も

 これだけでも、自衛隊を統括する省の大臣としてその能力が著しく欠如していると言わざるをえないが、稲田防衛相には、存在を知っていて積極的に隠蔽に加担していた可能性も指摘されている。

「普通に考えると、稲田さんが知らなかったなんてありえない。しかも、この問題は自民党議員の河野さんからも指摘されてるわけで、政治問題になるのは必至ですから、絶対に報告するはずです。実際は稲田さんと相談した上で隠蔽したが、防衛省幹部がそのことをかばって、貸しをつくった形にした可能性もありますね」(防衛省担当記者)

 情報公開請求があった9月から防衛省が非開示を決定した12月までの間というのは、国会で激しい反対論が巻き起こる中、安倍政権が南スーダンへの派遣部隊に駆け付け警護の新任務を付与することを閣議決定。派遣を強行したまさにその時期にあたる。稲田防衛相と防衛省幹部は、自衛隊の日報に「戦闘」とあることを知って「PKO5原則に反すると追及されて、駆け付け警護などあり得なくなる」と、日報を「破棄した」ことにして、隠蔽したのは間違いないだろう。

 しかも、稲田と防衛省はもっと重大な事実を隠しているのではないかという疑惑もある。それは、もうすでに自衛隊員が戦闘に巻き込まれ、負傷しているのではないかという疑惑だ。

 問題の日報には、派遣部隊の隊員に医療行為を行った「患者受診状況」が記述されているのだが、昨年7月12日、患者の数がそれまでの0〜2人から一気に7人に急増しているのだ。「日刊ゲンダイ」も指摘していたが、これは7月11日に発生した自衛隊の宿営地付近での政府軍と反政府軍の「大規模戦闘」に一部の隊員が巻き込まれたことを意味しているのではないか。

 昨日の国会前抗議に参加した山口二郎法政大学教授は、安倍政権の政治は「目的と手段が逆転してしまっている」と指摘していたが、その通りだ。稲田防衛相と防衛省幹部、そして安倍首相は、とにかく、自衛隊の海外での武力行使を実現させ、実績をつくるためだけに、真っ赤な嘘をついて、「危険な戦闘状況」を隠蔽し続けているのだ。連中は、自衛隊員の生命や安全など、一顧だにしていない。

 トランプの大統領就任で、マスコミは「アメリカ政治はポスト・トゥルースの時代へと突入した」などと得意げに語っているが、それをいうなら、日本の安倍政権のほうがよっぽど自分たちの願望を満たすために事実を捻じ曲げている。もはや、稲田防衛相が何と言い繕おうが、国民に対する“真実”の説明にはならない。統合幕僚長や防衛省幹部とともに、即刻更迭されるべきだ。
(編集部)

最終更新:2017.11.20 04:04

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