小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

夫婦別姓を認めない最高裁判決の裏に政治への忖度が…夫婦別姓もLGBT法案も安倍晋三がツブした! 

 しかも、安倍前首相が後退に追いやったのは、選択的夫婦別姓制度の導入だけではない。超党派の議連で合意された「LGBT理解増進法案」についても、安倍前首相が「これは闘争だ」と言い、〈(議連がまとめた修正案を)絶対に通すなと総務会役員に直接、攻勢をかけた〉と報じられている(「AERA」6月21日号/朝日新聞出版)。

 ご存知のとおり、「LGBT法案」をめぐる自民党内の会合では、“安倍チルドレン”でネトウヨ議員の簗和生衆議院議員が「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」などと差別発言をおこない問題に。これほどの直球差別発言が繰り広げられたというのに、それでも自民党は簗議員に処分を下すこともなく、さらには「LGBT法案」を店晒しに。結局、ヘイトスピーチを撒き散らかしただけで終わってしまった。

 選択的夫婦別姓制度の導入、そしてLGBT法案の国会提出を見送らせた極右議員の背後にある、安倍前首相の存在。ここにきて自民党の憲法改正推進本部最高顧問のほか数々の議員連盟の顧問に就任するなど、体調を理由に首相を辞任したのがまるで嘘みたいにフル回転状態の安倍前首相だが、選択的夫婦別姓制度の導入やLGBT法案に反対する「黒幕」として存在感を示そうとするのは、支持者からの求心力を再び強めたいという意図があるのは明らか。もちろん、その先に見据えているのは首相への「再々登板」だ。

 そもそも、菅内閣の発足によって選択的夫婦別姓制度の導入の議論が進んだのは、猛反対していた安倍首相が退陣したからこそだった。だが、安倍前首相の影響力は党内でいまだ絶大で、実際に議論はことごとく潰されていった。安倍氏が首相を退陣したくらいでは自民党は変わらない、ということが証明されたのだ。

 差別がまかり通るこの社会を変えるためには、時代によって変化した人びとの意識に即した法律への変更、すなわち立法府たる国会において選択的夫婦別姓制度を実現させるほかない。しかし、自民党が政権与党であるかぎり、それは実現できないことははっきりとした。別姓を選択できる権利、性的少数者の権利を認め、差別を許さない社会の実現のためには、まず秋におこなわれる見通しの総選挙で自民党にNOを叩きつけるしかない。

最終更新:2021.06.23 09:16

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。