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NHKの国会報道が酷い! 必ず政府答弁で終わる恣意的編集、安倍政権の問題点を隠しサポートする『NW9』

『NW9』は一事が万事この調子で、その上、予算委がはじまった月曜から木曜まで、国会の話題を伝えたのは番組開始から30分を超えてからという小さい扱い。トップで伝えたのは「東京で積雪か」というものと「皆既月食」の話題で、2日(金)にいたっては番組開始から13分間も使って相撲協会の理事候補選を伝えた一方、国会の話題はひとつも取り上げなかった。ちなみに、この日の衆院予算委で安倍首相は、米軍基地の沖縄県内移設の理由を「本土の理解が得られない」と答弁。これまでは地政学的な理由などを挙げてきたが、沖縄に面倒を押し付けたいという本心をついに露わにしたのだが、この問題発言は伝えられなかったのだ。

 NHKに限らず、民放キー局の報道にしても相撲の話題一色で、報じられるべき国会審議の内容が報じられていない現状はある。しかし、先に指摘したように、とくに『NW9』は安倍首相や政府側の主張でVTRを締め、その後に国会で起こっている野党からの反論や、問題点を指摘する解説を伝えないという「安倍政権のための放送」になっている。

 他方、2月2日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)は、森友学園の話題を伝えたあと、ゲストの憲法学者である木村草太氏が、このようにコメントした。約1分間のコメントだが、以下に書き起こそう。

「会計検査院の検査などもあって、まず不適切な国有財産の管理・処分があったということはあきらかになりました。また、佐川現国税庁長官・前理財局長が虚偽、不適切な答弁をおこなったこともあきらかになりました。ですから、これまでも言ってきたことですけれども、首相は財務省の関係者を適切に処分し、また、財務大臣にも責任をとらせなくてはいけない、ということになります。もし、誰にも責任をとらせないということになりますと、首相として佐川長官の答弁であるとか、財務省がやったことを追認するということですから、安倍さんはご自身『土地取引にはかかわっていない』とおっしゃっているんですけれども、やったことを追認するというのは、自ら取引を指示したのとまったく変わらない責任を負うということですから、やはり自分に責任がないと言うのであれば、きちんと関係者を適切に処分する必要があると思いますね」

 この木村氏のコメントは、ストレートな視点から、ごくごく当たり前のことしか言っていない。だが、こうした極めて常識的な視点が、NHKのニュース番組にはまったくないのだ。

 民放キー局の報道もけっして褒められたものではないが、NHKの報道は群を抜いて悪化している。とくに『NW9』は、安倍首相と極めて近い岩田明子記者をはじめとする政治部による介入が顕著だが、これで公共放送の看板を掲げることは、もはや犯罪的であると言わざるを得ない。

最終更新:2018.02.07 11:33

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