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加計学園認可を答申した設置審委員が「みんな納得していない」「訴訟で脅された」と告発も、安倍首相は国会から逃亡

 そして、最大の問題は、政府が獣医学部新設を認める条件として2015年に閣議決定した「4条件」が、加計学園は満たしていないのではないかという疑問だ。

 この問題については、設置審の委員からも「加計学園の申請内容は4条件を満たしていない」と声があがったというが、文科省担当者は「4条件は特区での検討事項であり、この審議会では審査しない」などと述べたという。

 たしかに4条件を満たしているか否かの議論は設置審がおこなうものではない。前川喜平・前文部科学事務次官が本サイトのインタビューで述べたように、「設置審の審議は、既存の基準に照らして設置するかどうかを判断する」場であり、4条件については、それ以前に国家戦略特区諮問会議でチェックされるべきものだからだ。

 しかし、安倍首相が「すべて公開されている」と言って憚らない国家戦略特区諮問会議の議事録を精査しても、4条件についての議論はまったくなされていない。設置審委員から疑問の声があがるのは当然だろう。

 前川氏は「設置審に加計学園が提出した内容を、あらためて諮問会議で審査すべき」と主張していたが、そのとおりで、本来なら、定員やカリキュラムが出揃ったいま、国家戦略特区諮問会議が閣議決定された4条件に加計学園が合致するのか否かを検討し、その上で文科大臣が認可判断しなければならない。だが、そのような正当なプロセスはやはり踏まれることなく、本日、林芳正文科相は加計学園獣医学部新設を認可する予定だ。

 弁護士や大学教授などで結成されたグループ「加計学園問題追及法律家ネットワーク」も指摘しているように、これは《内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する》という内閣法第6条違反にあたる可能性が極めて高い。

 疑惑はまだある。獣医学部が設置される今治キャンパスをめぐっては、建築費水増しによる補助金詐欺疑惑が浮上しているが、校舎の設計を担当するSID創研の取締役は、加計孝太郎理事長の妻である泰代氏であるという。この問題について、「AERA dot.」の取材に応じた「今治市民ネットワーク」共同代表の村上治氏は、「加計孝太郎氏が今治市民の税金をSID創研を通じてマネーロンダリング(資金洗浄)して、妻に流す装置なのではとの批判は残ります」と指摘している。

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