前川氏の世田谷区の自宅前には複数の新聞、テレビ記者が張り込み中。彼らは真相を報じることができるのか…
そして、この「週刊文春」の前川氏の告白や、「週刊新潮」の路線転換を受けて、前川氏の実名証言をつぶしていた新聞やテレビの空気も変わりつつある。実はいま、前川氏のもとには新聞、テレビの取材が殺到しているのだという。
前川氏の代理人や知人を通じたアプローチはもちろん、世田谷区の住宅街にある前川氏の自宅に行ってみると、多くの新聞、テレビの記者が入れ替わりやってきて、外出中の前川氏が戻ってこないかチェックしていた(写真)。ちなみに、新聞は読売をのぞく全社、テレビもテレビ朝日にTBS、フジテレビが取材に動いているという。
「もちろん、いま、マスコミの目的は読売がやった前川氏の“出会い系バー通い”でなく、文春と同様、『“総理のご意向”文書は本物』と証言してもらおうというものです。NHKやフジテレビなんて、前川氏のインタビューまで収録しながら、官邸の圧力で潰されてますからね。現場には相当不満がたまっている。『赤信号、みんなで渡れば怖くない』とばかりに、各社が一斉に前川証言を報道する可能性もある」(全国紙政治部記者)
しかし、このメディアの動きを官邸が黙って見ているわけがない。「いままで見たことがないくらいの、それは凄まじい発狂ぶり」(官邸担当記者)で、マスコミ各社の上層部から官邸記者にいたるまで恫喝しまくっているという。
しかも、その際、官邸幹部らはこんなセリフをちらつかせているのだという。
「前川がパクられたら、どうするつもりなんだ。犯罪者の証言を垂れ流したことになるぞ」
どうやら官邸は前川氏を口封じのために逮捕するつもりらしいのだ。15年前、検察の裏金を実名告発しようとした三井環大阪高検公安部長(当時)が逮捕されたのと全く同じことが再現されようとしている。
「読売の記事や『週刊新潮』の取材からも出会い系バーの問題では逮捕なんてできそうにないけれど、なりふり構わない安倍官邸のこと、でっち上げでもなんでも仕掛けてくるでしょう。それで、各社とも上層部がまだ首を縦にふらないらしい。前川氏も警戒して弁護士をつけ、一旦、姿を隠してしまった」(文部科学省関係者)