安倍政権がマスコミの取材を拒否してまで、共謀罪を強引に通そうとする狙いは瞭然だ。前述のとおり、共謀罪は取り締まりの対象が極めて恣意的となる。つまり、政府にとって目障りな団体や一般人らを、裁量で「組織的犯罪集団」などと認定し、政府批判を排除することが可能となるのだ。
また、共謀罪の真に恐ろしいところは、成立するだけで市民に著しい“萎縮効果”を発揮する点だ。反原発や反安保、反米軍基地などのデモや運動は確実に捜査対象とされ、自粛ムードが広がるだろう。メディアも「組織的犯罪集団」とみなされないために、政権の意向をより一層忖度するようになるだろう。加えれば、居酒屋で一般人が政府批判をすることや、SNS上のやりとりですら「共謀」の対象とされかねないため、一般市民のレベルでもすさまじい言論の萎縮が起こる。そして気がつけば、誰もお上に逆らえない、北朝鮮のような言論統制社会になってしまうのだ。
これは何も大げさな話ではない。こんなデタラメな法をゴリ押しする政権の見境のなさこそ、安倍首相が“言論封殺社会”を熱望していることのほかならぬ証左ではないか。共謀罪の成立が絶対に阻止しなければならない。
(編集部)
最終更新:2017.11.20 04:07