自由民主党公式サイトより「学校教育における政治的中立性についての実態調査」のページ(削除済み)
先日、本サイトでは、自民党がホームページで「子供たちを戦場に送るな」と言う教員を取り締まる“密告フォーム”を設置していたことを伝えたが、どうやら安倍政権はまったく反省の色もなく、“御用新聞”を使ってこの戦前ばりの密告社会を推し進めていくらしい。
念のためおさらいしておくと、問題の“密告フォーム”は、7月に自民党のホームページに設けられた「学校教育における政治的中立性についての実態調査」なるタイトルのページのことだ。
このなかで自民党は、〈「子供たちを戦場に送るな」と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる〉と書き、〈偏向教育〉だとして通報させる“密告”のための入力フォームを設置したのだ。しかもそこで「いつ、どこで、だれが、何を、どのように」などと具体的な情報を記入するよう求めるなど、完全に教育を統制しようとしているのが丸見えだ。
つまりこの国の政府与党は、教員が「子供たちを戦場に送るな」という当たり前のことすら糾弾し、監視によって教育現場を統制しようというのである。もはや完全に戦前の発想だろう。
当然、この“密告フォーム”にはネットを中心に批判が殺到したわけだが、騒ぎが大きくなったのを見た自民党は、一度ページの閲覧ができないようにし、なんのアナウンスもなく問題の〈「子供たちを戦場に送るな」と主張し〜〉の箇所を〈「安保法制は廃止にすべき」と主張し〜〉にこっそり変更するという手段に出た。
しかし、安保法は戦後日本の安全保障を180度変え、集団的自衛権の名の下、積極的に自衛隊を戦地へ送るようにした法制だ。子どもたちが将来的に戦場に送られる可能性が増えるのだから、教育者がその本質を伝えることにはなんの問題もない(というか、仮に「安保法制は最高です!」などと子どもたちの前で言う教師がいたとしても、絶対に自民党は「偏向教育」とは批判しないだろう)。自民党はその後、安保法制についての文言も削除した。