【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言! 日本有利の不公平はびこる東京五輪

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言! 日本有利の不公平はびこる東京五輪の画像1
東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイトより


2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
(編集部)
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【初出 2021.07.21】

 23日の開会式に先立ち、本日21日から競技がスタートした東京五輪だが、早速、感染対策をおざなりにする姿勢が露わになっているのが、明日22日におこなわれるサッカー男子1次リーグ初戦だ。U-24日本代表と対戦するのが、選手2人とスタッフ1人が新型コロナ陽性となり、多数の濃厚接触者が出ている南アフリカ代表チームなのだが、予定通り試合が強行されそうなのだ。

 東京五輪組織委員会は濃厚接触者となった選手について、相手チームの了解を得た上で試合前6時間以内にPCR検査で陰性となれば出場できるとし、サッカーの場合、出場可能選手が13人を下回った場合は不戦敗となる。南アフリカ代表チームで現在、濃厚接触者に認定されているのは18人におよんでいるが、スポーツ報知によると、組織委の幹部は「最後の運営はIF(国際競技連盟、サッカーはFIFA)が決めることだが、もちろん情報を共有しながら協議している。予定通りだということです」と明言。どうやら試合がおこなわれる可能性が高いらしい。

 本来ならば14日間の隔離が必要な濃厚接触者を、偽陰性が出ることもあるPCR検査だけで出場可能としてしまえば試合によって感染を広げる可能性があり、安全安心どころか「危険な博打」としか言いようがない。

 しかも、そんなななかで、当の日本代表選手から信じられないような発言が飛び出した。その選手とは、日本代表の「攻撃の核」だと注目を集めているMFの久保建英選手だ。

 本日配信された「サッカーダイジェストWeb」の記事によると、オンライン取材に応じた久保選手は、初戦で対戦する南アフリカ代表チームに陽性者や多数の濃厚接触者が出ていることについて、こうコメントしたという。

「僕らにとってマイナスではない。僕らに陽性者が出ていたらマイナスですけど、いまのところゼロなので、自分たちのことに集中したい。こんなこと言っていいか分からないですけど、損ではない。自分たちのことにフォーカスしたい」

 南アフリカ代表チームは陽性者や濃厚接触者が出て、本来の戦力で戦えない状況に追い込まれているというのに、「僕らにとってマイナスではない」「損ではない」と言い放つ──。「こんなこと言っていいか分からないですけど」と留保をつけているが、この発言は、あまりにも無神経だ。

コロナによる不公平な状況を是正せず、より地の利を生かそうとする日本の競技団体

 南アフリカでは6月以降、感染拡大の第3波に晒されており、サッカー代表チームも当初は21人の選手を招集していたが、出国前に「医療上の理由」によって5人がチームを離脱、追加招集できた選手も3人だけとなっていた(ダイアモンド・オンライン20日付)。

 南アフリカのノトアン監督は陽性者が出たことなどについて、会見で「予期していなかったし、精神的にはとても難しい。思ったようにここまではきていないし、どう100%の力を出せるか確認しないといけない」と語っていた。

 実際、自国開催である日本代表選手とは違い、直前に来日する海外の代表選手たちは長時間、一般客と交ざりあったかたちで飛行機に乗るという大きなリスクを抱えて日本に入ってきている。つまり、国によって新型コロナ対応やワクチン接種状況も大きく違うだけでなく、「バブル」が弾けたなかで来日する海外選手はその時点で圧倒的にリスクが高く、不利な状況にあるのだ。

 そうした状況で感染者が出てしまったというのに、そのチームと対戦する日本代表選手が「僕らにとってマイナスではない」「損ではない」とコメントするというのは、無神経というだけでなく、スポーツのフェアネス精神を欠いていると言わざるを得ない。

 しかし、こうした不公平な状況への鈍さは、久保選手に限った話ではない。

 もともと自国開催の五輪は自国チームに有利だが、コロナの影響でその「アンフェア」さがさらに増している。

 たとえば、本番に向けた調整をおこなう事前合宿では、新型コロナを理由に中止した自治体が相次ぎ、大会直前に選手村に直接入ることを余儀なくされた選手は多い。さらに、練習相手を連れて来られないというハンディもある。このように、ホームグラウンドでの出場となる日本選手とは違い、海外選手の多くが事前に現地入りして調子を整えることができていないのだ。

 さらに、インドなど特定の国に対して組織委は6月、来日後3日間、他国との練習試合や合同練習を認めないなどの対策を打ち出し、これにインドのオリンピック委員会は「不公平で差別的だ」と反発する文書を出すという事態も起こった。

 ようするに、海外の選手やチームは選手が出場できなくなったり、満足な事前合宿や練習がおこなえないという非常に不利な状態に置かれているのだ。

 ところが、日本の各競技団体はこうした不公平さを是正するどころか、 “いまこそ地の利を活かせ”とばかりに狡猾な手段に出ている。たとえば、メダル獲得が有望視されている卓球や柔道、レスリングなどの選手団は選手村に入らず、使い慣れた施設で調整をおこなって本番に挑むことになっている(共同通信17日付)。

吉田麻也「ソーシャルワーカーだけでなく、選手たちも命かけている」という発言の問題点

 おそらくこの不公平な状況を考えると、今回の東京五輪は日本選手の金メダルラッシュが起きるだろう。しかし、それで金メダルがたくさん獲得できて本当に喜べるのだろうか。

 北京五輪の馬術障害飛越個人で金メダルを獲得したカナダのエリック・ラメーズ選手は、感染リスクの懸念から代表最終選考を辞退した際、このような声明を出していた。

「五輪はアスリートの祭典であるが、東京では心の底から楽しめないだろう。五輪を祝う時ではない」

 この「心の底から楽しめない」というのが普通の感覚ではないか。にもかかわらず、日本の競技団体はより自国に有利になるような環境を整え、日本代表のスター選手が「損はない」などという発言をおこなう。これはフェアネスに対する意識、そして社会のなかでのスポーツという視点があまりに欠けていると言わざるを得ない。

 実際、五輪日本代表選手からはほかにも、社会への視点を欠いたスポーツ至上主義的な発言が飛び出している。

 そのひとりが、久保選手と同じ男子サッカーU-24日本代表の吉田麻也選手だ。吉田選手は17日、オンライン会見で無観客での開催になったことについて「真剣にもう一度検討していただきたいと心から思っています」と有観客開催の再検討を訴えた。

 無観客でも感染拡大が懸念されているというのに、それでもなお有観客にこだわること自体、あまりに社会的視点に欠いているが、絶句したのはこのあとだ。

「国民の税金をたくさん使って、その国民が見にいけない。選手たちも毎日、命を懸けて戦っている。その家族だって一緒に戦ってくれている。その人たちも見られないのはクエスチョンです」
「ソーシャルワーカーの方々が毎日命かけて戦ってくれていることは重々理解しているし、五輪がやれるということに感謝しなきゃいけない立場にあるのは理解しています。けど、忘れないでほしいのは、選手たちもサッカーに限らず毎日命かけて人生かけて戦っているからこそ、ここに立てている選手たちばかりです。人生かけている選手ばかりだし、この五輪にかけている選手は山ほどいると思います。だからそのためにも、なんとかもう一度考えてほしいなと」

 この発言にはSNS上で「よくぞ言ってくれた!」などという称賛の声があがっていたが、勘違いも甚だしい。

「ソーシャルワーカーが毎日命をかけて戦っている」ことと、「選手たちが毎日命かけて人生かけて戦っている」ことは、まったく意味が違う。選手たちの「命をかけて」はただの意気込みや比喩でしかないが(実際、負けたとしても命を失うわけじゃない)、医療従事者やソーシャルワーカーはコロナ患者の命を救うべく、自分自身が命の危険に晒されながら、本物の「命をかけて」戦っているのだ。

 吉田選手の発言は、「命」という言葉が持つ本来の意味をはき違え、社会状況や人間の本当の命に対する視点を欠いている。

体操の内村航平の「五輪がなくなったら、死ぬかもしれない」発言の裏にあるスポーツ至上主義

「命」といえば、体操の内村航平選手も同様の発言をしていた。今年1月、「もしこの状況で五輪がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない」「それだけ命かけてこの舞台に出るために僕だけじゃなく東京オリンピックを目指すアスリートはやってきている」などと発言したのだ。

 内村選手はほかにも「“できない”ではなく、“どうやったらできるか?”を考え、どうにかできるように考えを変えてほしい」だのと口にしてきたが、結局は自分の努力を披露する場のことしか頭になく、この世界的パンデミックで大げさではなく「死ぬかもしれない」状況に置かれている人がごまんといる現実や、五輪開催がさらなる感染拡大の引き金になるという指摘の重大さがわかっていない。五輪代表選手という選民意識、スポーツ至上主義と言われてもしようがないのではないか。

 アンフェアな状況下での「僕らにとってマイナスではない」という久保選手の発言しかり、世界中で400万人以上がコロナによって死亡している現実のなかで「選手も命がけ」「死ぬかも」などと軽々しく口にする吉田選手や内村選手。──そもそも不公平な大会になることを理解しながら開催を強行した政府や組織委、IOCの「不公正さ」も重大な問題だが、こうした日本代表選手たちによる不公正や不条理を疑わない「社会への視点の欠如」も、大きな問題だと指摘しておきたい。

最終更新:2021.12.31 07:01

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