河野防衛相の台風を笑いにした「私は雨男」発言を百田尚樹ら安倍応援団が必死で擁護、逆に報道を攻撃! 萩生田文科相も…

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河野太郎Twitterより


 萩生田光一文科相の「身の丈に合わせて」発言につづき、またも安倍内閣から暴言が飛び出した。河野太郎防衛相が昨日28日におこなった自身の政治資金パーティの挨拶で、こう述べたのだ。

「私はよく地元で雨男と言われました。私が防衛大臣になってからすでに台風が3つ(会場笑い)。そのたびに災害派遣、自衛隊の隊員が出てくれております」

 こんなときに防衛大臣が自分の政治資金を集めるパーティを盛大に開いていること自体も信じられないが、「私は雨男」「私が防衛大臣になってからすでに台風が3つ」などと語って、笑いを誘うとは──。

 河野防衛相は「私は雨男」と言うが、一連の台風と豪雨被害は「雨男」と軽口を叩けるようなものではない。台風19号では死者が88名(NHKニュース29日付)にのぼり、25日の記録的な大雨によって台風15号で甚大な暴風被害に見舞われた千葉県や19号で被害を受けたばかりの福島県では河川の氾濫や土砂崩れ、浸水被害が発生。いまなお行方不明者の捜索活動がつづいている。

 にもかかわらず、「私は雨男」「すでに台風が3つ」などと言って笑いを取ることは、被災地の深刻な状況や被害を受けた人びとの心情を考えれば、許しがたい暴言だ。これは、「復興以上に議員が大事」「東北のほうだったから良かった」と発言して辞任した桜田義孝・元五輪相や今村雅弘・元復興相と同じく、引責辞任も当然の発言だろう。

 しかし、この河野防衛相の暴言に対し、驚くべきことにTwitter上では擁護論が湧いている。

 たとえば、河野発言を昨晩放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)が伝えたのだが、〈こんなもん速報にして、問題発言に仕立てるのか?〉という意見が投稿され、きょうの10時時点で1万件近い「いいね」が付いている。さらにこの投稿を百田尚樹が〈これがニュース速報か!プロデューサーの頭の程度が知れるな〉とリツイート。ネトウヨまとめサイトのアノニマスポストもさっそく記事にし、河野防衛相を擁護し報道を叩く投稿が相次いでいるのだ。

〈何でニュースになってるのかと思ったら不謹慎なんだと…。台風3つ来たが自衛隊は頑張ってくれたと労ったら批判する野党ってなんなの?〉
〈これは完全に揚げ足取り。河野大臣が災害救助の指揮に尽力していたことは誰もが知っている。発言の一部を切り取ってのネガティブキャンペーンにはウンザリ。これをわざわざ速報で伝える報道ステーションには幻滅。〉
〈そんなこと速報で言うこと?さすがに言葉狩りじゃないか?そして「このことで批判を受けることが予想されます」って…お前らが煽っとるんやないか!〉
〈マスコミの劣化がひどい。河野大臣がツイッターで一生懸命災害派遣の情報発信したことに対しては報道しない自由を行使。〉

「速報で伝えることか」などと喚いているが、別にテロップで臨時のニュース速報を打ったわけではなく、番組が起こったばかりの出来事を「速報」として伝えただけ。だいたい、度重なる台風と豪雨で被害が拡大している最中に、防衛大臣が「私は雨男」などと発言したことは大臣としての資質が疑われるものであって、十分取り上げるに値するニュースだ。いや、こんなタイミングで閣僚、よりにもよって防衛大臣が政治資金パーティを開催していること自体が問題であり、それだけでも取り上げるべきだろう。

閣僚の本音暴言で決まって飛び出す「切り取り」の報道批判! 萩生田文科相も自らインチキ弁明

 しかも、河野防衛相を擁護する意見のなかには「発言の一部が切り取られている」「自衛隊をねぎらっているだけ」と主張する者がいるが、災害派遣で出動する自衛隊員をねぎらうのに「私は雨男」などと言う必要はまったくない。そもそも、自衛隊員は「雨男」の河野防衛相のために災害派遣に出ているのではない。「雨男」発言は災害現場で尽力する自衛隊員を貶める発言でもあり、そのことに怒るべきだ。

 さらに、「河野大臣は災害時にTwitterで一生懸命情報発信してきた」という意見も多いが、河野防衛相がTwitterで批判的なユーザーをブロックしていると言われ、「ブロック太郎」とさえ呼ばれている。アメリカの連邦控訴裁判所は、トランプ大統領が自身に批判的な投稿をおこなったユーザーをブロックしていることが違憲だと判決を下したが、河野防衛相も閣僚でありながら国民の意見をシャットアウトしている結果、災害情報を受け取れない人も多くいるのだ。それで「一生懸命情報発信してきた」と擁護できるはずがない。

 だが、安倍政権支持者が「切り取りだ」と騒げば、そうやって問題の本質がごまかされ、かき消されていく。そして、暴言を吐いた大臣自身がそれを利用するという状況が繰り返されてきた。

 事実、24日放送の『BSフジLIVE プライムニュース』(BSフジ)で「身の丈に合わせて」と述べて経済格差による教育格差を容認した萩生田文科相は、昨日、「謝罪」したと報じられているが、その中身はとても謝罪といえるものではなかった。萩生田文科相は、発言について「番組を観ていない方で報道だけでその部分をとれば、そう受け止める人もいたと思う」とした上で、「国民のみなさま、とくに受験生のみなさんに不安や不快な思いを与える説明不足な発言であった」と釈明。つまり、報道の「切り取り」によって「不安や不快な思いを与えた」と主張しているのだ。

 萩生田文科相の発言も、切り取りでもなんでもない。実際に萩生田文科相は「大学入学共通テスト」の英語民間試験の導入で経済格差による教育格差が生まれることについて「『あいつ予備校通っててずるいよな』って言うのと同じ」「身の丈に合わせて」と言って、家庭の経済状況によって十分な試験対策ができる受験生とできない受験生が出てくることを容認したのだ。河野防衛相と同じで、前後に何を言っていても、その発言は無効化されるようなものではない。にもかかわらず、萩生田文科相は「切り取り」だとして自分の責任をまったく認めていないのだ。

 そして、河野防衛相の暴言に対し、湧いて出る擁護論──。河野氏といえば外相として各国に北朝鮮との国交断絶を訴えたり徴用工問題をめぐっても嫌韓パフォーマンスに勤しみ、その結果、ネトウヨ支持率が高まった。こうして擁護論が出てくるのもその“効果”なのだろうが、河野発言が災害規模を軽んじ、被災者の感情を無視した発言であることは変わりようがない。擁護する者も河野防衛相と同じ穴の狢であり、災害被害を矮小化しているということを自覚するべきだろう。

最終更新:2019.10.29 01:09

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