安倍首相のG20サミット政治利用がヒドイ! 日程を参院選PRのために前倒し、関ジャニ村上とツーショット、でも成果は…

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首相官邸Twitterより


 本日28日大阪で開幕した主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)。G20が日本で開催されるのは初で、ワイドショーも“安倍首相の手腕が見どころ”などと大々的に伝えている。

 無論、年金問題で内閣支持率を落としている安倍首相にとって、G20の自国開催はPRとしてまたとないチャンス。首相官邸は日付が変わった本日深夜0時すぎに「G20 世界の首脳陣 全員集結 本日開幕」という文字が躍る動画を公開したのだが、それはハリウッド映画気取りの仰々しいBGMに乗せて、安倍首相が各国の首脳と握手したり、何か指示をしているかのような様子といった場面をつなぎ合わせた、完全な安倍首相のプロモーション映像となっていた。

 世界の首脳と握手しているだけで“やってる感”を演出できるとなれば、こんなにお手軽なものはないが、安倍首相のG20にかこつけたPRはこれだけではなかった。

 昨日27日の夕方、安倍首相は自身のTwitterとInstagramにこんな投稿をおこなった。

〈関ジャニ∞の村上さんが、ラジオ番組の企画で、G20大阪サミットの取材にお越しになりました。村上さんの益々のご活躍をお祈りしています。〉

 そして、この文面とともに、安倍首相は関ジャニの村上信五とともに満面の笑みで写った2ショット写真をアップしたのだ。

 言うまでもなく昨日は大阪入りしている各国の首脳との会談が目白押しで、欧州連合(EU)のトゥスク常任議長、ユンケル欧州委員長を皮切りに、インドのモディ首相、アルゼンチンのマクリ大統領、エジプトのシーシ大統領、オーストラリアのモリソン首相、さらに夜には中国の習近平国家主席と会談をおこなった。しかし、そんなスケジュールのなかで、首相動静によると15時35分から50分まで安倍首相は村上のインタビューを受けていたのである。

 TOKIOにつづいて今度は関ジャニまで……。村上による安倍首相インタビューの模様は明日29日の『村上信五くんと経済クン』(文化放送)で放送されるというが、習近平との会談前という重要な日程のなかでわざわざ時間を取ったのは、相手が人気のジャニーズタレントで、テレビ司会者としてトップの地位を築きつつある村上だったからだろう。実際、スポーツ紙やネットニュースもふたりの対面を伝え、安倍首相のツイートは本日20時現在、約3万リツイート、約10万いいね!もの反響を生んでいる。

 G20に便乗してタレントを利用し、自分の好感度アップのためのPRに勤しむ……。議長としての緊張感もへったくれもないが、そもそも今回のG20、安倍首相が選挙に利用するために日程設定されたものなのだ。

 そのことに言及しているのは、今年1月4日付けの読売新聞の記事。この記事は、参院選を迎える安倍首相の今年の戦略が、いかにも御用メディアらしい期待感を煽るような書きぶりで綴られているのだが、そこに、こんな一文があるのだ。

〈G20は、先進7か国(G7)の主要国首脳会議(サミット)の後に開かれるのが慣例だ。日本政府は今年のG7議長国のフランスと交渉し、8 月に予定されるG7サミットより早い6月のG20開催にこぎ着けた。首相官邸筋は「全ては参院選を前に見せ場を作るためだ」と明かす。〉

 たしかに、今年のG7はフランス・ビアリッツで8月24~26日とG20のあとにおこなわれる予定となっているが、昨年はG7シャルルボワ・サミットが6月でG20ブエノスアイレス・サミットが11・12月に、2017年もG7タオルミーナ・サミットが5月でG20ハンブルク・サミットが7月に開催。2016年も、G7伊勢志摩サミットは5月に、G20杭州サミットは9月におこなわれている。

 ようするに、「参院選前に見せ場をつくりたい」安倍首相は、G20を選挙利用するためだけに、慣例を破ってG7よりも早いこの時期に開催するよう根回しし、参院選直前の6月末に日程を設定したというのである。

安倍首相の成果期待できないG20に田崎史郎ら安倍応援団は…

 まったく、国際会議まで選挙利用しようとは厚顔無恥にも程があるが、しかし、このG20が安倍首相にとって本当の意味でアピールの場になるのかは疑わしい。

 実際、本日おこなわれた日米首脳会談では、いま問題となっているトランプ大統領の“日米安保破棄”発言が飛び出すことはなかったが、明日には、ロシアの国営放送で「(北方領土返還の)計画はない」と明言したばかりのプーチン大統領との首脳会談が控えている。

 さらに、やはり明日には米中首脳会談が予定されており、貿易問題で更なる亀裂が入れば、議長国としての面子が丸潰れになるだけでなく、安倍首相が議長としてとりまとめる「首脳宣言」がまとまらない可能性もある。

 いや、米中問題だけではない。フランスのマクロン大統領は日仏首脳会談がおこなわれた26日、「もしG20の宣言にパリ協定が言及されていなければ、フランスは受け入れないということだ」と明言(朝日新聞デジタル27日付)。しかし、トランプ大統領は地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定から脱退しており、“トランプの犬”である安倍首相がパリ協定の遵守を「首脳宣言」に盛り込む方向でとりまとめるようなことができるはずがない。トランプ大統領にすり寄るだけの外交しかできない安倍首相に、議長としての役割など期待するほうがどうかしているのだ。

 だが、むしろ米・イランの緊張を高めてしまった先日のイラン訪問しかり、どれだけ安倍首相が世界に恥を晒し、失態をおかしても、NHKの岩田明子記者や田崎史郎氏をはじめ、御用ジャーナリストやメディアは「大成功」「十分すぎる成果」などと安倍礼賛を垂れ流し、失敗をなかったことにしてしまうのは目に見えている。参院選を控え、一体どんなフェイクニュースが展開されるのか。賢明な市民はよくチェックしてほしいと思う。

最終更新:2019.07.01 08:54

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