立川志らくと八代弁護士が「赤坂自民亭」をエクストリーム擁護!「宴会は悪くない」「自民党の人が飲むわけない」

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赤坂自民亭での飲み会(西村康稔氏ツイッターより)

 西日本各地に甚大な被害をもたらし、現在も行方不明者多数、大勢の人が避難生活を強いられている西日本豪雨。安倍首相の初動の遅さはついに海外メディアからも批判があがったが、そんななか、昨日11日放送の『ひるおび!』(TBS)では、安倍首相が5日夜に例の宴会に参加したことに関し、安倍応援団コメンテーターの八代英輝弁護士らが徹底擁護する一幕があった。

 まず番組はVTRで「赤坂自民亭」に批判の声が集まっていることを紹介。周知の通り「赤坂自民亭」とは、十数万人に避難勧告が出されるなど警戒が高まっていた最中、自民党の中堅・若手議員らが開いた宴会のこと。この飲み会には安倍首相のほか、災害対応を指揮する立場の小野寺五典防衛相や西村康稔内閣官房副長官らが多数参加し、西村官房副長官に至っては安倍首相を囲む面々が赤ら顔でグラスを傾ける写真を嬉々としてTwitterにアップしていた。

 すでに5日14時の時点で、気象庁は「記録的な大雨となるおそれ」と大雨では異例の緊急会見を開き、17時台には「厳重な警戒」を呼びかけていた。にもかかわらず、安倍首相ら政権幹部は内輪の酒盛りで騒いでいたのだ。

 安倍首相は政府の初動対応の問題を一切認めていないが、誰がみても、政権幹部がなすべきことをやらずにいたのは明白。一部メディアは被災地の人々からも「赤坂自民亭」に対する批判の声があがっていることを伝えている。

 ところが、VTR開けの『ひるおび!』のスタジオでは、そうした政府の初動を批判するのではなく、逆に、エキセントリックな政権擁護トークが繰り広げられたのである。まず、立川志らくがこんなことを言い出した。

「ただ、酒を飲んだことを非難してもしょうがなくて、なぜ自民党の人が呑気に酒を飲むような状況になってしまったのか、もっとこういう被害になるっていうことは、あらかじめ、もっともっと推測できなかったのか、その問題を解明、究明しないと意味がないですよね。『なんだ!酒を飲んで!このやろう!』って感情だけで怒っててもね。もっと早くに、これだけの雨が降ったんだから、自民党の人たちだって国民の命を無視してこうやって飲むわけがないですから。そこらへんをちゃんと究明しないと。ただただけしからんって周りが怒っても」

 志らくの頭は大丈夫なのだろうか。繰り返すが、気象庁は昼には異例の記者会見を開き、18時までにたとえば京都では河川の増水などによる14万人に避難指示が出されていた。にもかかわらず、自民党の面々は宴会をひらいて、20時すぎには安倍首相もその輪の中にはいっていたのだ。志らくは「自民党の人たちだって国民の命を無視してこうやって飲むわけがない」と断定するが、事実として、安倍首相は「国民の命を無視して飲んでいた」のである。

 これだけでも呆れるが、さらに志らくはこう続けた。

「野党の人たちなんかも『国民を無視してる、冗談じゃない!』って言うけどいまそんなときじゃない。みんな一緒になって、与党も野党も一緒になって災害対策する、今後の復旧・復興を考えなきゃいけないのに、揚げ足をとっている場合ではないですね」

 クラクラしてくる。確認するが、今回、飲み会に参加していたのは、行政の長である安倍首相や自衛隊の陣頭指揮を担う防衛省トップである小野寺大臣ら政府幹部だ。そうした政府の災害対応の杜撰さを批判するのは当然だ。

 にもかかわらず、志らくは批判の声をまるで野党の党利党略かのように言って、「揚げ足をとっている場合か」と封じ込めようとする。どうかしているとしか思えないが、さらに志らくは「一番間抜けなのはこういう写真をあげる議員がいること」「こういうのを残しておいたらみんな怒るもん」などと愚痴をこぼす。いったい誰目線なのか。あんたは政権の危機管理でも担当しているのかと聞きたくなってくるではないか。

八代英輝弁護士「宴会は悪くない。SNSでバラしたのが悔やまれる」

 だが、『ひるおび!』の「赤坂自民亭」擁護はこれで終わらなかった。“安倍政権御用コメンテーター”のあだ名がすっかり板についた八代英輝弁護士は、「僕、昨日自衛隊の方々と懇親会をしていて」と切り出し、こんな話をし始めた。

「自衛隊の方々のほうからこの話題を振られて、その時に実は知らなかったんですけど、見せてもらってこの(宴会の)写真も。で、みなさんどう感じますかっていう話になったんですけども、やっぱり災害派遣の命令を下すのが防衛大臣の役目ですよね。で、災害派遣命令が下ってから、自衛隊のみなさんが準備を始めるんではなくて、災害派遣要請が自治体から出そうな時ときは先回りして、だいぶ前に準備しているんですね。当然、要請が出たらすぐ出られるような体制でスタンバイしているときに、大臣がこういうような会合、宴席に出られているというのは、ちょっとざわついた、ザラザラした気持ちになりますね、という微妙な表現をされていました」

 自衛隊員から見れば、一刻でも早く命令を受けて救助に向かいたいのに、命令を下す大臣が酒を飲んでうつつを抜かしていたのだから、現場は不満がたまるのは容易に想像がつく。

 だが、驚いたのはこの話自体ではない。当然、自衛隊の生の声を紹介した八代弁護士は、続けて、政府の初動の遅さを批判するものだと思って聞いていたら、全然そんなことはなく、逆にこんなふうに話を展開したのである。

「で、僕も思うんですけど、宴席を開いて参加することとですね、喜んでそれをSNSにアップするということはまた次元の違うことでして。政治家がですね、お酒飲んで楽しそうにしている姿を見て微笑ましく思うのは、いまの時代、支援者と支持者だけですよ。ですから、何か起こりそうな時期でしたよ、当然この(5日)木曜日というのは。このタイミングで、やはり、SNSっていうものを活用してそれを世の中にアピールする、もっというと取材陣にこんな宴会をやりますよ公開して取材をしてもらう。それを誰かがやはり『このタイミングはちょっと(SNSや取材を)やめたほうがいいんじゃないですかね』って言える人がいなかったっていうのが悔やまれますね」

「悔やまれますね」って、八代弁護士は何に対してそう言ってるのか。ようは、八代弁護士は、災害の対応に当たらねばならないときに政府幹部が宴会を開いたことそのものではなく、その模様をSNSにアップしたことに苦言を呈しているのだ。逆に言えば「SNSにあげなかったら批判されなかったはずだ」という話で、つまり、宴会をしたことがまずいのではなく、それを自民党自らがバラしたことがまずい、と言いたいらしい。繰り返すがどれだけ政権目線なのか。唖然とするほかない。

マスコミは、なぜ「赤坂自民亭」や安倍政権の初動の遅れを批判しないのか

 本サイトで何度も取り上げているように、もともと『ひるおび!』は準レギュラーの政権御用ジャーナリストこと田崎史郎・時事通信社特別解説委員を筆頭に、安倍政権のスキャンダルに対しては徹底して擁護し、それを批判する市民や野党に対して「そんなことを言っている場合か」と恫喝し、封殺しにかかるケースが多いが、今回は輪をかけて露骨だ。

 志らくや八代弁護士の論理に従えば、すなわち政府は、国民にバレなければ、災害対応をほっぽり出してどんちゃん騒ぎをしようが何をしようが、まったく問題ないということになる。テレビメディアがこんなことでは、今後の災害時にもまったく同じことが起きるだろう。

 もはやそれは天災ではなく、対応しない政府とそのポチ犬である御用番組・コメンテーターによる人災だろう。

 これは『ひるおび!』だけの問題ではない。今回の「赤坂自民亭」をはじめとする政府の失態、安倍首相の初動対応のマズさを批判しているのは、ほとんどがネットメディアにとどまっている。実際、週明けの段階でテレビで「赤坂自民亭」の問題を取り上げたのはTBSの『はやドキ!』『あさチャン!』『Nスタ』『NEWS23』といったニュース番組ぐらいで、NHKや他民放はまるで報道協定でもあるかのように口をつぐんでいた。昨日になってようやく『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や『直撃LIVEグッディ』(フジテレビ)も少し取り上げたが、申し訳程度。中にはTBSの『あさチャン!』のように厳しく批判した番組もあったが、それはごくごく一部なのである。

 何度でも言うが、政府の災害対応の杜撰さを批判するのは、国民主権の民主主義国家として当たり前のこと。なにより、マスコミがその一番手を担わなければならない。にもかかわらず、とりわけテレビでは政権にとって都合の悪いことは見て見ぬ振りするか、『ひるおび!』のように「そんなことを言っている場合か」「政府の足をひっぱるな!」と、ネトウヨのようないちゃもんをがなりたてる。

 安倍首相が政府のトップにいるかぎり、何をしでかそうが許される空気がつくられる。本当に、この国は、どうかしてしまっている。

最終更新:2018.07.12 10:50

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