森友文書改ざんで安倍応援団コメンテーターの醜態(前編)

文書改ざんで田崎史郎と八代英輝が“安倍応援漫才”状態に… 「僕たちが言っても説得力ない」と自虐トークも

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TBS『ひるおび!』に出演する田崎史郎・時事通信社特別解説委員

 公文書改ざん事件を財務省理財局と佐川宣寿前理財局長に完全に押し付けることで、なんとか逃げようとしている安倍政権。しかし、すでに新聞やテレビで多くの官僚OBが指摘しているように、役人が自分たちだけの判断で公文書改ざんという民主主義の根幹を揺るがす犯罪を犯すとは到底考えられない。

 さすがに、今回ばかりはワイドショーも安倍首相や麻生財務相をかばいきれないだろう、と思っていたら、やっぱりいつもの応援団が出てきて、安倍政権擁護を展開したのだった。しかし、その中身はもはや、笑うしかない代物だった。

 いったいどんなお笑い擁護が飛び出したのか。トップバッターはもちろん“田崎スシロー”こと田崎史郎・時事通信社特別解説委員。13日の『ひるおび!』(TBS)に出演した田崎氏は、いきなりこんなことを言い始めた。

「僕はこの麻生さんの見解が正しいとするならば、これ、ものすごい危険なことなんですよ。ようするに理財局の役人だけで勝手に突っ走って、その上の人、大臣も知らない、となると、理財局の暴走というふうになりますでしょ。そうすると官僚の暴走がこういう時代に行われているっていうほうが怖いですよ」

「麻生さんの見解が正しいとするならば」などと言いながら、実際は麻生財務相の佐川氏への責任押し付けを全肯定、すべて“理財局の暴走”として片付けてしまったのだ。

 その後も田崎氏は、政権は全然関係ないというようなトーンで、文書改ざんは「理財局による組織防衛」だと主張し続けた。いやはや、小泉純一郎元首相でさえ、公文書改ざんは安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞める」という答弁にあわせようとしたものと断じているのに、田崎氏はいったいなにを言っているのか。

 しかも、この安倍首相の答弁についても、田崎氏はお得意の“イタコ”状態でこう擁護していた。

「総理が『関わっていれば』ってね、あれ、言わなくていいことをやり取りのなかで話しちゃってるんですけど、マルカッコ“取引に”っていうのが多分入ってるんじゃないかって思うんですよ、総理の意図としては。その部分については具体的なものがいまのところ出てきてない」

「改ざんは近畿財務局の組織防衛」と官邸の関与を否定する八代弁護士は

 まったく、いつものことながら田崎氏の露骨な安倍応援団ぶりには呆れるが、しかし、この『ひるおび!』で、田崎氏に匹敵するトンデモぶりを発揮した人物がもうひとりいた。最近、安倍応援団であることがどんどんバレてきているレギュラーコメンテーターの八代英輝弁護士だ。

 八代弁護士といえば、6日放送で朝日新聞のスクープに「私はちょっと踊りたくないなと思っている」「いま本当にこの文書があるという立証責任を負っているのは、僕は朝日新聞な気がしますし」などと、弁護士とは思えない論理で、朝日報道がまるで“誤報”であるかのごとく攻撃していた。

 そうした失態もあってか、文書公開日である12日の『ひるおび!』では死んだ魚のような目で消沈していた八代センセイ。13日の放送でも、しばらくはバツが悪そうな感じでほぼ黙っていたのだが、田崎氏が問題すり替えのムードをつくり上げた途端、意味不明な、しかし目的だけはよくわかる演説を長々と始めたのだった。

「(2015年の森友学園との最初の契約は)売るのを前提とした貸付契約でもう成立してしまってるんですよ。で、成立したあと、その土地から予想していないゴミが出てきた。で、これは聞いてないぞということで、完全に近畿財務局と籠池氏側、森友学園側の形勢が逆転したのがこのタイミングだと思うんですよ」
「書類上、非常に近畿財務局サイドとしては損害賠償請求を提起されるということを懸念してるんですね。防戦になった。そこは大きく潮目が変わったんだと思います」
「そうすると一方で防戦一方になって今度は組織防衛に走らなければならなくなった、ということが背景にあると思います」

 八代弁護士はどうやら、近畿財務局が損害賠償請求を起こされそうになって、組織防衛のために改ざんをやったと言いたいらしいのだが、なぜ、損害賠償の可能性が出てきたら、「公文書偽造」という刑事犯罪を犯し、昭恵夫人の関与を文書から削除しなければならなくなるのか、意味がわからない。

 実際、八代弁護士は翌14日の『ひるおび!』でも同じような主張をし、元文部官僚の寺脇研氏から「(ゴミが出てきたことは)そんな国会答弁を嘘ついたり、公文書を書き換えてまで整理しなきゃいけない問題ではないですよ」と速攻で論破されていた。

 だいたい、ゴミが出てきて潮目が変わったかのようなことを言っているが、特例だらけの異常な取引はゴミが出てくる以前、最初の貸付契約のときから始まっているのだ。しかも、そこには昭恵夫人の存在が明らかに影響している。

 ところが、八代弁護士はこうした事実を無視して、すべてを「ゴミが出てきた」せいにし、近畿財務局に責任を押し付けようとしたのだ。

 さらに14日には、壊れているとしか思えないような論理を展開していた。このところ、官僚OBたちが自分たちの経験にもとづいて、「官僚だけでこんな判断ができるはずがない、明らかに政治の力が働いている」と指摘する声が上がっているが、八代弁護士はこれに対して「『こんなことを役人だけでできるはずがない』って感情論だと結論が見えてこない」と「感情論」よばわりして否定したのだ。

 ところが、その一方で「この話、政権にとってまったくプラスになってないですからね」「ですからこれをもみ消したところでプラスにならないし、もみ消しのメリットもないですよ」と、まさに感情論丸出しで政権の関与を否定したのである。昭恵夫人の不正を隠すというのは政権にとって最大のメリット。むしろ隠すメリットがないのは官僚のほうなのに、いったいなにを言っているのか。

 いくら昭恵夫人の土地取引関与、官邸の改ざん関与を否定するためとはいえ、こんな中学生でも支離滅裂とわかるような推理までふりまくとは、ほとんど田崎スシローレベルの露骨さではないか。

田崎史郎が八代弁護士の安倍政権擁護に「八代さんやっぱり鋭い」と

 いや、実はそうなのだ。八代弁護士は、この改ざん問題をきっかけに、安倍応援団としてのギアを一段上げ、どんどんスシローに近づいている。
 
 実際、13日、例の「損害賠償請求問題が改ざんの原因」という珍説を開陳したときは、当の田崎スシロー氏からこんなオホメの言葉をもらっていた。

「僕、八代さんやっぱ鋭いなって思って聞いてたんですけど。ほとんど聞き入ってました」
 
 歯の浮くような田崎氏からの絶賛に、まんざらでもない表情で頷く八代弁護士。そして、二人はその後、まるで連係プレーのように野党攻撃を始めたのだった。まず、田崎氏が「なんでいまだに野党が審議拒否してるのかなってのは、僕は不思議で仕方ない」と言うと、八代弁護士が同調して、こんなことまで口走った。

「もともとはね、朝日新聞のスクープですから。野党が自分たちで調べてきたわけじゃないですから。自分たちの手柄のように審議拒否してないで、ちゃんとカメラも入る予算委員会でやってくれというふうに思いますけど。いつまでも審議拒否っていうのはもう古いんじゃないかなと思いますけど」

 ついこの間、「朝日に立証責任がある」などと攻撃していたのに、いったいどの口が、とつっこみたくなるが、その後もこのコンビの連携はどんどん深まり、14日はふたりで“安倍応援団自虐漫才”まで披露する始末だった。

 それは、安倍首相がいつ改ざんを知ったのかが話題になったときのこと。まず田崎氏が「僕が取材する感じでは先週土曜日(10日)夜のような感じがします」と言うのだが、すでに先週月曜日(5日)の時点で国土交通省が改ざん前文書の一部を見つけて官邸に報告していたと指摘されると、いきなり話をこうすり替え始めた。

「だから先週月曜日の時点で、国交省が理財局に資料を出すと同時に、官邸にもこういうのがありましたよという連絡はしてるんですよ、先週月曜日に。でも官邸にすればそれは財務省しっかり調べてくれよという話で、先週月曜日の時点では終わってるんですよ。この問題の深刻さはね、理財局が走っていて、それを大臣も官邸も自民党も知らなかったということなんですよ。だから自民党の人たちがものすごく怒ってる」

「大臣も官邸も自民党も知らなかった」と断言する田崎氏の言い分は誰が見ても強引。そこで、八代弁護士がこれをなんとか笑いに持っていこうと絡んでいくのだが、いつのまにかこんな自虐トークに。

八代「たぶんそれを田崎さんが言っても説得力ないって、なっちゃうんだと思うんですよ」(スタジオ笑い)
田崎「なんで?」
八代「僕が言っても多分(説得力が)ないんだと思いますけれども」
田崎「でもそうでしょ?」
八代「そうだと僕は思いますけど、でもそれを納得させる、国民に納得させることが必要なんじゃないですかね」

 このやりとりにMCの恵俊彰から「ふたりの呼吸のほうが気になって。なに見つめあって私たちは……みたいな」とツッコまれていたが、彼らがタッグを組んでこんな“いちゃつき状態”にならざるを得なかったのは、それだけ、安倍政権と応援団が追い詰められているという証拠だろう。安倍政権の嘘と不正が完全に明らかになったことによって、彼らの嘘もすっかりバレてしまったため、開き直って、仲間と支離滅裂な主張をかばいあうしか方法がなくなってしまったのだ。

 実際、ワイドショーで醜態をさらしていたのは、この田崎、八代コンビだけではない。後編では、同じく朝日攻撃を口にしていた北村晴男弁護士、そしてネトウヨ議員・和田政宗氏のワイドショーでのトンデモ言動をお送りしたい。

最終更新:2018.03.15 11:09

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