美智子皇后がトランプ米大統領との面会に難色を示していた! 安倍・トランプの排外主義、平和破壊に懸念か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
michikokokougou_01_20171022.png
誕生日に際しての皇后近影(宮内庁HPより)


 先日、本サイトでも取り上げたように、美智子皇后の「誕生日文章談話」の内容は大きな反響を呼んだ。皇后は、安倍首相が言及しようとしなかったICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞を大きく評価し、〈戦いの連鎖を作る「報復」〉に釘を刺した。これは、明らかに北朝鮮の核・ミサイル問題を利用して好戦的世論を煽動している安倍政権を意識した発言に思えてならない。

 そんな美智子皇后と今上天皇が、トランプ米大統領とメラニア夫人を皇居に招き、初めて面会をしたのは今月6日のこと。報道によれば、天皇・皇后とトランプ夫妻は和やかに会話し、別れの折には今上天皇が「また日本にいらしてください」と語ったなどと“歓迎ムード”が伝えられた。

 ところがここにきて、美智子皇后は内心、トランプに対し「歓迎」とは真逆の心象を持っていたとの報道が飛び出したのである。

 昨日発売の「週刊新潮」(新潮社)11月30日号が「「安倍官邸」がフタしたい「美智子皇后」の乱」と題して報じている。記事は、官邸関係者のコメントとして「美智子さまは“トランプさんには会いたくない”というようなご懸念を周囲に示されていたと言うのです」との証言を掲載。さらに「何でも美智子さまは“陛下をトランプさんに会わせてもいいものか”と漏らされていたと」という永田町関係の話も紹介しているのだ。

「週刊新潮」が書くように、これを「皇后の乱」などと扇情的に取り沙汰すべきかは置くとしても、たしかに、宮内庁周辺や宮内庁記者らの間では、トランプ大統領が誕生したころから、しばしば「両陛下はトランプ氏のことを快く思わないのではないか」と不安視する声が漏れていた。

 そのなかで、トランプ訪日までの間、美智子皇后が周辺へ「トランプさんとは会いたくない」「陛下に会わせてもいいものか」という種類の吐露をしていたとしてもなんら不思議ではないだろう。というよりも、トランプの性質と美智子皇后の性格を鑑みれば、こうした話が浮上してくるのは至極自然と言うべきなのかもしれない。

ヘイトスピーチ、難民問題にも強い関心を示す美智子皇后、一方トランプは…

 事実、前述の「誕生日文章談話」のなかで美智子皇后は、核軍縮以外にも、〈心に懸かること〉として、自然災害や原発事故からの復興とともに、〈奨学金制度の将来、日本で育つ海外からの移住者の子どもたちのため必要とされる配慮〉をあげ、外国からの移住者とその子孫に対する政治状況に懸念を示していた。

 とりわけ、天皇・皇后が以前から在日外国人に対するヘイトスピーチの問題に心を痛めていたことは、皇室に強い記者のいる週刊誌などでも報じられてきたことだ。一方のトランプといえば白人至上主義をむき出しにし、国際的に強く批判されてきた。皇后は、日本国内だけでなく、国際社会を牽引するアメリカ大統領の排外主義についても強く憂いているとみられる。

 また皇后は、〈米国、フランスでの政権の交代、英国のEU脱退通告、各地でのテロの頻発〉とトランプ大統領誕生にも触れたうえで、日本人女性として初めて国連事務次長・軍縮担当上級代表に就任した中満泉氏について、〈国連難民高等弁務官であった緒方貞子さんの下で、既に多くの現場経験を積まれている中満さんが、これからのお仕事を元気に務めていかれるよう祈っております〉と述べた。

 中満氏はアメリカの大学院を卒業後に国連入り。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に志願し職員としてのキャリアを積んできた叩き上げで、難民支援や民族紛争の解決に従事してきた。毎日新聞2017年4月23日のインタビューでは、師と仰ぐ緒方貞子氏から学んだことについて、このように語っている。

「湾岸戦争(1991年)勃発時、イラクのクルド人がトルコとイランに脱出した。トルコは当時難民を受け入れていなかったので、クルド人たちは国境近くに足止めされていた。私はUNHCRのトルコの事務所から先遣隊として通訳なしで1人で現地に入りました。カラフルな民族衣装を着たクルド人の女性たちが雪の残る山の急斜面にテントもなく着の身着のままでいて、凍死する者もいた。衝撃だった。今でも鮮明によみがえります。緒方氏は着任して2週間でした。国境を越えていない避難民は支援対象ではないとの反対論もあったが『助けないわけにはいかない』と判断して援助を決断した。前例を踏襲せずに決断できるのがリーダーシップだと思います」

 もともと皇后は、2014年にも難民支援や地雷対策活動を展開する国際NGO「難民を助ける会」のチャリティコンサートを鑑賞するなど難民問題への関心も強く、中満氏のこうした姿勢を高く評価しているとみられている。その目から見て、トランプの難民受け入れ停止政策や特定宗教への攻撃は、眉間に皺をよせるものであることは間違いないだろう。皇后が中満氏と以前から面識があったにせよ、アメリカの政権交代など世界情勢の変化のなかで中満氏のキャリアを踏まえた「誕生日談話」は、難民受け入れを放置している安倍政権はそうだが、トランプ大統領の難民排除政策も念頭に置いていたはずだ。

天皇・皇后は、安倍政権の改憲、平和主義破壊に繰り返し危機感を表明

 そう考えてみても、今回の「週刊新潮」の“皇后はトランプとの会見に難色を示していた”との報道は、単に宮内庁周りで聞かれる“噂”のレベルを超えた信憑性がある。しかも、記事にあるように皇后が「陛下をトランプさんに会わせてもいいものか」と周囲に漏らしていたとすれば、これは安倍政権が軍事一体化と言えるほど進めている日米関係の強化に、皇室が政治利用されることを憂慮したとしか思えない。あるいは、その挑発的なトランプにベタベタの安倍首相に対して、皇后は軽蔑にも似た感情を抱いているのではないか。そう言ったら穿ち過ぎだろうか。

 もっとも、皇族はその憲法的立場から、たとえば「私はトランプさんとは会うべきでないと考えるから面会を辞退したい」というような、政治の決定を覆す発言は公にできないし、民意による皇室制度の変更がない限り、それはなされるべきではない。だが一方で、皇后は天皇とともに、自身に課せられた制約のなかで、政権の憲法破壊や平和主義の逆行に釘をさしてきたのも事実だ。

 たとえば、皇后が天皇とともに、安倍政権による改憲へ強い危機感を持っていることは誰の目にも明らかだろう。実際、美智子皇后は2013年の誕生日に際した文章談話でも、〈5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます〉としたうえで、五日市憲法草案などの民間憲法案に言及。〈基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等についても記されています〉と日本国憲法と同様の理念をもった民間憲法が日本でもつくられていたことを強調し、〈深い感銘を覚えたことでした〉と述べていた。

 対して、こうした皇后・天皇の意思表明を、安倍政権は疎ましく思っている。実際、2014年には、安倍首相のブレーンといわれる八木秀次・麗澤大学教授が、「正論」(産経新聞社)で「憲法巡る両陛下のご発言公表への違和感」なる文章を発表。前述の通り、皇后と天皇が前年に日本国憲法を高く評価したことに対して、〈安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない〉〈宮内庁のマネジメントはどうなっているのか〉と猛批判した。

 日本国憲法が平和主義と法の下の平等を掲げる以上、いくら憲法で制約された天皇、あるいは皇后であっても、その実現を思う気持ちを発することまで妨げるのは理にかなわないだろう。

 宮内庁によれば、今上天皇はトランプとの面会のなかで、「現在日米関係はかつてなく良好です」と言い、「両国はかつて戦争した歴史がありますが、その後の日米の友好関係、米国からの支援により今日の日本があるのだと思います」と述べたという。「現在の日米関係」だけでなく、地続きにある「戦争の歴史」に言及したのは、「戦争は絶対にやめてください」というメッセージだと考えることもできる。

 日本が民主化されて初の天皇と皇后だ。少なくとも、その「役割」の終幕が、日本の民主主義・平和主義の終焉と重なってしまうことだけは、なんとしても避けねばならない。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

美智子皇后がトランプ米大統領との面会に難色を示していた! 安倍・トランプの排外主義、平和破壊に懸念かのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ドナルド・トランプ安倍晋三皇室編集部美智子皇后の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 自民党大物職員の改憲PRソングが酷い
2 百田尚樹『日本国紀』に“Yahoo!知恵袋コピペ疑惑”
3 直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質
4 高須・橋下・ネトウヨのハンスト叩きを元山氏・村本が論破
5 三浦大知が歌う歌は天皇皇后の沖縄への想い
6 櫻井よしこは嘘つきだ!小林節が告発
7 ゆずの愛国心煽動ソングはここが悪質!
8 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
9 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
10 和田政宗も絶賛「HINOMARU」とW杯
11 “バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
12 稀勢の里「ナショナリズムのアイコン」の相撲人生
13 DA PUMPがEXILEに挑戦状
14 元旦朝生のウーマン村本は間違ってない
15 沖縄県民投票“不参加”指南の背後に安倍官邸の存在か!
16 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
17 百田尚樹の「改憲PR映画」がトンデモ!
18 つんく♂が秋元のメンバー差別に
19 柳瀬秘書官、安倍、加計が一緒にゴルフ
20 国連も「組み体操」の危険性を指摘!
1 追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
2 所ジョージが沖縄米軍基地反対ソング! 
3 竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
4 ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア
5 安倍首相の“サンゴ移植した”嘘を追及しない本土メディア
6 早野龍五・被曝論文に重大誤り!お墨付き与えた糸井重里の責任
7 産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
8 仏司法当局が東京五輪誘致汚職で竹田恒和JOC会長の捜査開始!
9 日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
10 沖縄県民投票“不参加”指南の背後に安倍官邸の存在か!
11 ゴーン前会長出廷で露呈した特捜部の無理スジ国策捜査
12 外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
13 安倍政権の反韓煽動が酷い!「韓国へ渡航禁止」まで主張
14 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
15 三浦大知が歌う歌は天皇皇后の沖縄への想い
16 直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質
17 “バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
18 松本人志が指原莉乃に悪質セクハラ差別発言! 
19 自民党大物職員の改憲PRソングが酷い
20 百田尚樹『日本国紀』に“Yahoo!知恵袋コピペ疑惑”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄