内山麿我のクレームどころじゃない、東京ディズニーリゾートには深い闇が! 深夜清掃作業員の死亡事故と暴力団

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ナイトカストーディアルの闇は夜より暗い?(『東京ディズニーシー パーフェクトガイドブック 2016』講談社)

 浜崎あゆみの元カレ・内山麿我が東京ディズニーシーの対応にクレームをつけた問題は今も、騒ぎが続いている。

 しかし、やはりディズニータブーが影響しているのか、話題は内山がわがままかどうかということばかりに集まっており、ディズニー側の問題がほとんど語られていない。

 一昨日、本サイトで指摘したように、この問題の本質は、東京ディズニーリゾートの過酷な労務管理、効率重視の経営方針がある。ほとんどが非正規社員のうえ、その数をどんどん減らした結果、マニュアル的な対応しかできなくなっているのだ。

 実際、東京ディズニーリゾートでは、もっと深刻な事態も起きている。

 2015年10月27日午前5時頃、東京ディズニーシーで勤務していた「ナイトカストーディアル」(パークの深夜清掃業務)の男性が亡くなっているのが発見された。男性は他の従業員と27日午前0時ごろから、ディズニーシー内のアトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」の船に乗り降りする桟橋付近で清掃作業をしていた。浦安署は誤って転落したとみて、詳しい原因を調べている。

「ナイトカストーディアル」はパーク閉園後に清掃するキャストのこと。「赤ちゃんがハイハイできる」くらいきれいなパークを目指し、日中に清掃業務をする「デイカストーディアル」同様に、東京ディズニーリゾートにとってはなくてはならない重要な役割を担っている。しかし、真夜中に暗いパークの清掃作業はリスクもともなう。

 東京ディズニーランド開園以来、初となるキャスト(従業員)の死亡事故のニュースを受けてニュースサイト「メディアゴン」で、現役キャストがこんな告発をした。

「一番最優先にしなければならない『安全』が軽視され、『効率』が優先されてしまっているのが現状だ。その為、ナイトカストーディアルは一つのテーマエリアにつき『片手で数えられるぐらいの人数』が、決められた持ち場に行き、担当箇所の清掃を一人で行っている。大げさに言ってしまえば30人で東京ディズニーシー全体を清掃しているようなものだ」
「中でも、消防車に積まれるような大きなホースを利用し放水して清掃するという『ホージング』は、とても体力のいる清掃方法で、成人男性でもひと苦労する作業だ」と(〈TDL現役キャストが直言〉意外?東京ディズニーリゾートの従業員不足が死亡事故の原因)http://mediagong.jp/?p=13033

 今回の背景を非正規雇用労働者が中心のキャストの待遇改善を訴えるオリエンタルランドユニオンも効率性最優先の現状に警鐘をならす。

「一般的に東京ディズニーリゾートは効率重視でキャストの数を削減しています。これまで5人でやるべきところは4人の非正規社員のキャストでやりなさい。それでも足りなければ子会社の時給の安いアルバイトを補てんしてといった形です。管理する立場の正規社員も担当する部門が広すぎてしまいチェックが行き届いていません。このため、危険な作業ほど、リスクが増しています」

 今回、亡くなったのはアルバイト宮沢司さん(46)。宮沢さんは10年以上前からアルバイトとして施設で清掃の仕事をしていた。

「10年も非正規雇用と驚かれるかもしれませんが、東京ディズニーリゾートのキャストの多くは非正規雇用です。さらにオリエンタルランドの直接雇用の場合は、手厚い夜間の割り増し手当がつきますが、間接雇用にはつかないなど差別的な待遇が多いのです」

 アトラクション『ヴェネツィアン・ゴンドラ』はキャストの間でも危険視されてきたアトラクションだ。

「事故の起きたアトラクション『ヴェネツィアン・ゴンドラ』は水深が2m弱と深い上に、アトラクションのゴンドラも安定しない。そこで、案内役のキャストは歌いながらゲストを楽しませないといけないというハードな仕事なんです。毎年のようにバランスを崩して水路に落ちるキャストが出るほど。救命胴衣もつけないまま、冬となれば寒い水路に落ちるわけです。生死にかかわる仕事なのに、これでアルバイトとはやってられないという声が出ています」

 オリエンタルランドユニオンも今回の死亡事故は切実な問題ととらえているが、真相究明にはほど遠いという。

「亡くなった男性キャストはオリエンタルランドの子会社『MBM』(旧称:舞浜ビルメンテナンス)配属でしたが、清掃業務は、複数の企業に委託されており、複雑な指示・命令関係になっているんです」

 さらに、過去の事件との関係を指摘する新聞記者もいる。

「オリエンタルランドといえば、05年5月に発覚した、元暴力団幹部が関与する不動産会社への利益供与疑惑がありました。広域指定暴力団・松葉会の元最高顧問にして、右翼団体の名誉議長でもあった人物の関連企業『中央興発』に、オリエンタルランドが本社社屋や別館の清掃業務を全面委託。中央興発はそれを大手ビルメンテナンス会社に丸投げして、年間5000万円近い利益を得ていたというものです。この利益供与疑惑のなかに実は『ナイトカストーディアル』の業務も一部含まれていたというんです。利益供与疑惑の発覚をきっかけに清掃業務は舞浜ビルメンテナンスが中心になりましたが、その利益供与疑惑の影響もあってか、『ナイトカストーディアル』はいまだに謎の部分が多いのです」(新聞記者)

 ナイトカストーディアルの闇は、夜のパークよりも暗いのかもしれない。
(小石川シンイチ)

最終更新:2015.11.25 05:52

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