「必ず1日3食」食べても健康にはなれない!? 健康法のウソ・ホント

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イメージ画像:Thinkstockより

【トカナ初出】(2014年4月)

 世はアンチエイジングブーム。メディアではさまざまな健康法が取り上げられ、そのたびに中高年が◯◯法なるものに夢中になったり、身体にいいとされる食材やグッズに飛びつくという現象が起きている。だが、その内容をひとつひとつ見てみると、玉石混淆、諸説紛々。ある健康法が流行したかと思うと、それを真っ向から否定するような説が唱えられたり、どう考えても真逆としか思えないふたつの説が同時に流通していたり、ということも珍しくない。

 たとえば、食事の回数。1日3回きちんととるべきか、1日1回でいいのか。医療関係者の間でも「3回とるとカロリーオーバーになってしまうから1日1回でいい」「朝食を抜くと肥満になりやすい。1日24時間を周期とするリズム(サーカディアンリズム)を保つためにも、1日3回は欠かせない」と、意見が完全に二分されている。

 他にも、「美容のために水をたくさん飲むべきだ」という説と、「水の飲みすぎは体を冷やす」という説。「運動は食前がいい」という考え方と「食後の方がいい」という考え方。「早期発見のためにガン検診を積極的に受けるべき」という主張と「ガン検診は無意味。むしろ検査が引き起こすリスクのほうが高い」という主張。いったい、どっちが正しいのだろうか。

■科学的にベストなアンチエイジング法とは?

 こうした賛否両論のある食事法、健康法の真贋を検証しているのが『アンチエイジング・バトル最終決着』(坪田一男・著/朝日新書)だ。といっても、単純にYES・NOをつきつけるのでなく、日本抗加齢医学会理事長である著者がそれぞれの分野の専門医が示す最新の研究成果を客観的に整理して、あくまで科学的にベストのアンチエイジングを提案している。

・食事は何回?
 冒頭に掲げた食事の回数について、同書はこのように見解を述べる。
「1日1食でいいのか、3食とるべきか。それぞれのメリットを見てきたが、両方に言い分がある。だったらいいとこどりをしよう。まず、サーカディアンリズムは確かに大事だから、朝食はとったほうがいい」
「おススメは、朝必ず食べて、1週間で14~21食とるということ。つまり、毎日1日3食とっても構わないし、昼・夜のどちらかを抜いても構わない」
 要するに重要なのは食べる回数でないというのだ。

・食事のタイミングが重要
 そのうえで、こんな具体的なアドバイスを付け加える。
「食べる回数以上に重要なのが、食べるタイミングだ。晩ご飯を食べるときには、遅い時間に食べないこと。夜9時以降に食べると、サーカディアンリズムが崩れてしまう」
「1カ月に1回くらい、24時間のファスティング(断食)をすることもおススメ。摂取カロリーを70%ぐらいに制限すると寿命が延びるということがマウスやサルなどさまざまな実験で明らかになっているが、もう1つ、1日おきに自由に食べさせたマウスも寿命が延びることがわかっている」

・水はどれくらい飲めばいい?
 水分のとり方についても同様だ。「不要な老廃物や過剰な物質を体外に排出してくれる水はたくさん飲んだほうがいい」という意見が大勢を占める一方で、漢方医学では「水分のとりすぎは「冷え」につながり、「水毒」になりかねない」といわれている。このふたつの主張を受けて、同書はこう結論づける。
「結論はやっぱり一日最低2リットルが基本だけれど、運動量の少ない人は胃腸を冷やさないように白湯(少なくとも室温以下の温度の水は避ける)で飲む。ただし、腎臓の機能が低下している人は控えめに(主治医に相談すること)」

・問題は「果糖ブドウ糖液糖」
 ただ、同書がもっとも強調しているのは、量の問題でなく、スーパーマーケットやコンビニに並ぶスポーツ飲料や炭酸飲料、甘いドリンクから水分を摂取する危険性だ。こうした飲料に含まれている「果糖ブドウ糖液糖」が問題なのだ、と同書はいう。砂糖が血糖値を一気に上げて、インスリンを大量に放出させ、糖尿病を引き起こす危険性があることはよく知られている。しかし、「砂糖以上に血糖値をバーンと上げてしまう」「砂糖以上に悪い甘味料」が「果糖ドウ糖液糖」なのだ。

「トウモロコシから作られた甘いシロップで、果糖の含有率が50%未満のものは『ブドウ糖果糖液糖』、50~90%のものは『果糖ブドウ糖液糖』、90%以上のものは『高果糖液糖』と呼ばれる。砂糖は冷やすと甘味が減るけれど、この果糖ブドウ糖液糖は冷たい方が甘みが強まる。だから、冷たい飲み物に引っ張りだこなのだ。スーパーマーケットやコンビニに並ぶスポーツ飲料や炭酸飲料、甘いドリンクの原材料名を見てほしい。必ずと言っていいほど、果糖ブドウ糖液糖と書かれている。飲料業界には申し訳ないけれど、果糖ブドウ糖液糖の名前を見つけたら、『あ、いる!』と、一旦、手を引っ込めた方がいいかも」(同書より)

 こうして見てみると、健康法やアンチエイジングというのは、これをやれば絶対に大丈夫というような単純なものではないことがよくわかる。年齢や体質、タイミングによって効果もまちまち。やり方次第で体にいいものが悪い影響を与えたり、ということも少なくない。話を極端にしてしまいがちなテレビの情報番組やベストセラー本に踊らされるのでなく、いろんな情報に総合的チェックして、冷静に判断するのが賢明だろう。

最終更新:2014.06.30 06:03

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