『よつばと!』にドハマり、クールなはずの真木よう子の"マンガ愛"がすごい

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「hon-nin」Vol.7(太田出版)より

【おたぽる初出】(2014年3月)

 先日授賞式が行われた第37回日本アカデミー大賞で、最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞のW受賞となった真木よう子。この2つを同時に受賞した女優は1979年の大竹しのぶ以来で、史上2人目の快挙。肉体派女優という枠組みに留まらない表現力で、今後の活躍が約束された格好だ。そんな真木の演技力を支えているのは、じつはマンガ。クールな印象からは想像がつかないほど、真木は熱狂的なマンガ好きなのだ。

 真木がマンガを読むようになったのは、男兄弟の中で育った環境が大きい。「hon-nin」Vol.7(太田出版)での吉田豪によるインタビューでは、「お兄ちゃんが買ってくるヤンキーのマンガがいっぱいあって。みんなでよくモノマネとかしてましたね、『ろくでなしブルース』の。あのヤンキーの口調が、とにかく憧れだったんですよ」と語り、それが演技の原点かと訊かれると「あ、そうかもしれない(あっさりと)」と答えている。

 そして、真木のマンガ愛が炸裂しているのが、「+act.」(ワニブックス)で行われているマンガ家との対談連載だ。

 たとえば、2011年5月号での『あずまんが大王』『よつばと!』(アスキー・メディアワークス[KADOKAWA])の著者・あずまきよひことの対談。当時、『よつばと!』にドハマりしていた真木は、取材が始まる前から目を輝かせ、あずまを質問攻めするほどだったそう。それでも、ここで媚びを売らないのが真木流。「正直、絵が私とか女性には近寄り難いんですよね。萌え系というか。ごめんなさい失礼なこと言ってますけど」と本音をズバリ。しかし、日常系マンガである『よつばと!』の魅力について、違う角度からこのように感想を述べるのだ。

「私『よつばと!』を読んで、エロい女の人が…ってなんかすいません(笑)、でもそういう人がわりと好きなんだなって思ったんです。あさぎとか、凄いエロいじゃないですか(笑)。別にそういうシーンはないのに、エロさを感じるんです。よつばちゃんがなんでもない日常を楽しんで生きていく癒やしマンガでもあるんだけど、オプションみたいな感じで、チラッとエロさも感じられる」

 この分析には、あずまも「なかなか鋭いな~。男性目線ですね」と称賛。真木の演技に漂うエロティズムは、こうした感受する力から生まれているのかもしれない。

 また、13年5月号の松本大洋との対談では、「『Sunny』は母親としては凄く胸が痛い……けど、やっぱり子供にとってどんな母親でも、その人しか母親はいないんだなって。胸が苦しくなるけど、凄く面白い作品です」と、ママキャラで売ってはいない真木にしてはめずらしく、母親としての顔も覗かせている。

 さらに、前出の「hon-nin」で、真木が愛してやまない『ピューと吹く!ジャガー』(集英社)の著者・うすた京介と対談した際には、「うすたさんは私の中のスーパーヒーローですから。ハリウッドスターよりもスターですもん」「(『ピューと~』を)毎晩寝る前に何度も何度も読んでるんです」と猛烈にアピール。挙げ句、「うすたさんと一日好きなことができるとしたら、どこに行きたいですか?」と訊かれると「普通にディズニーランドに行きたいとか思っちゃった」と言い出すほどで、完全な乙女モードに。これにはうすたも「真木さんからディズニーランドって言葉が出てくると思わなかった(笑)」と驚嘆。「普段はやっぱりクールなキャラでいらっしゃるんですか?」とうすたが尋ねると、「いや、事務所がそれで売ってるんですよ。売ってるだけです」と真木はまるで吐き捨てるように答えている。──乙女な部分とクールさが同居した、真木の魅力が伝わってくるエピソードだ。

 ちなみに、真木が今いちばん会いたいマンガ家は、『三丁目の夕日』(小学館)で知られる大御所・西岸良平。念願が叶い、「+act.」2014年3月号の連載最終回では初対面の様子が掲載されている。ここではどんな素顔の真木が見られるのか。ぜひ読んで確かめてほしい。
(文/田口いなす)

最終更新:2018.10.18 04:16

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