逮捕された文科省局長は安倍政権に近い官僚だった! 裏口入学の交換条件の支援事業に加計学園も選定

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abe_01_180702.jpg
首相官邸ホームページより

 文科省の現職局長が受託収賄容疑で逮捕されるという衝撃的なニュースが、今月4日、駆け巡った。文科省の科学技術・学術政策局長である佐野太容疑者が、私立大学支援事業「私立大学研究ブランディング事業」の選定で便宜を図る見返りに、自身の息子を東京医科大学に不正入学させたというのだ。

 そして、このニュースにヒートアップしているのが安倍応援団やネトウヨたちだ。文科省といえば、昨年1月に天下り・再就職あっせんが問題となり、当時、事務次官だった前川喜平氏が引責辞任。佐野容疑者も官房長として「文書厳重注意」の処分を受けている。ネトウヨはこのことをもち出し、「前川は出会い系バー通いで佐野は裏口入学。文科省はクズばかり」「前川さん、文科省の局長が行政を歪めてますよーw」などと、ここぞとばかりに前川氏をバッシングしているのだ。

 さらに、そうした流れのなかで、安倍応援団である上念司氏も前川・文科省叩きを展開。昨日出演した『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)では、「佐野さんは前川の直系らしいっすね」「しかも天下りの裏で(不正入学を)やっていた」「文科省は(前川に)乗っ取られている感じ」だと述べ、前川氏と佐野容疑者の関係に言及している。

 一方、この不正入学問題に対しては、リベラル派からも疑義の声が上がっている。「これは加計問題での文科省の反乱に対する、特捜部を使った官邸の意趣返しではないか」という見方だ。

 だが、結論から言うと、これらの指摘はすべて的外れだ。そもそも、「佐野は前川の直系」でもなんでもなく、逆に対立派閥に属していた。文科省関係者もこう一笑に付す。

「佐野はたしかに前川氏が官房長時代にも官房政策課長、総務課長などを歴任しているが、『前川の直系』なんて関係ではない。むしろ、関係が悪かったという話もあるほどだ。というのも、佐野は科学技術庁入庁組で、文科省内の旧科技庁グループ、 “旧科技庁のドン”とも呼ばれていた沖村憲樹氏の一派だった」

 冲村氏は国立研究開発法人・科学技術振興機構特別顧問に天下りしているが、高村正彦・自民党副総裁に極めて近く、官邸や自民党大物議員にも顔が利く人物。実際、冲村氏が仕切る旧科技庁グループは前川氏が引責辞任した文科省の天下り問題でも、まったく扱いが違っていた。

 そもそも、政権が率先して不正を明らかにしたこの文科省への天下り調査は、加計学園認可に反対していた文科省幹部への報復、狙い撃ちだったという噂もあり、事実、官邸が文科省の天下り問題調査でターゲットにした吉田大輔高等教育局長(当時)は、獣医学部新設に強硬に反対していたと報じられている。

 ところが、同じ文科省でも旧科技庁グループ、冲村派の天下り問題は一切表に出てこなかった。当時、会員制情報誌「FACTA」(2017年3月号)が、文科省の天下りは冲村氏が仕切る科学技術庁グループのほうがひどいのに、政権与党との関係からか、不問に付されているということを指摘。国会でも追及がおこなわれた。

 そして、冲村氏の利権を暴いた「FACTA」の続報(2017年8月号)では、今回、逮捕された佐野容疑者が〈「冲村派」の中核メンバー〉として名指しされていた。

 つまり、佐野容疑者は、前川氏の直系どころか、安倍政権に極めて近い派閥に属する官僚だったのだ。実際、佐野容疑者は加計問題で官房長として内部調査や大臣答弁などにかかわってきたが、完全に官邸の言いなりだった。

「『総理のご意向』文書が出てきたときなんて典型でしょう。あのとき菅義偉官房長官が『怪文書』呼ばわりしましたが、文科省も完全に歩調を合わせていた。調査すると言いながら担当部局の共有ファイルを調査して7人にヒアリングしただけ。当時の松野博一文科相がそこで何も出てこず、証言も得られなかったとして『調査目的は達成した』と断言した。これらを仕切ったのは、官房長の佐野さんですからね」(全国紙社会部記者)

加計学園からは2校も選定、東京医科大よりも多い補助金が

 前川氏の直系どころか、安倍政権に近かった佐野容疑者。じつは、佐野容疑者の今回の大胆な不正入学収賄の背景にあるのは、「安倍首相が招いたモラルハザードではないか」という見方も流れている。

 これは、無理やり話を結びつけようとしているのではない。もっと具体的な話だ。今回、佐野容疑者が東京医大関係者からの依頼を受けて同大を選定した「私立大学研究ブランディング事業」をめぐっては、“アベ友”である加計学園も選ばれているのだ。

 本サイトで今年1月に報じたように(http://lite-ra.com/2018/01/post-3723.html)、じつはこの事業がスタートした2016年度の採択では、加計学園が運営する岡山理科大学と千葉科学大学の2校が選定されている。しかも、同じ学校法人から2校が選ばれていたのは、加計だけなのだ。

 さらに、東京医科大には補助金として3500万円が交付されたが、加計グループに対して交付された補助金は、千葉科学大が3752万円、岡山理科大が4121万円と、東京医大を上回っている。

 いや、加計への疑惑が深まるのは、この補助金を交付する大学が決定されたタイミングだ。2016年11月には萩生田光一官房副長官(当時)が獣医学部新設の条件として「広域的に獣医学部のない地域に限り」という加計ありきの文言を加え、同9日の国家戦略特区諮問会議でそのとおりに新設が決定された。そして、加計学園2校に補助金交付が決まったのは、それから約2週間後の22日なのだ。もちろんこの時期、文科省は加計学園と安倍首相の深い関係について痛いほど認識していたはずだが、そのタイミングで補助金の交付が決定されていたのである。

 佐野容疑者が東京医大に便宜を図ったのは2017年で、この加計グループ2校が選定された次の年のこと。つまり、「総理案件」である大学が、しかも2校もねじ込まれている実態を知る立場にあれば、「それぐらいは許される」という見込みが佐野容疑者にはあったのではないか。そう勘繰らずにはいられないのだ。

 安倍首相が血税をお友だちに流し、その実態が暴かれても平気な顔をして総理の座に座っている。その親玉のモラルのなさが、霞が関にも伝染しつつある──。「最大のガン」が幅を利かせるかぎり、こうした問題が後を絶たなくなるのは間違いない。そして、不正入学問題への捜査と同時に、今回クローズアップされた加計2校の選定についても、そのプロセスを明らかにするべきだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル マンガ・アニメ ビジネス 社会 カルチャー くらし 教養

逮捕された文科省局長は安倍政権に近い官僚だった! 裏口入学の交換条件の支援事業に加計学園も選定のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。上念司加計学園文部科学省編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍首相が秋葉原街宣で動員以外の一般市民を排除
2 安倍首相が圧力問題で自分の嘘をバラし犯人を示唆
3 安倍首相が総裁選でトンデモ発言継続中
4 樹木希林が辺野古に現れた日
5 安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
6 安室奈美恵のラストライブをめぐり自民党が
7 指原莉乃がセクハラをハニトラと
8 石田純一「セクハラは今も昔もアウト」
9 タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
10 安倍の北方領土交渉失態に応援団が沈黙
11 安倍チル議員から圧力受けた『ちびまる子ちゃん』映画
12 沖縄県知事選で創価学会幹部が暗躍
13 総裁選で安倍側近・西村官房副長官が地方議員に圧力
14 大坂なおみを“日本スゴイ”に利用する政治家とメディア
15 安倍政権が「賃金データ」を恣意的操作
16 秋元康のガールズバンド計画が大炎上
17 “慰安婦像に蹴り”人物と杉田水脈、和田政宗の関係
18 美輪明宏が安倍と支持者を一喝!
19 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
20 BBCが山口事件の被害者・詩織さんを特集
1 安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
2 北海道地震でも安倍はネトウヨ番組『虎ノ門ニュース』に
3 北海道地震の停電でホリエモンら「泊原発再稼働させろ」
4 関西空港の惨状は民営化と運営会社のせい?
5 安倍政権が「賃金データ」を恣意的操作
6 安倍チル議員から圧力受けた『ちびまる子ちゃん』映画
7 「新潮45」杉田水脈擁護に安倍応援団揃い踏み
8 “慰安婦像に蹴り”人物と杉田水脈、和田政宗の関係
9 安倍が「やってる」アピールで自ら地震の死者数発表するも大間違い
10 安倍首相がまたも台風21号被災地を放置
11 日露首脳会談で“外交の安倍”の大嘘が露呈
12 秋元康のガールズバンド計画が大炎上
13 NHKが「安倍首相が〜」の冠ニュース連発する異様
14 ウーマン村本が『朝生』を痛烈批判!「沖縄問題やれ」
15 タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
16 仲里依紗が“夫・中尾明慶の家事”賞賛の声に異議
17 大坂なおみを“日本スゴイ”に利用する政治家とメディア
18 安倍がネトウヨ「虎ノ門ニュース」出演
19 安倍の北方領土交渉失態に応援団が沈黙
20 安倍陣営幹部が産経に「北海道地震は選挙戦にプラス」

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄