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下町ボブスレーに“韓国ヘイト”と森友加計そっくりの“アベ友優遇”疑惑! 補助金にも安倍首相が介入か
下町ボブスレーオフィシャルブログより
「下町ボブスレー」のソリが平昌五輪でジャマイカ代表に不採用を宣告されたことで起きたジャマイカバッシング。プロジェクトの運営主体である「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会」が会見を開き、五輪で下町ボブスレーを採用しないのであればジャマイカ側に損害賠償6800万円を請求する姿勢を見せると、ネットやメディアはこれに同調し、「下町の町工場の人たちの義理人情をジャマイカは踏みにじった」「ジャマイカの人たちが下町ボブスレーの下町工場の人たちがつくったこのソリの重みとか意味とかをどれだけわかっているのか」と一斉にバッシングを繰り広げたのだ。
本サイトは先日の記事で、下町ボブスレー側の損害賠償請求の動きを批判し、下町ボブスレーが「下町の町工場の心意気」だけで運営されているプロジェクトでなく、安倍政権が全面的にバックアップしていたと指摘。下町ボブスレーをもちあげ、いま、ジャマイカバッシングの急先鋒になっているのも、安倍応援団の保守メディアやネトウヨであると断じた。
しかし、問題はそれどころではなかった。ここにきて、この下町ボブスレーの運営組織がネトウヨ丸出しのヘイトを繰り返していた事実、さらには、プロジェクト自体に、モリカケとそっくりなアベ友疑惑が浮上したのだ。
まず、ヘイトの問題。前述したように、下町ボブスレーは大田区の有志の企業でつくった「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会」なる団体が運営しているのだが、この団体が公式ツイッターで口汚い中国、韓国ヘイトを投稿していたことが、ネット上で暴かれ、批判を集めている。
また、そのなかには、自分たちが参加をもくろんでいた平昌五輪への攻撃も多数含まれていた。
たとえば、2014年3月にはなんと、あの保守速報の「韓国・平昌五輪からスキーがグラススキーに変更」というデマをRTして、「四年後、韓国開催大丈夫なのでしょうか、、、?」などと攻撃。また、2016年1月には、やはり嫌韓ブログ「カイカイ反応通信」の平昌オリンピックに向け建設中の橋が崩落したニュースを報じた記事をうれしそうに取り上げ、「観戦も命がけかも、、、、」とからかっていた。
こんな差別体質の組織のソリがオリンピックに参加していたらと思うと、空恐ろしくなるが、この下町ボブスレーにはヘイト極右勢力につきものの疑惑も浮上した。それは安倍政権による便宜供与疑惑だ。
安倍首相が国会で宣伝、補助金交付、外務省がジャマイカに売り込み
先日の記事でも指摘したように、下町ボブスレーは「下町の工場が義理人情でいつの間にか注目された」というようなピュアな話ではなく、安倍政権が異常なまでに肩入れをし、全面的にバックアップしたものだ。
大田区の企業経営者ら産業振興目的でこのプロジェクトを立ち上げたのは、2011年。当時はほとんどスポンサーも付いておらず、ここまで大きな話題になっていなかった。ところが、2013年2月、安倍首相が政権に返り咲いて最初の国会の施政方針演説で、いきなりこの下町ボブスレーのことを紹介する。
「小さな町工場からフェラーリやBMWに果敢に挑戦している皆さんがいます。自動車ではありません。東京都大田区の中小企業を経営する細貝さんは仲間とともにボブスレー競技用ソリの国産化プロジェクトを立ち上げました。世界最速のマシンをつくりたい。30社を超える町工場がこれまで培ってきたものづくりの力を結集して、来年のソチ五輪を目指し、世界に挑んでいます。高い技術と意欲をもつ中小企業、小規模事業者の挑戦を応援します」
すると、それまではひかりTVくらいしかいなかった大手スポンサーに、ANA、伊藤忠商事、東芝など、名だたる企業が名乗りをあげ、NHKでのドラマ化も決定。マスコミの取材が殺到するようになる。
さらに、2013年6月30日、自民党が開いて中小企業小規模事業者政策緊急フォーラムなる会合には、下町ボブスレーのソリの現物が会場に運び込まれ、安倍首相が乗り込むパフォーマンスを披露。この様子も多くのメディアに紹介され、右派系の「教育出版」の小学校道徳教科書にはその写真が掲載された。
下町ボブスレーにとっては、大宣伝になったわけだが、安倍政権は宣伝に協力しただけではない。施政方針演説の数カ月後の同年6月、政府は、このプロジェクトに直接、資金を投入することを決めた。経済産業省が下町ボブスレーを「JAPANブランド育成支援事業」に採択し、以後3年間にわたって、上限2000万円の補助金を交付し続けたのだ。
実は、ジャマイカのボブスレーチームに採用されたのも、「感動的な出会い」などではなく、安倍政権のブッシュによるものだった。下町ボブスレーは、「世界一をめざす」などと言いながら、肝心の成績が伸びず、2015年、ソチ五輪に続いて平昌五輪でも日本のボブスレー連盟から採用見送りを通告されてしまう。
すると、外務省が下町ボブスレー推進委員会にかわって、海外への売り込みをはじめたのだ。その売り込みに応じた唯一の国がジャマイカだったというわけだが、外務省の公式サイトにはいまも、自分たちの熱心な売り込みぶりを紹介するコラムが掲載されている。
「職人達の熱い雄志は日本の外交官にも受け継がれました。2015年12月、在ジャマイカ日本国大使館小山裕基参事官は、ジャマイカボブスレー連盟の会長が海外出張する前日の午後に家族とカフェで休んでいるところに飛び入り参加し、ボブスレーの話を切り出しました。先方はとても快く応じ、日本製のボブスレーの採用に非常に前向きな姿勢を示しました。」
「安倍総理に最も影響力がある」と紹介された下町ボブスレー責任者
外交官がボブスレー連盟会長のプライベートにまで押しかけるほどの必死の売り込み。こうした安倍政権のプッシュの背景には、どうやら、安倍首相と下町ボブスレーを牛耳る人物との特別な関係があるようだ。
この人物とは、施政方針演説にも名前が登場する下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会のゼネラルマネージャー・細貝淳一氏。細貝氏は大田区で防衛機器、OA機器向けの金属材料販売加工を行う会社を経営しているが、大田区職員とともに下町ボブスレーを立ち上げ、以来、スポンサー集めから運営までを取り仕切ってきた。
その細貝氏は2013年6月、大田区を選挙区とする自民党の平将明衆院議員とともに自民党のネット番組「cafesta」に出演しているのだが、その冒頭、平氏からこんなツッコミを受けていた。
「細貝さんと言えば、今、『安倍総理に最も影響力がある中小企業の社長』と言われていますけども、前からお付き合いあったんですか、安倍さんとは」
これに対して、“安倍首相に最も影響力がある”ことを否定するふうでもなく、「経営者の会で、3年くらい前ですかね。いろんな勉強をしているところに」とサラリと答える細貝氏。
細貝氏と安倍首相はかなり親しく、細貝氏が経営する六本木のギリシャ料理店にも顔を出しているというが、それはともかく、平議員は続いて、安倍首相と細貝氏のこんな驚くべきエピソードを開陳したのだった。
「安倍政権ができて、茂木さんが経済産業大臣になって、私が政務官になって、大田区で中小企業の皆さんを集めて、総理、茂木大臣、私も入って意見交換した時にですね、細貝さんが『ものづくりの補助金とか様々な政府の政策は申請資料が多すぎる!』って安倍さんに言ったら、安倍さんから茂木さんに降りてきて、茂木さんから私に降りてきて、結局は私がやることになったんですけど(笑) でも、結果としてね、書類は半分くらいにしましたけども(笑い)。いや〜あれ、強烈でしたね。細貝さんの一言で」
経産省の補助金めぐり安倍首相が下町ボブスレーの意を受けて指示
たしかに、この「cafesta」の4カ月前の2月27日、安倍首相は大田区の下町ボブスレー委員会委員長の経営する精密機器会社で細貝氏に会っており、下町ボブスレーについての売り込みを受けていた。安倍首相はその際、「実はね、前から私(細貝さんのこと)知ってるの。知らないでテレビ見てたら、細貝さん出てきてビックリしちゃって……」と周囲に嬉しそうに話す一幕もあった。
そして、この翌日、安倍首相は先に述べたように、施政方針演説で下町ボブスレーについて語り、以後、下町ボブスレーを取り巻く環境は一変するのだ。
当の細貝氏もクラウドファウンディングのサイト「zenmono」で、安倍効果についてこう語っている。
「ここで安倍晋三さんが大ヒットを飛ばしてくれる」
「総理になられた時、施政方針演説ってあるじゃないですか。あそこで大田区の企業が下町ボブスレーというプロジェクトで世界を目指していると。」
「下町ボブスレーに対して信用がついて、そこでスポンサーがドドドドッと。だから後付けなんだよ、もう全部。先に走っちゃうから、金使うこと前提。あとは奇跡がボンボンボンって。」
まるで森友学園・籠池理事長の「神風が吹いた」を思い出させる発言だが、実際、森友・加計疑惑と全く同じように、安倍首相の鶴の一声、施政方針演説をきっかけに、日本政府全体が一斉に下町ボブスレー支援に動いたのは間違いない。
さらに、注目すべきは、先のcafestaで平議員が語った、“細貝さんが安倍さんに『補助金の申請書類が多すぎる』と言ったら、安倍さんから茂木さんに話が降りてきて、茂木さんから私に話が降りきて、申請書類を半分にした”というエピソードだ。
これ、時期的に見ても、下町ボブスレーが上限2000万円の補助金を2013年から3年間受けた経産省中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」の申請をにらんでの要望だったと考えられる。
ようするに、安倍首相は、オトモダチの要望に応じて、補助金の申請書類が少なく済むように役所に圧力をかけさせたということではないか。
いや、安倍首相の圧力はたんに申請書類の分量だけでなく、採択そのものにも影響を与えた可能性がある。申請書類をめぐる動きで、安倍首相がどんなプロジェクトに補助金を出したがっているかは当然、役所に伝わり、そうなれば、官僚が忖度して動くのは火を見るより明らかだからだ。
まさに何から何までモリカケとそっくりな展開になってきた下町ボブスレー問題。政府が全面協力しながらラトビアの町工場に技術力で負けてしまった責任やその敗北を認めずに損害賠償をちらつかせる姿勢、オリンピックに参加しようというプロジェクト運営者がヘイトを繰り返していたという事実は、それだけで言語道断であり非難に値するが、この問題にはもっと深い闇がある。
いったいどういう経緯で、政府が一プロジェクトにここまで肩入れし、国民の血税をつぎ込むに至ったのか。それこそモリカケ並みの徹底追及が必要だろう。
(編集部)
最終更新:2018.02.13 07:24
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