韓流・ジャニーズよりモテ力は上!人間よりくまモンに熱狂するファン心理

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【サイゾーウーマン初出】(2014年3月)

 テレビに出ずっぱりのふなっしーを筆頭に、今年もまだまだ継続中のゆるキャラブーム。このブームの立役者といえば、熊本県のPRキャラクター・くまモンだろう。3月10日に熊本県が発表した2013年のくまモンを使用した商品の売上高は、前年比1.5倍の449億4,500万円だといい、安定した人気を誇っている。

 だが、気になるのは、くまモンのファン層。以前、「女性自身」(光文社)でも、くまモンにエルメスのバッグにサインをしてとねだる、41歳独身の熱烈なくまモンの追っかけ女性が紹介されていたが、若い女性に人気のふなっしーとは対照的に、くまモンファンには40代以上が多いらしい。

 なぜ、くまモンは彼女たちをトリコにするのか? その謎を解く本が、先日出版された。タイトルもズバリ『くまモン力 人を惹きつける愛と魅力の秘密』(イースト・プレス)。著者の亀山早苗氏は、熱烈なくまモンの追っかけであるだけでなく、これまでに『夫の不倫で苦しむ妻たち』『不倫の恋で苦しむ女たち』(ともに新潮社)や、『セックスレス そのとき女は』(中央公論新社)といった"生々しい男女の関係"を数多くテーマに選んできたライターだ。どうして男女の機微を知り尽くした女性が、今くまモンにハマるのか。その実態を本書から探ってみたい。

 そもそも「キャラクターものに心惹かれたことは、一度もなかった」という著者だが、くまモンは「まさに一目惚れ」。くまモンに会うと「ぎゃあ、くまモン」と叫んでしまい、「そして、状況が許せば飛びついてハグする」のだという。この"お触りOK"というのが、ゆるキャラの大きなポイント。ジャニタレやAKB48のメンバーにハグすれば、すぐさま出禁になりそうだが、ゆるキャラにはそういった心配もない。

 だが、お触りならばほかのゆるキャラだって許されている行為。くまモンが特別なのは、そのサービス精神だ。例えば、著者が挙げるくまモンの"いちばんかわいいポーズ"は、「口を両手に当てる仕草」。しかし、これをただ繰り出しているわけではない。熊本まで追っかけた時に「東京から、くまモンに会いに来たのよ」と言えば、くまモンのリアクションは"後ろにのけぞるポーズをとってからの「口に両手」"。そうして驚いて見せた後で、親愛のハグへと続くのだ。

 また、「くまモン、もっとかわいいかっこして」とリクエストした際は、口に手を当てる鉄板ポーズに加え、大きく体を横に傾けてお尻をプリプリしながら後ろ向きに近づいてきたという。無茶ぶりへも臨機応変に対応するこの姿勢は、ゆるキャラ界のAKB48・大島優子といった感じだろうか。

 加えて驚きなのが、くまモンは「しょっちゅう顔を見て知っている人には、顔を撫でたり頬を両手で挟んだりする」ということ。"認知アピール"も怠らないとは、さすがファンの心をくすぐるプロ。もちろん、くまモンにハグをすれば、心地よい毛並みに「ほっこり安心」してしまう。──心を掴まれるだけでなく、肉体的にもすごくイイとくれば、人気が出るのも必然である。

 こうした手厚い心と肉体的なスキンシップのせいか、ファンはくまモンに会った後、「今日はくまモンとゆっくりしゃべれた」と感じることがあるという(ご存じの通り、くまモンはふなっしーのようにしゃべることはないのだが)。そして、「実際にナマのくまモンに会うと、癒やされるより先に、興奮してしまう」「もっとくまモンに触れたい、もっとしゃべりたい、この人は何を考えているのだろう、という恋愛初期にも似た感情がわき起こる」というのだ。

 しかし、くまモンの最大の武器は、"性的な存在ではない"ということだろう。著者はくまモンを「男の子でもあり、女の子でもあり、おにいさんでもおねえさんでもあり、おじさんでもおばさんでもある」と表しているが、性的な存在でない分、結婚発表や熱愛発覚、浮気といったスキャンダルに胸を痛めることもない。ただ、恋に似た興奮やときめきを与えてくれる熊の人……。恋愛や結婚生活のままならなさ、無情が骨身に染みている女性こそ、人智を越えたくまモンの存在に惹かれるのかもしれない。実際、著者がイベントで知り合った追っかけの50歳女性は、「韓流スターや実在の芸能人とも違う。まったく見返りを求めずに、ただ会いたいから会いにくる」と話す。見返りを求めない愛──まさに奇跡の純愛である。

 さらに本書には、くまモンのファンになって更年期症状が消えたという女性まで登場。ふなっしーが独走しているように見えるゆるキャラ界だが、くまモンは地道にマーケットの開拓を続けているようだ。

 ちなみに気になるのは、くまモンブームが一過性で終わらないかどうか。話題性という意味で手っ取り早いのは、ミッキーマウスにおけるミニーマウスや、キティちゃんにおける家族をつくってしまうことのようにも思えるが、著者は「くまモンの妹やら恋人やらを見る気はしない」とキッパリ。「企業として儲ける必要がないのだから、むしろ、ずっと孤高の人であってもらいたい」のだそう。着ぐるみだろうがアイドルだろうが、ファン心理とは難しいものである。
(文=編集部)

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