影山はなぜ"王様"になった?『ハイキュー!!』の知られざる秘密

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『ハイキュー!!』の秘密(データ・ハウス)

【おたぽる初出】(2014年6月)

 現在アニメも放送中で、Vリーグともコラボするなどバレーボール業界からも注目を集めている「週刊少年ジャンプ」連載中のマンガ『ハイキュー!!』(古舘春一/集英社)。アニメでは主人公の日向翔陽をはじめ、烏野高校バレー部のメンバーやコーチもようやく揃い、ますます盛り上がりを見せている。しかし、もしも日向の身長が高かったら、彼はバレーをやっていなかったかもしれないのだ。そういった考察を紹介している『ハイキュー!!の秘密』(「ハイキュー!!」研究会/データ・ハウス)から、キャラクターの魅力や人気の秘訣について探ってみよう。

 主人公の日向は、身長162.8センチという小柄な体型で、エーススパイカーを目指す少年だ。そんな彼がバレーを始めたきっかけは、小学生の時に春高バレーで活躍していた「小さな巨人」を見て感動したから。身長190センチ近い選手たちのなかで、170センチというバレーにおいては小柄な体型の「小さな巨人」が、その身体で飛び回って活躍する姿を見て「こんな風になれたらカッコ良いなとおもった」というのだ。

 でも、もしも日向が小柄でなかったら、特別「小さな巨人」に惹かれ、憧れることもなかっただろう。実際、「小さな巨人」の知名度はそれほど高くはなかったらしく、日向が通っていた隣町の中学校の教師は全く知らなかった。つまり、「小さな巨人」はあくまで日向にとってのヒーローであり、日向が小さくなければそれほどまでに彼に惹きつけられることはなかったはずなのだ。しかし、「小さな巨人」のおかげで、日向という逸材がバレーを始めることになったのだから、今となってはみんなにとってもヒーローなのかもしれない。

 また、もう1人の主人公とも呼べる1年生セッターの影山飛雄は、誰もが認めるほどの圧倒的なセンスを持つプレイヤーである。ただ、それゆえにスパイカーの打ちやすいトスを上げるのではなく、「自分のトスを打てるスパイカー」を求めたため、中学時代には「コート上の王様」というありがたくないあだ名がつけられてしまった。

 しかし、彼の言動を検証すると、そうなってしまった理由も見えてくる。影山といえば、口が悪く、いつも一言多いキャラでもある。高校で日向と再会した際にも「お前のことはよく覚えてる」「クソ下手くそな奴!!」と言っていたし、初の練習試合で緊張している日向に、「お前が機能しなきゃ他の攻撃も総崩れになると思え」と言っていた。しかし、自分が日向にプレッシャーをかけたのに、キャプテンから注意されても、テンパった日向を見てもまったくピンと来ていなかった。ここからわかるように、彼には余計な一言を言っている自覚がなかったのだ。

 つまり、影山は「自分が他者からどう思われているか」を把握する能力が欠けているということ。その一言がどう受け止められるかを考えないのと同じように、そのトスを上げられたことによって、スパイカーがどのように感じるかなんて考えもしていないのだ。そう考えると、影山が「王様」と呼ばれるようになってしまったのも、仕方がないことに思えてくる。

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