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佐世保女子高生殺害は防げた! 動物虐待は凶悪犯罪の予兆との研究

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『動物と子どもの関係学─発達心理からみた動物の意味』(ビイングネットプレス)

 佐世保の15歳女子高生殺害事件は、同級生による殺人という以上の衝撃を社会に与えた。被害者は殺害されただけでなく、左手首と頭部が切断され、腹部が大きく切り開かれていた。そして、加害者の女子生徒は「人を殺してみたかった」「(殺害は)誰でもよかった」「遺体を解体してみたかった」と供述、事件は一気に猟奇的な様相も呈している。

 女子生徒は小学時代から給食に異物を混入させるなど問題行動を起こしていたというが、中でも注目すべきは女子生徒が小動物の解剖を繰り返すなど動物への虐待をしていたことだ。

 若年層の凶悪犯罪と動物虐待の関連はこれまでにも度々指摘されてきた。例えば連続女児殺害事件の宮崎勤、神戸連続女児殺害の酒鬼薔薇聖斗、奈良市小一女児殺害事件、附属池田小学校無差別殺傷事件の犯人にも動物虐待の過去が指摘されていた。

 幼少期の動物虐待は凶悪犯罪を犯す予兆ではないのか──。この分野の研究先進国である米国では犯罪統計、心理学など様々なアプローチから、動物虐待と犯罪との関連の研究が進められてきた。例えば小児発達学の専門家であるゲイル・F・メイスンの『動物と子どもの関係学─発達心理からみた動物の意味』(ビイングネットプレス)には、少年犯罪と動物虐待の関連事例や分析が記されている。

 1997年に高校2年生の男子が母親を刺し殺した。その後、猟銃を乱射しクラスメイト2人を殺害した。男子は事件以前、犬を拷問で惨殺した過去があった。「イヌを棍棒で殴り、ライターのオイルを浴びせたゴミ袋にくるみ、火をつけたあげく、池に放り込んだ」。

 98年には両親を撃ち殺し、同じく学校で乱射事件を起こした15歳の少年も同様だ。「(彼は)怒れる『扱いにくい』子どもであり、いかに動物を拷問するかについて、度々自慢していた」。

 こうした事件と動物虐待の関連性は、体系的な研究によって裏付けもされつつあるという。

「深刻で意図的な動物虐待は、行為障害における、もっとも早期に──たいてい七歳以前に──出現する徴候のひとつである、行為障害とは、高い衝動性・暴力・他者の感情に無関心などの徴候を持つ」

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