『報道ステーション』から安倍政権批判が消えた理由! 杉田水脈問題も赤坂自民亭もスルーする異常事態

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
『報道ステーション』から政権批判が消えた理由! 杉田水脈問題も赤坂自民亭もスルーする異常事態の画像1
政権批判をしなくなった『報ステ』に一体なにが!?

 最近、『報道ステーション』(テレビ朝日)がヘンだ──。そんな声が視聴者の間で巻き起こっている。『報ステ』といえば、忖度体質が支配するテレビ報道のなかで、安倍政権をきちんと批判ができる数少ない番組として支持を受けてきた番組。ところが、今月7月を境に、この番組から肝心の安倍政権批判が極端に少なくなってしまったのだ。

 典型が、いま大きな問題になっている杉田水脈のLGBT差別発言。テレビ各局の動きはもともと鈍かったが、それでも24日にTBSの『NEWS23』が取り上げたのを皮切りに、25日以降はフジテレビや日本テレビの番組ですらこの問題を批判的に取り上げ、同じテレ朝の『羽鳥慎一モーニングショー』も遅ればせではあるが26日にこの問題を取り上げた。

 ところが、『報ステ』はいまにいたるまでこの問題を取り上げていない。26日夜には公明党・山口那津男代表までが「いかがなものか」と批判コメントを出したが、そのことすら『報ステ』は一切取り上げなかった。自民党本部前で大規模な抗議デモが行われた27日にはさすがにやるだろうと思ったが、やはり完全スルーだった。 

 しかも、この異変は杉田水脈のLGBT差別発言だけではない。じつは「赤坂自民亭」問題でも対応は同じだった。当初、テレビの報道はほとんどが沈黙していたが、」キー局では10日になって『あさチャン!』『Nスタ』『NEWS23』といったTBSの番組が取り上げるようになり、他局のニュース番組やワイドショーにも広がっていった。

 だが、なぜか『報ステ』だけは頑なに「赤坂自民亭」問題を取り上げることはなく、1週間後の17日になってようやく紹介。それは、安倍首相が同日の参院内閣委員会に出席し、国会という公の場ではじめてこの問題について追及され、「いかなる事態にも対応できる万全の態勢で対応にあたってきた」と答弁したタイミングだった。

 別に安倍首相の公式コメントを待たずとも、初動の遅れを指摘する報道はできる。しかも、『報ステ』と同じテレ朝では、11日には『羽鳥慎一モーニングショー』でも「赤坂自民亭」問題を紹介していたし、さらに『報ステ』レギュラーコメンテーターの後藤謙次は10日付けの静岡新聞で『求められる「真摯な姿勢」』と題して「赤坂自民亭」問題を取り上げていた。つまり、『報ステ』は意図的にこの話題をピックアップしなかったのだ。

 ほかにも『報ステ』が政権批判を鈍らせたケースは枚挙にいとまがない。たとえば、朝日新聞が17日にスクープした、自民党・古屋圭司議員の事務所が政治資金収支報告書にパーティ券収入を過少記載していた問題。『NEWS23』や日本テレビ『NEWS ZERO』といった夜のニュース番組はその日のうちにこの疑惑を取り上げたが、『報ステ』は無視。翌18日に国会の動きを紹介するなかで取り上げるにとどまった。

 さらに、カジノ法案が参院本会議で強行採決された20日の放送では、コメンテーターとして出演したハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏が「(今国会は)野党の追及が甘くて、なかなか議論が盛り上がらなかった」「インターネット上や20代の若者を取材していると、野党のみなさんが批判をすることにすごいアレルギーがある」などと語り、安倍政権の傲慢な国会運営には一切ふれることなく、問題点を野党批判にすり替えてまとめてしまったのだ。

 そして、このように政権批判につながる問題が影を潜める一方で『報ステ』が熱を入れて取り上げてきたのが、東京五輪やスポーツの話題だ。

政権批判に変わって、トップニュースは五輪、高校野球、プロ野球

 カジノ法案が参院予算委員会で強行採決された19日、『報ステ』は東京五輪の競技日程が決まったことを巨大なボードを用意してトップニュースとして報じ、富川悠太キャスターも「ワクワクしてくるでしょ? あと2年もあるのに!」と大はしゃぎ。懸念されている暑さ問題などについてもVTRで取り上げたが、それを受けてのスタジオでは一転、日本のメダル獲得が期待されている競技を事細かに紹介するという気の早さで、暑さ対策については最後にコメンテーターの後藤謙次が触れた程度で終了。時間にして約16分、東京五輪の話題に費やしたのだ。

 しかも、『報ステ』は24日も、またしても東京五輪の話題からスタート。「オリンピックまで2年」と題し、この日各地でおこなわれたカウントダウンイベントを紹介。スタジオでは五輪観戦のためのチケット入手方法をボードを使って解説し、「公式サイトへのID登録は10〜15分程度」「いま登録しておけば、事前に会場を視察できるツアーに応募できる」「登録するとおトク情報が送られてくる」などと説明するという懇切丁寧なもので、組織委員会か東京都の広報番組かと見紛うほど。とてもじゃないが報道番組とは思えない、いやワイドショーでもここまではやらないというレベルだった。この話題にかけた時間は、なんと約20分だ。

 カジノ法案の強行採決よりも東京五輪。その上、さんざん問題視されている暑さ問題も掘り下げもせず、東京五輪に向けた気運を高めることしか眼中にないような構成──。視聴者のほうが「あと2年もあるのに!」とツッコミたくなるほどの入れ込みようだった。

 さらに、25日の放送も異常だった。前述したように、この日は杉田水脈議員の問題が他局では報じられていたが、『報ステ』がトップで伝えたのは、夏の県大会で2年前まで10年連続初戦敗退だった三重県の白山高校が甲子園初出場を決めたというもの。その後も「涼しい町」として北海道釧路市から中継するというワイドショー的展開で進行。さらに国家戦略特区ではじまったオンライン診療をPRのように紹介する始末だった。

 そして、27日はなんと、トップが読売ジャイアンツ・山口俊選手のノーヒットノーラン。こんな程度のトピックを『報ステ』がトップで伝えるなんてこれまで記憶にない。政権批判をやめてしまったばかりか、『報ステ』はほとんどスポーツニュースと化してしまったのである。

原因は7月のプロデューサー交代、安倍首相べったりの早河会長の差し金か

 もちろん、この異変には理由があった。じつは今年7月から、『報ステ』のチーフプロデューサーが代わったのだ。

 新たにチーフプロデューサーに就任したのは、桐永洋氏。直前までは『グッド!モーニング』のチーフプロデューサーを務め、激戦区である朝の時間帯に視聴率を押し上げた立役者なのだという。しかし、この人事の裏には、政権批判潰しがあったのではないかといわれている。

「『報ステ』のチーフPといえば番組内から昇格することが多かったのに、今回は他番組からの抜擢。これは桐永さんが『グッド!モーニング』の数字を上げた功労賞というだけでなく、安倍政権に近い早河洋会長が、政権の意向を忖度して、批判色を弱めようとしたということでしょう。桐永さんは編成局の経験もあり、上層部のおぼえめでたい人物。早河会長の子飼いという指摘も一部にはあります」(テレビ朝日編成局関係者)

 これまで何度も指摘してきたように、テレ朝の早河会長は2013年より幻冬舎の見城徹社長の仲介をきっかけに安倍首相と会食を繰り返すようになり、それ以降、『報ステ』の安倍政権・原発批判路線からの転換を迫ってきたといわれている。実際、2014年におこなわれた『報ステ』10周年パーティでは、当時キャスターだった古舘伊知郎が「早河社長から好きなようにやってくれ。何の制約もないからと言われて始めたんですが、いざスタートしてみると制約だらけ。今では原発の“ゲ”も言えない」と挨拶で愚痴った。

 さらに、2015年に『報ステ』でコメンテーターを務めていた古賀茂明が「I am not ABE」発言をおこなって官邸が激怒した際には、早河会長の主導により古賀の降板と当時のチーフプロデューサーが更迭されるという事件も起こった。古舘の番組降板も、早河会長と安倍首相の関係が大きく影響を与えたことは間違いない。

露骨な政権批判報道潰しに永田町でも「官邸の意向か」の声が

 つまり、今回、桐永チーフプロデューサーの番組外からの抜擢は、こうした早河会長の安倍政権批判潰しの延長線上で起きたというのだ。『報ステ』が五輪押しで、スポーツニュースと化していることは前述したが、これも早河会長の意向ではないかといわれている。前出のテレビ朝日社員がこう話す。

「早河会長は、サッカー日本代表、世界水泳、フィギュアスケートなど、スポーツ放映権を獲得してきたのが最大の自慢で、東京五輪にも入れ上げてますから、いまの『報ステ』の五輪&スポーツ路線も早河会長の趣味が反映されているんじゃないでしょうか」

 しかし、いくら会長の意向だとはいえ、ここまで露骨な政権批判放棄はありえないだろう。実際、『報ステ』の変化は、永田町でも話題になっている。

「他社の政治部記者や政治家の間でも『報ステは一体どうしちゃったんだ。政権の意向が働いているとしか思えない』という声が上がっていますね。政治の動きはほとんど取り上げないうえ、たまに取り上げても、VTRではほとんど批判しない。いまは、コメンテーターの後藤さんが政権批判を語ってかろうじてバランスをとっていますが、このままいくと『後藤さんも外されるのでは』という予測も流れています」(キー局政治部記者)

 言うまでもなくジャーナリズムの使命は権力を監視することにあり、権力を恐れて批判の手を緩めるなどということは、ジャーナリズムの死を意味する。大本営発表を垂れ流す番組が溢れかえるなか、『報ステ』もその仲間入りを果たしてしまうのか──。同番組の動向には、今後も注視していかなければならない。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル マンガ・アニメ ビジネス 社会 カルチャー くらし 教養

『報道ステーション』から安倍政権批判が消えた理由! 杉田水脈問題も赤坂自民亭もスルーする異常事態のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。テレビ朝日報道ステーション安倍晋三早河洋杉田水脈編集部赤坂自民亭の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 綾瀬はるかが戦時化の性犯罪をレポート
2 杉田水脈がLGBT差別にほっかむりで極右集会に
3 終戦の日の自民党声明から「民主主義、基本的人権」が消えた
4 文科省が大学に「五輪中は授業やるな」と学徒動員
5 NHKの戦争特集に和田政宗が圧力
6 『報道特集』が報じた日本軍の証拠隠滅の実態
7 黒柳徹子が琉球新報に平和メッセージ
8 安倍昭恵完全復活! 支持者会合に首相と登場
9 創価学会が靖国神社「みたままつり」に提灯奉納!
10 宮崎駿も鶴瓶も安倍政権にNO!
11 安倍「臨時国会に改憲案」の醜悪な裏
12 安倍への忖度?山口県警が安倍系建設会社の捜査握り潰し 
13 安室奈美恵の翁長知事追悼にネトウヨが「反日」攻撃!
14 安倍が選挙妨害を依頼した男と密室謀議
15 ネトウヨ局アナがテレ朝のお昼の顔に
16 宮崎駿が『永遠の0』を酷評
17 ディズニーランドでキャストがパワハラ提訴
18 北朝鮮の日本人拘束事件で政府が報道管制
19 『報ステ』チーフPは安倍応援団とお友達か
20 自民党・原田が南京虐殺は捏造と断言
1 久米宏が電通タブーに踏み込む激烈な五輪批判
2 広島原爆の日に安倍首相が卑劣な詐欺行為
3 山本太郎と久米宏が安倍政権、原発タブー、杉田水脈を斬る
4 翁長知事は最後まで安倍政権のいじめと闘い続けた
5 安室奈美恵の翁長知事追悼にネトウヨが「反日」攻撃!
6 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
7 終戦の日の自民党声明から「民主主義、基本的人権」が消えた
8 ネトウヨ局アナがテレ朝のお昼の顔に
9 NHKの戦争特集に和田政宗が圧力
10 安倍自民党が佐川宣寿の偽証罪告発潰し
11 創価学会が靖国神社「みたままつり」に提灯奉納!
12 安倍が杉田水脈問題に「なんで騒いでるの」
13 安倍「臨時国会に改憲案」の醜悪な裏
14 安倍昭恵完全復活! 支持者会合に首相と登場
15 『報道特集』が報じた日本軍の証拠隠滅の実態
16 安倍の態度には長崎の被爆者代表が激怒「毎年一緒」
17 綾瀬はるかが戦時化の性犯罪をレポート
18 安倍首相が津川雅彦に特別扱い追悼会見
19 北朝鮮の日本人拘束事件で政府が報道管制
20 障害者が戦争中の過酷な差別を告白!

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄