第一子誕生のりゅうちぇるが語っていたキラキラネーム批判への反論!「リンク」の名に込めた反差別・多様性への思い

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インスタでも出産を報告したりゅうちぇる

 タレントのぺこ・りゅうちぇる夫妻の第一子となる男児が無事に生まれた。

 まだ名前などは発表されていないが、ふたりは男の子が生まれたら名前を「リンク」とすると出産前に公言していた。実は、この名前に批判の声が多くあがっていた。いわゆる「キラキラネーム」批判である。ツイッター上には〈正直子供がかわいそう。まさに親のエゴ〉や〈仕事の関係で最近のキラキラネーム色々見るけどホント止めてやって欲しい どんな願いがあるのか知らんが珍名って人生の難易度が何段階か上がるんだよ〉といった文章が多数投稿されている。

 それらの声はふたりのもとにも届いていた。りゅうちぇるは、今年5月に行われた第1回ベストウェディングアワードの授賞式で「インスタとかで『本当に子どものことを考えているならもっと真面目な名前にしてください』とか」(ウェブサイト「eltha」より)と発言している。

 どんな名前が「一般的」かなどという基準は時代によって変わるし、単に「珍しい」からといってバカにしたり非難したりするのはおかしい。「難読」などという批判も、批判しているほうこそ教養や知識がないケースだって少なくない。そもそも、りゅうちぇるの父方の祖父はスペイン系アメリカ人なのだから、ルーツを考えてもアメリカ的な名前をつけてもまったくおかしくはない。こういった背景をいっさい考慮せず安易に叩くのは、自分たちとは違う文化の多様性を完全に無視したものであり、看過できる傾向ではない。

 そして、「本当に子どものことを考えているならもっと真面目な名前にしてください」などというのも、とんでもないお門違いな文句である。ぺこ・りゅうちぇる夫妻が子どもに「リンク」という名前をつけようと考えたのには確固とした理由がある。

「僕たちが大好きなミュージカル映画『ヘアスプレー』の役名からとったのですが、リンクっていう男の子は人の中身を見て人を愛せる子。そういう人になってほしい」(前掲「eltha」より)

 映画『ヘアスプレー』は2007年に公開されたミュージカル映画。「リンク」の由来となったリンク・ラーキン(ザック・エフロン)は、主人公トレイシー・ターンブラッド(ニッキー・ブロンスキー)の恋人役となるキャラだ。

 映画の舞台は、黒人差別が色濃く残る1962年のメリーランド州ボルチモア。トレイシーは地元で人気のテレビ番組『コーニー・コリンズ・ショー』に出演して看板ダンサーであるリンクとともに踊ることを夢見ていた。

 ぽっちゃり体型であるトレイシーは、そのスタイルゆえに『コーニー・コリンズ・ショー』出演をかけたオーディションで番組プロデューサーのベルマ・フォン・タッスル(ミシェル・ファイファー)からひどいことを言われたうえ落選してしまう。しかし、ひょんなきっかけで番組司会者のコーニー・コリンズ(ジェームズ・マースデン)に気に入られて番組レギュラーの座を獲得する。

『コーニー・コリンズ・ショー』には、月に一度「Negro Day」という黒人ダンサーのみが出演する日がある。逆にいうと、この日以外は黒人の出演は許されていない。つまり、白人と黒人が一緒にダンスする姿を放送することは認められていないのだ。プロデューサーのベルマは人種差別的な考えを強くもつ人で、彼女の意向により「Negro Day」すら廃止されることが決まる。そのことを聞いたトレイシーは、番組の黒人ダンサーらとともにデモに参加することを決意し、番組からの差別撤廃を求めた戦いに向かうのであった。

「リンク」の由来は「体重や肌の色などの見た目で人を差別するのは止めよう」という思い

 あらすじを簡単に見ただけでもわかる通り、映画『ヘアスプレー』のテーマは一つ。「体重や肌の色などの見た目で人を差別するのは止めよう」というものだ。リンクはもともと差別的な人ではなかったが、それでも、黒人差別撤廃を求めたデモへの参加をトレイシーに誘われると、番組を降板させられる恐怖や、芸能エージェントの心証が悪くなることを恐れて、デモへの参加を断ってしまう。ただ、トレイシーの奮闘を見て、彼女への愛に気づき、差別撤廃への戦いに加わっていくキャラクターとして描かれる。

 リンクはトレイシーがぽっちゃり体型だからといって気にしたりはしないし、肌の色が黒かろうと白かろうと、そんなことは関係なく友だちになる。ぺこ・りゅうちぇる夫妻は、自分の子どもにはそんな人になってほしいという願いを込めて「リンク」という名前をつけると語ったのだ。

 しかも、りゅうちぇるは、「ちゃんと考えているから、キラキラネームじゃない」と釈明しているわけではない。りゅうちぇるはこのようにも語っている。

「人の名前でいじめるような子にリンクはしないし、僕たちも人の見た目や名前で人を判断する子には絶対しない。キラキラと言われても、リンクの中身を見て友達になって、愛してくれる子が現れるようにリンクを育てたい」(前掲「eltha」より)

 名前が少し人と違っているからといっただけで「キラキラネーム」だとバカにしたり、その名前の意味すら知らずに「真面目に考えろ」などと非難する“キラキラネーム攻撃”という行為じたいに異を唱えているのだ。

 実際のところ、キラキラネーム攻撃というのは、「常識ない」とか「子どもがかわいそう」とか「就職できない」とかもっともらしいことを言っているが、ようは多様性を否定し、異質なものを排除しようという同調圧力にほかならない。

こうした同調圧力に抗い、「多様性」や「個性」「自分らしさ」を大切にしたいというのは、りゅうちぇるが一貫してもっている確固たる信念そのものだ。その強い思いがよくわかるのが、2016年7月放送『爆笑!いいね動画シアター』(フジテレビ)内のドッキリ企画だ。

「ふつうの父親」像を押しつけられても、「かわいいパパ」でいると主張し続けるりゅうちぇる

 このドッキリの内容は、同じ事務所の先輩モデルから嫌いな牛乳をすすめられたり、メイクを説教されたりするというもの。飲めない牛乳を無理矢理すすめられても如才なく先輩を立てていたりゅうちぇるだったが、メイクについて「化粧してる男ってありえないんだよね」と説教された途端、それまでとは態度を一変させて敢然と反論したのだ。

 りゅうちぇるは「自分がいちばんよく見える方法として化粧を選んだり、男の子でもカラータイツをはいたりしている」と、先輩を気遣ってにこやかな表情ながらも、きっぱりと主張。さらに先輩モデルが「男らしくない。子どもができても、そういうパパでいるの? 子どもがかわいそう」などと批判を重ねると、りゅうちぇるはかなり熱い調子でこう語った。

「絶対かわいいパパでいる。人に何を言われても、自分がしっかりしていれば大丈夫」
「人に合わせないで自分の好き嫌いを表現できる子、しっかり自分をもった子に育てるので、お父さんがこうやって言われるのがイヤと思うなら『お父さんって思わなくてもいいよ』って言います。何か言われるのが恥ずかしいと思うような弱い子には絶対に育てない」
「ずっとそう言われて育ってきたので、こうやって言われるのは人生初めてのことじゃない。家族ができて子どもができても、偽りの自分に慣れたら人に何も教えられない」

こうしたりゅうちぇるの姿勢はいまも変わっていない。ぺこと結婚して以降、「パパになったらいまのメイクやファッションをやめるのか」などとしょっちゅう質問されているが、そのたびにりゅうちぇるは変わらず「かわいいパパでいる」と答えている。

 りゅちぇるは、社会一般が考えるスタンダードなイケメンや、男らしさ、夫、父親などというものに、まったく興味をもっていない。自分らしくあり続けること、異物であり続けることで、「ふつう」を押しつけ異物を排除しようという空気に、自身の身を呈して、抵抗している。

「リンク」という名前には、りゅうちぇるのその強い思いが込められているのだ。

 育児をしていくなかで、ますます「ふつうの父親」「ふつうの育児」を押し付けられ、「非常識」「子どもがかわいそう」などと非難されたり炎上したりする場面は増えるかもしれない。それでもりゅうちぇるには、変わることなくこれからも「多様性」と「自分らしさ」を強く主張し続けて欲しい。

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