地下鉄出口封鎖、通行阻止…官邸前デモの過剰警備がひどい! 拡大する抗議封じ込めのため官邸が警視庁に圧力か

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歩道に膨れあがるデモ参加者たちに対し、必死で鉄柵を押さえつける警官たち(3月30日撮影)。

 新たな事実が次々に発覚している森友文書改ざん問題。一昨日にはNHKのスクープにより、安倍首相が「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した3日後の昨年2月20日、財務省理財局の職員が森友学園に口裏合わせのために嘘の説明を求めていたことがわかったが、さらにその2日後である22日には、菅義偉官房長官が当時の佐川宣寿理財局長や総括審議官だった太田充・現理財局長らを官邸に呼び出し、説明をおこなわせていたこともわかった。

 もはや改ざんに官邸がかかわっていたことは明々白々だが、しかし、安倍官邸はあたかも佐川氏の証人喚問で疑惑は晴れたと言わんばかり。昨日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によれば、菅官房長官は佐川氏の証人喚問を観て「乗り切った」と語ったといい、一方、同日発売の「週刊新潮」(新潮社)では、改ざん問題の“主犯”と目されている今井尚哉首相秘書官が、財務省が改ざんを認めたすぐあと、記者たちに「俺が北朝鮮に行くぞ」「金英哲(統一戦線部長)が俺に会いたがっている」「ドーンといかないとな」などと日朝首脳会談の開催をしきりにリークしていたことを暴露している。

 国民の多くが佐川氏証人喚問に疑問を抱いているのに、それを「乗り切った」と言い張り、またも北朝鮮を森友報道の沈静化と政権浮揚のダシに使おうとする──。安倍官邸の腐り具合がよくわかるというものだが、無論、国民は黙って見ているわけではない。

 実際、現在金曜夜に官邸前でおこなわれている抗議デモには、森友文書改ざん問題の幕引きを許さない多くの人びとが詰めかけ、先週3月30日におこなわれたデモにはお笑い芸人・俳優の星田英利(元ほっしゃん。)も参加。ツイッターでは「#官邸前大集合」がトレンド1位となり、主催した「Stand For Truth」の発表によれば1万3000人が参加したという。

 だが、この市民による抗議の場でも、この国の民主主義の危機を証明する事態が起こっている。というのも、週を追うごとに警察による警備が異常さを増しているのだ。

警察官が「デモには一般の市民はこない」と暴言、参加者に背後から肘打ち

 たとえば、ここ最近の金曜夜、抗議活動がおこなわれている総理官邸前交差点にもっとも近い東京メトロ国会議事堂前駅では、改札を出た後、地上に出ようにも多くの出口を警察が封鎖しており、ひとつの出口からしか出られないような状態になっている。また、総理官邸前交差点へとつづく内閣府下交差点の歩道などは通行止めとなっており、溜池山王駅から官邸前に向かうにも警察が歩道を規制し参加者を迂回させるなどといった事例が発生している。

 しかし、さらに酷いのは、警官による歩道の規制、歩道と車道のあいだの鉄柵によるバリケードの設置だ。

 佐川氏証人喚問後、初となった同30日の抗議デモでは、国会議事堂前駅3・4番出口あたりの歩道で警官が隊列を組み、「これ以上、前(官邸前方向)へは行けない」と参加者の通行を阻止。それによって歩道には人が溢れかえり、いつ将棋倒しが起こってもおかしくはない状態となった。結局、警察官はそのエリアでの歩道上での隊列をやめたが、今度は車道に移りバリケードを強化。歩道はデモ参加者ですし詰めとなり、筆者が目撃したなかでは、体調の悪化を訴える年配者もいた。だが、それでも警察は鉄柵を外そうとはせず、そのためデモ参加者らが身体をもち上げて鉄柵を越えさせ、なんとか車道に駆け付けた救護班に看てもらうという措置がとられていた。

 しかも、じつはその前日の3月29日には、弁護士有志による「官邸前見守り弁護団」が警視庁に過剰警備の見直しを求める申し入れ書を提出しており、そこにはこんな実態も綴られていた。

〈通行規制のために歩道に上がった警察官が、抗議参加者の持つプラカードやカメラを手で払い除けたり、参加者の体に背後から肘打ちしたりするなどの暴力を振るっていることが参加者の多数の証言から明らかとなっている〉
〈警察官が参加した市民に対して「一般の人はデモには来ません」(つまり、デモに来ている人は一般人ではないということ)などと冷笑しながら言い放つなど、極めて侮辱的発言・態度を取るに至っている〉

 過剰警備を指摘されておきながら、翌30日は改善されるどころか悪化した警察官の警備姿勢。そもそも「安全」のために警備をおこなうのであれば、車の往来も少ない場所なのだから、将棋倒しの危険を回避するためにも車道を1車線でも開放すればいいだけの話。だが、むしろ警察は危険を増すような警備を敷き、デモ参加者に暴力を振るい、「一般人ではない」と暴言を放つというあるまじき態度をとっているのである。

 この状況を受け、「官邸前見守り弁護団」は昨日5日、記者会見を開き、それを複数のメディアが過剰警備について伝えた成果もあってか、今夜は駅出口の封鎖も解除されるなど警備はやや緩和されている。だが、これで安心とは言えない。機を見てさらに過剰警備を進める可能性があるからだ。

異常な警備は、デモ拡大を恐れた官邸が警視庁に圧力をかけた結果

 こうした過剰警備の背景にはもちろん、官邸の意向がある。安保法制時の国会前デモで車道に人が溢れた模様をマスコミが報道した際、官邸が激怒し、以降、警察は車道を完全封鎖するようになった。その後も、大規模なデモが起きるたびに、官邸から警察庁・警視庁への圧力が加えられ、警備はどんどん過剰になっていったのだ。

 森友文書改ざん問題が起きたあとも、警察官僚出身の杉田和博官房副長官あたりが改めて警備の強化を古巣に命じた可能性は極めて高い。安倍首相はこのところデモの拡大に過敏になっていたと言われており、それを忖度したのかもしれない。

 安倍首相が昨年の東京都議会選で、批判の声をあげた人びとに指を指しながら「こんな人たち」と言い放ったことは記憶に新しいが、安倍官邸は表現の自由に基づくデモという民主主義の根幹の権利まで潰しにかかっているのだ。

 しかも、東京都議会は市民のデモや抗議活動、ジャーナリストによる取材を取り締まることが可能になる迷惑防止条例改正案を可決・成立させた。施行は7月1日だが、警視庁はすでに勢いづいており、施行前からかなり強引な取り締まりを仕掛けてくる可能性もある。

 森友文書改ざん問題に、南スーダンPKOにつづくイラクPKOの日報隠蔽、働き方改革をめぐるデータ捏造に野村不動産の過労死自殺隠し、前川喜平・前文科次官の授業を実施した公立中学校への介入と圧力──。いま、この国の民主主義は安倍政権の強権政治によってズタボロにされ、瀕死の状態に追い込まれている。そのうえ、デモの権利まで奪われてしまったら、この国はそれこそ独裁国家と変わらなくなってしまう。

 だが、それでもきょうも官邸前には多くの人びとが詰めかけ、真相解明を求めている。今月14日(土)には、これまでで最大規模の抗議デモが国会前で予定されている。この国の民主主義を守るためには、圧力に抗して、もっともっと怒りの声をあげる動きを広げていくしかない。

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