安倍晋三

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安倍昭恵のFacebookより


 まったくどこまで無神経で、どこまで国民の感情を逆撫でするつもりなのか。財務省が公文書改ざんの事実を認めた翌日にあたる11日夜以降、昭恵夫人が信じられない行動に出ていた。

 11日夜、昭恵夫人のFacebookに「野党のバカげた質問ばかりで、旦那さんは毎日大変ですね。国会には、世間には先を読めない人間が多すぎますね」と投稿されたのだが、なんと昭恵夫人はこれに「いいね!」したというのだ。

 改ざん前文書に自分の名前が記され、それが削除されていたということは、すでに安倍首相が昭恵夫人に伝えていた可能性は高い。そもそも、森友問題の最重要人物は昭恵夫人であり、問題は公文書改ざんという国家的犯罪にまで発展。野党の追及はこれによって前提が崩れ、これまでの審議はすべて無駄になった。にもかかわらず、昭恵夫人は野党批判と夫をいたわる投稿に「いいね!」していたというのである。

 このような当事者意識のない人間を庇うために公文書が改ざんされ、先週には犠牲者まで出してしまったのかと思うと腹立たしくて仕方がない。しかも、今回の改ざん問題では、森友問題にいかに昭恵夫人が大きな役割を果たしてきたのか、これまでよりもさらにはっきりとしたのだ。

 そのことを追及したのは、本日放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)でのこと。同番組ではコメンテーターの玉川徹氏が、昭恵夫人の名前が削除されていた「特例承認の決裁文書」のなかの「これまでの経緯」という項目に注目。そして、これはたんに昭恵氏の名前が消えていただけではないとし、重要な指摘をおこなったのだ。

 まず、この「これまでの経緯」のなかに昭恵夫人の名前が出てくるのは2箇所。玉川氏は、そもそも当初は「そんなに乗り気じゃなかった」近畿財務局側が、昭恵夫人の名前が出てきたことで「急にアクセルが踏まれている」「(2度目に昭恵夫人の名前が出てくる部分で)またアクセルが踏まれている」と解読。「特例的なことが、いかに昭恵夫人の登場によっておこなわれたのかというストーリーが、このなかに書いてある」と述べた。

 実際はどうなのか。昨日、財務省が公開した該当項目の書き換え前の文書を確認してみよう。

昭恵夫人の登場と、異常な土地取引進展の相関関係がありありと

「これまでの経緯」で最初に記されているのは2013年6月28日で、籠池泰典理事長が小学校用地として問題の国有地取得を検討していることを近畿財務局が聴取、取得要望書の提出などといった必要な手続きを説明したとある。その後、同年8月13日には、自民党・鴻池祥肇参院議員の秘書が近畿局に電話をし、森友側が〈(国有地を)購入するまでの間、貸付けを受けることを希望しており、大阪国空局に直接相談したいとの要請〉を受けている。

 だが、鴻池議員側が「口利き」をおこなったものの、事態は森友側の要望通りには進まない。近畿財務局は小学校設置認可の権限をもつ大阪府私学・大学課に認可の事前審査の状況を知るべく2度にわたって照会をおこなっているが、〈審査できる書類が整っていない〉ことや〈資金計画の妥当性が説明できる書類の提出〉がない状態であることをそこで把握。その上で、2014年4月15日に森友側から大阪府の小学校認可適当の答申より先行して〈貸付けてほしい〉という要望を受けたとき、近畿財務局は〈答申を得る前の契約はできない〉と断っている。大臣経験があり、関西では大物政治家として名を轟かせる鴻池議員がかかわる案件だと認識しながらも、近畿財務局は森友が要望してきた特例契約を拒否しているのだ。

 しかし、この次に登場するのが、昭恵夫人の名だ。2014年4月28日、近畿財務局は森友側に資料提出を早くおこなうように要請すると、逆に森友側から今度は〈当初計画していた本年7月の大阪府私立学校審議会への諮問を本年12月に変更したいので、その前提で対応してほしい〉〈大阪府が小学校新設に係る設置計画書を受理した段階で、近畿財務局から豊中市に「森友学園と本財産の契約を締結することを証する」旨の文書を提出してもらいたい〉という要請を受けた。そして、こうした要望を記したあとで、〈なお〉と前置きし、近畿財務局は文章をこうつづけているのだ。

〈なお、打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。〉

 すると、つづく2014年6月2日に近畿財務局は、4月28日に森友側から受けていた2つの要請を承諾する回答をおこない、その上、〈売払いを前提とした貸付け〉についても〈協力させていただく旨を回答〉と記しているのだ。

 鴻池議員が口添えしても動いてこなかった近畿財務局が一転、昭恵夫人との関係を認識するや、要望をすべて聞き入れ、特例契約に「協力する」とまで態度を一変させる──。これはその後も同じだ。2014年10月7日に近畿財務局は、やはり特例契約は厳しいと踏んでか、森友側に国有地を〈即購入することができないか検討を依頼〉するなど再び膠着状態になるのだが、翌2015年1月8日、産経新聞が昭恵夫人の森友訪問の際、〈園の教育方針に感涙した〉という記事が掲載されたことを記したあと、つづく同年1月9日の文章では、〈近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える〉と記載しているのだ。つまり、またも昭恵夫人の名前が出たあとに〈即購入〉から〈貸付〉へと話が森友側の要望通りに動いているのである。

通常ありえない詳細な経緯説明の裏に、近畿財務局職員の“叫び”が

 たしかに、これは玉川氏の指摘通り、「特例的なことが、いかに昭恵夫人の登場によっておこなわれたのか」を指し示す文書と言えるだろう。

 では、なぜ近畿財務局の担当者は、このような赤裸々な経緯を書き記したのだろうか。実際、番組ゲストの元財務官僚・山口真由氏は、「もともとの文章の異常な詳細さ」に驚いたと言い、「経験上なかなかない文書」と指摘した。

 すると、番組コメンテーターの青木理氏は、その背景に何があったのか、このように感想を述べた。

「逆に言うと、それが本件の特殊性を非常に表している感じがしててね。つまり、官僚の人たちって基本的に保身の気持ちもあるから、『こんなにいろいろあったから今回こういう特別なことをしたんですよ』というような。(中略)ある種、叫びが聞こえてくるような文書なんですよ。その叫びの部分を『まずい、まずい』と消しているっていう」

 さらに、玉川氏も青木氏の意見に呼応するように、こう語った。

「なんでこんな特例的な文書を残したのかっていうことになると、さっき『叫び』というような言葉がありましたけど、自殺されたノンキャリのこれを担当していた方が『汚い仕事(をやらされた)』と言っているわけですよ。その『叫び』ということと『汚い仕事』というようなことが、どうにもぼくには結びついて感じられるんですよね。じゃなかったら、書きませんでしょ? こんなこと。何のために書くんですか。『私はこんなことをやらされました』と、通常あり得ないこと、常識的じゃないことを、というような叫びなのかなとぼくは見ます」

 普通ならば絶対におこなわない「汚い」取引を推し進めざるを得なくなってしまった理由。そのターニングポイントの直前に2度も記された昭恵夫人の名前──。こうした指摘に対し、「籠池理事長が昭恵夫人を勝手に利用しただけ」「近畿財務局が勝手に忖度しただけ」と安倍支持者は言うが、それはまったく通用しない。

 この「これまでの経緯」が記された「特例承認の決裁文書」は2015年2月と4月につくられたもののため登場しないが、同年11月には総理夫人付け職員の谷査恵子氏が財務省に「口利きFAX」を送付。籠池理事長はこのFAX以降、「非常に瞬間風速の速い神風が吹いた」と証言しており、事実、FAXに記された森友側の要望は、結果としてすべて叶えられるという「満額回答」となっている。籠池理事長が昭恵夫人との関係を誇示して近畿財務局から忖度を引き出しただけではなく、昭恵夫人は自ら右腕の秘書を通じて、近畿財務局の上にいる本省に働きかけていたのである。

 これは本省への働きかけのため、近畿財務局の決裁文書には出てこないが、昭恵夫人の財務省への働きかけはもう一度、徹底的に追及する必要がある。

 あらためて言うが、昭恵夫人が取引に影響を与えていたことを証明する決裁文書が表沙汰になることによってもっとも不利益を被る人物は、間違いなく安倍首相だったのだ。

 2月17日の衆院予算委員会で、追及する野党の質問に逆ギレした安倍首相が言い放った「私や妻が関係していたということになれば、これは、まさに私は間違いなく、総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」という答弁。これこそが、公文書改ざんの引き金になったのではないかという指摘は、野党からもメディアからも相次いでいる。本日の『モーニングショー』では青木氏が「大袈裟でもなんでもなく、戦後有数の、極めて特異な権力犯罪」と断罪したが、その国家的犯罪の戦犯を、はっきりさせなければならないだろう。

安倍晋三

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