名護市長選で卑劣すぎる基地問題隠し! 自民党が「辺野古の『へ』の字も言わない」と指示した内部文書が発覚

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自民党HPより


 昨日、投開票がおこなわれた沖縄県名護市長選は、現職だった稲嶺進氏を破り、自民・公明・維新が推薦した渡具知武豊氏が当選したが、早速、安倍首相が「市民の理解をいただきながら、最高裁判決に従って進めていきたい」と述べ、辺野古移設推進の民意が得られたという見解の発言をおこなった。

 まったくふざけるなと言いたい。この名護市長選において、渡具知氏は辺野古移設の是非について一切あきらかにしておらず、選挙の争点にしてこなかった。しかも、その「争点隠し」を指示していたのは、自民党だ。

 2月1日付のしんぶん赤旗は、自民党が選挙戦において作成した「内部文書」の存在を報道。この内部文書は「応援メモ」というタイトルで、応援に入る国会議員などへの指示が着込まれており、その最後には、大きな字でこう書かれているのだという。

〈NGワード…辺野古移設(辺野古の『へ』の字も言わない)〉

 さらにこの「応援メモ」には、こんな指示がなされていた。

〈オール沖縄側は辺野古移設を争点に掲げているが、同じ土俵に決して乗らない!〉
〈普天間基地所属の米軍機の事故・トラブルが続く中でも、『だから一刻も早い辺野古移設』などとは言うべきではない〉

 事実、渡具知氏は一貫して辺野古移設の賛否について姿勢をあきらかにせず、公開討論をすべて拒否。一方、自民党は菅義偉官房長官や二階俊博幹事長ら大物議員を沖縄に送り込んだほか、三原じゅん子議員や小泉進次郎議員といった「タレント・人気議員」を応援に駆り出し、小泉議員にいたっては選挙終盤に2度も名護市入りさせた。そして三原議員や小泉議員は基地問題について一切語らなかったばかりか、デマに基づいて稲嶺市政非難を繰り出したのだ。

三原じゅん子、小泉進次郎のデマ拡散、交付金による懐柔工作

 たとえば、三原議員と小泉議員は、そろって名護市がゴミを16分別している件を槍玉に挙げ、小泉議員は「私の地元の横須賀市は4分別。16分別では大変」「こういう暮らしや毎日の生活、子供たちの未来のために何をやるかという政策論争が一番大事なんです」などと訴えた。さらに三原議員も、このゴミ16分別を俎上に載せた上、市指定のゴミ袋の値段が髙いなどと言い出した。

 ゴミ分別による資源の循環利用を推進することは国の政策でもあり、自治体の取り組みは評価されこそ非難されるようなものではない。事実、名護市は環境省調査でもゴミのリサイクル率は県内1位という数字を誇る。しかも、じつはゴミの16分別も、ゴミ袋代を決めたのも、稲嶺市長ではなく自民・公明が推薦した島袋吉和元市長時代のこと。当時、市議会議員だった渡具知氏も賛成に回っているのだ。

 だが、選挙戦ではこのほかにも多数のデマが一方的に喧伝され、稲嶺氏を誹謗中傷するビラも撒かれつづけた。また、ネット上では安倍応援団の櫻井よしこ氏が2014年に流した“名護市は選挙前に有権者が約2000人、不自然に増えている”“本土から基地反対勢力が住民票を移してきた結果だ”というデマを、この市長選でもネトウヨたちが拡散。しかも、自民党参議院議員・山田宏氏は、ツイッター上で稲嶺市長について〈翁長知事の「オール沖縄」という名の親中反米反日勢力と共にある現職〉などと投稿した。

 その上、安倍政権は、もっとも汚い手をこの選挙戦で展開した。告示を目前に控えた1月19日、政府は渡具知氏が当選すれば、稲嶺市長就任後の2010年から名護市で支給が止まっている再編交付金の交付対象とする方針を打ち出したのだ。実際、当選から一夜明けた本日、政府は交付する方向で検討に入ったという。

 札束で頬を叩き、自治体に言うことを聞かせようとする──。菅官房長官や二階幹事長もこの選挙戦で公共事業推進をちらつかせて票集めに動いていた。「辺野古移設」の争点隠しを指示する一方で、移設を前提に交付金とは、あまりに卑劣なやり口ではないか。

 辺野古移設の話題には口を閉ざしながら交付金をアメにし、ネット上では自民の国会議員が「翁長は親中」というネトウヨジャーナリストが流してきたデマを流し、「基地反対派は反日だ!」とがなり立てる。──このような醜い選挙戦を展開して、辺野古移設を争点にもしなかったのに安倍首相は「移設は民意」などとほざいているのである。

市長選で辺野古移設が容認されたわけではない! いまも66%が反対

 しかし、渡具知氏および自民党が「辺野古移設」を争点にしなかった以上、この市長選の結果を「移設は民意」と捉えることはできない。

 現に、1月30日に公表された琉球新報社・沖縄タイムス社・共同通信社の3社合同でおこなわれた名護市の世論調査では、普天間基地の辺野古移設について「反対」「どちらかといえば反対」と回答したのは66%、「賛成」「どちらかといえば賛成」は28.3%にとどまり、さらに名護市長選結果に関係なく辺野古移設を進める考えの政府姿勢を支持するかについては「支持しない」「どちらかといえば支持しない」が67.2%となっている。過半数以上の市民が辺野古移設に反対の立場であり、「市民の理解」など得られてはいないのが現実だ。

 安倍首相は先の衆院選でも、憲法改正について街頭演説では一言も話題にすることなく、選挙が終わるや否や「自民党としての案を国会の憲法審査会に提案していきたい」と表明。今年はじめの年頭記者会見でも「憲法改正に向けた国民的な議論をいっそう深めていく。自民党総裁として、そのような1年にしたい」などと言い出した。選挙で有権者に対し街頭で憲法改正を一切語らないという「争点隠し」をおこなったというのに、なぜか改憲議論が国民の負託を受けたことになっているのだ。

 争点を隠しておきながら選挙後に「民意が得られた」と言うやり方は、安倍政権にとって選挙必勝法になっているのだろう。11月には沖縄県知事選がおこなわれる予定だが、こんな卑怯な手段を許すわけにはいかない。

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