森友問題で昭恵夫人の口利き新証拠が次々! 籠池夫妻に激励電話、FAX受け取った財務省担当者の証言も

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安倍昭恵Facebookより


 本日の参院予算委員会で、再び森友学園をめぐる新たな音声データの存在が明らかになった。共産党の辰巳孝太郎参院議員が質問で明らかにしたのだが、2016年3月、近畿財務局と大阪航空局、籠池泰典理事長らとの協議の場で、籠池理事長はこう語っていたというのだ。

「昨日、われわれが財務省から出た途端に、安倍夫人から電話がありましてね。(昭恵夫人は)『どうなりました? がんばってください』と」

 昭恵夫人直々に籠池理事長に対して、国有地取引にかんする応援の電話を入れていた──。実際、3月15日に籠池夫妻は財務省で「口利きFAX」に回答した田村嘉啓国有財産審理室長に面会しており、昭恵夫人はそのあとに「激励の電話」を入れていたというのだ。

 だが、この音声データについて問われた安倍首相は、また例の如く「籠池さんは『安倍晋三記念小学校』と申請したと言っていたが実際は『開成小学校』だった」という話をはじめ、さらには、籠池理事長が近畿財務局や大阪航空局との協議のなかで「棟上げのときに首相夫人が来られることになっている」と述べていたことについても「民進党の杉尾(秀哉)議員の質問に、籠池氏は棟上げ式に『来ていない』と言っている」と言い、籠池氏は「言っていることをコロコロ変える人物の証言」だと反論した。

 安倍首相はまるで鬼の首を取ったかのように語るが、この発言のどこが「昭恵夫人が電話した」ことを否定する証拠になるのだろう。籠池理事長は「棟上げ式に来ることになっている」という「予定」を述べていただけで、問題になっているのは「行く予定があったのかどうか」だ。しかし、このことについて1月29日の衆院予算委で問われた安倍首相は「突然聞かれても私は答えようがない」と答弁を拒否した。質問した長妻昭議員は事前通告をおこなっていたのに、である。

「安倍記念小学校」で申請していたかどうかの問題も同じだ。安倍首相はやはり29日の衆院予算委でこの問題を取り出し、「朝日新聞の報道は真っ赤な嘘」などと糾弾したが、これにも何の意味もない。たしかに昨年、公開された設置趣意書には「開成小学校」と書かれているが、設置趣意書は複数あるのではないかと見られており、「安倍晋三記念小学校」と書かれた設置趣意書が存在する可能性はまだあるのだ。

 しかも、もし「安倍晋三記念小学校」と書かれた設置趣旨書がなかったとしても、だからどうしたという話で、実際、塚本幼稚園でおこなった講演会では、昭恵夫人みずから「(森友学園の)教育方針はたいへん主人も素晴らしいというふうに思っている」「(籠池)先生からは『安倍晋三記念小學院』という名前にしたいというふうに当初は言っていただいてたんですけど、主人が(略)『もし名前を付けていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい』ということで」と語っている。念を押しておくが、これは安倍首相が“嘘つき”と主張する籠池氏の発言ではなく、自分の妻・昭恵夫人が語ったものだ。

昭恵夫人の口利き追及に「事前通告のない質問」と逃げ続ける安倍首相

 自身の名前を冠した小学校がつくられることにはまんざらでもない様子だったのに、窮地に立たされると言いがかりで話を逸らして攻撃する。──現に、「昭恵夫人が籠池氏にかけた激励電話」についての安倍首相の答弁は、逃げの一手で話にならないものだった。
 
 たとえば、辰巳議員は「昭恵氏は、この3月15日の籠池氏の直談判が終わった直後に、籠池氏に電話をしたんですか?」と質問しているのに、安倍首相の答弁は「この売買について(昭恵氏は)金額の交渉等には一切かかわっていない」とまったく噛み合わないもの。再度、辰巳議員が同じ質問をおこなうと、「急に3月15日にということ、事前通告していただかなければなりませんよ、そんなものは! それ普通、常識じゃないですか。真面目に審議をしたいのであればですね、事前通告してください!」「質問通告があれば答える」とキレはじめたのだった。一昨日、事前通告した質問には答えなかったのに、である。

 だが、いくら安倍首相が森友の土地取引と昭恵夫人の関係を否定しようとも、証拠は山のように出てくる。実際、昨日1月31日には、またも「政府答弁の嘘」が発覚した。

 それは、2015年11月に昭恵夫人付きの政府職員・谷査恵子氏が、財務省理財局の国有財産審理室長・田村嘉啓氏(当時)に「口利きFAX」を送っていた件。昨年、国会に参考人招致された佐川宣寿前理財局長は、これを「一般的な問い合わせ」だったとし、田村国有財産審理室長が森友学園にかんする問い合わせであることを認識していたかどうかについても「私は承知していない」と答えていた。

 しかし、田村氏は共産党の宮本岳志議員に対し、以下のような見解を文書で示したというのだ。

「森友学園に関係しての照会であったことは認識していたと思う」

 つまり、財務省は少なくとも2015年11月の段階で、森友学園の国有地取引の問題は、昭恵夫人付きの秘書がわざわざ問い合わせをしてくるほどの案件だ、ということを認識していたということだ。その上、2016年3月15日に昭恵夫人から籠池氏に激励の電話がきたとしているのは、この田村国有財産審理室長との交渉が終わった直後。これが事実であれば、一体、どのようにして昭恵夫人は籠池氏が財務省と面談していたことを知ったというのか。

 安倍首相は昭恵夫人の国会招致を拒み、「私が答える」と言ってきかないが、このまま昭恵夫人がとった言動について夫の安倍首相に何を聞いても無駄だろう。31日の予算委でも、安倍首相は籠池夫妻と昭恵夫人が2014年4月に小学校建設予定地で撮ったにこやかなスリーショットの写真も、「その事実を妻から聞いたことがない」と逃げた。れっきとした物証があっても「話を聞いていない」で済ませる人が代理で答えても、埒が明かないのは当然ではないか。

山本太郎が籠池夫妻の不当長期拘留を追及するも国会で「失言」扱いに

 また、本日の予算委では、自由党・山本太郎議員が籠池夫妻の不当長期拘留問題に言及した。まず山本議員は、昭恵夫人から100万円の寄付を受けたと籠池氏が国会で述べたことを安倍首相は否定するものの、いまも「偽証罪」には問われていないとし、「発言の内容が事実と違うのであれば、偽証かどうか徹底的に検証する必要がありますよ」と追及。問題の当事者が、片方は証人喚問を受け、片方はいまだ呼ばれてもいないことは「あり得ない不公平」だと批判した上で、安倍首相にこう迫った。

「総理大臣夫人という立場性を使い、国有地をタダ同然で差し上げるきっかけ、その橋渡しなどをつくったと疑われる人物が、何の説明もすることなく毎日をエンジョイ。通常運転に戻っている一方で、現在、籠池氏と奥さまは半年以上にもわたり窓もない独房で長期間拘束されつづけているようです。総理ご自身が、これ念のため聞くんですよ、総理ご自身が口封じをするために長期拘留を指示したなんて、ありませんよね?」

 籠池夫妻の不当勾留はあきらかに異常なもので、「口封じのために安倍首相が指示しているのでは?」という疑念をもっている人は多い。だが、この山本議員の質問に、委員長は「山本議員の失言」とし、理事会で協議するとした。

 その上、山本議員は「国連被拘禁者処遇最低基準規則、いわゆるネルソン・マンデラルールに違反する行為ではないか」と指摘し、「総理、どんな嫌疑をかけられた人であっても、拘留中の人権は守られるべきだと思われますよね?」と質問。すると、安倍首相は「人権が守られるのは当然のことだろうと思われます」とだけ述べたのだった。

 まだ公判もはじまってもいない籠池氏について、公共の電波を使って「詐欺をはたらく人物」と決め付けたのは安倍首相だ。進行中かつ未確定の司法案件について時の最高権力者である総理大臣が、「推定無罪」という司法の基本中の基本である大原則を無視し、いち民間人を有罪と決めつけ、マスメディアを通じて「詐欺をはたらいた」と連呼するのは完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力にほかならないが、その安倍首相が「人権が守られるのは当然」と答えても虚しいだけ。人権を守るべきというのなら、ただちに籠池夫妻の勾留を問題にするべきだが、そんなことは望むべくもない。籠池夫妻の言動が封じ込められてもっともトクをしているのは、ほかならぬ安倍首相と昭恵夫人であることは間違いないだからだ。

 山本議員が述べたように、片方だけが国会にも出ず、毎日をエンジョイしている状況はおかしすぎる。森友問題の真相を解明するには、何よりもまず昭恵夫人が直接、国民に説明をするべきで、土地取引に一切関与していないと言い切るならば、安倍首相も「公人ではなく私人」などと四の五の言わずに公の場での説明を求めればいい。それをしようとしないから、疑惑は深まっていくのだ。この問題発覚から約1年経っても昭恵夫人が国会に出てこないという事実こそ、森友問題とは何かを物語っている。

最終更新:2018.02.01 08:22

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